俳優、女優、声優

2009年7月 2日 (木)

ブログ有料化/新垣結衣

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これはもしかしたら、今後大きな波になるかも知れない。新垣結衣の所属事務所レプロエンタテインメントが、新垣のブログ閲覧の有料化を発表したのである。料金は月額840円。これはなかなか強気な設定と言えるだろう。1万人集まれば1ヶ月で840万円、年間で1億80万円。なんとなく年1億を目標にして設定されたようなプライスではある。しかし払うほうは一人年間1万80円、これは少々キツイのではないかという気もするが…。

HPをのぞくと、有料化を前にして「新垣結衣と行くはとバスツアー」なる企画まで用意されている。もちろん参加者は抽選で、会員登録者のみ応募可能とあるから、有料会員を獲得するためのキャンペーンだろう。ということは、ブログ有料化は事務所としてもそれなりに腰を据えた本気のプロモーションであることがうかがえる。

冒頭で「今後大きな波になるかも」と書いたのは、単純にブログ有料化が進むだろうということではない。タレントのインターネットの使い方が、これまではファンの間口を広げるための広告的なものであったのが、サービスそのものを提供する手段になっていくのではないか、と思ったのである。「他人の日記をカネ払って見る奴の気が知れない」などと言う人もいるが、そういう人は「ブログ=日記」の思いこみが強すぎると思う。ブログを「双方向性コミュニケーションツール」と大きく考えれば、それなりの価値を生み出す可能性は十分ある。そしてそれは「オープン」から「クローズ」へのシフトでもあるだろう。

もちろんタレントの「会える」化はAKB48のような前例もあるので、新垣プロジェクト(勝手に命名)はそれ以上のサムシングがなければならないだろう。事務所に優秀なネットマーケティングのブレーンがついたのだろうか。だとしたら、今回はテストマーケティングとして非常に面白いと思う。

さらに思うのだが、タレントがブログを「広報手段」から「サービス提供手段」に変えていくとしたら、アメブロなどが抱えるタレントブログは下火になるかも知れない。タレントブログというのは、ブログサイトにとってはPV確保と広告キャスティング(要するにブログへの書き込み依頼)のための囲い込み手段であり、タレントにとってはファン獲得の手段であるのだが、どちらかといえばブログサイトがタレントに「書いてもらっている」のが実態だと思う(もちろん有名タレントに限った話)。ブログを書いてギャラをもらっているタレントもいるが、もしブログを有料化したほうがギャラより儲かるならば、ブログサイトの「公式ブログ」は書かなくなるだろう。そうなるとタレントをつなぎとめるために、ブログサイトはそれ以上のギャラの上積みを要求されるかも知れない。またブログサイトから「タレント離れ」が起こるとしたら、タレントによる「ブログ書き込み」の収入も減ることになるだろうし、ブログサイトとしては二重に痛いはずである。

この出来事に対して書かれた一般人のブログを見ていると、「新垣結衣は本当に料金分のブログを書けるのか?」「ゴーストライターが書くのでは?」「女優なのにはとバスツアーなんか行く時間があるの?」「有料化しても炎上するときはする」といった、コンテンツ面の心配が多いようだ。いずれももっともな意見である。

しかしとにかく、やってみなければ分からないことも多い。新垣がちゃんとブログを書けるのか、追随して有料化するブログが出てくるのか、そしてアメブロが何か対策を打ってくるのか、じっくり注目したいと思う。

Gakki

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2009年6月30日 (火)

「家電俳優」考/細川茂樹

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細川茂樹が家電に詳しく、投資の専門知識を持っているということを世間に認知されたのはいつ頃だろう。30歳を過ぎて仮面ライダーに抜擢されたときにはもう知られていただろうか。恥ずかしながら私にとって細川茂樹という俳優はまったくノーマークであった。イケメンで、特殊な分野に通じており、ブログも書ける。これほど広告に使いやすいタレントだったとは知らなかった。

すでに「家電芸人」、じゃなかった「家電俳優」としての仕事もあり、日経トレンディで家電をレビューする連載を持っている(といっても彼が書いているのではなく取材記事ふうの読み物)。誌面では「熱血バイヤー」の肩書きを奉られおり、扱われ方も何となく松岡修造的である(持ち上げられつつどこか扱いが軽い)。最近ではアメブロのタイアップ企画があり、こちらではNECのパソコンをPRしていた。自分の言葉で蘊蓄が語れるので、家電会社が主催するトークショーなどにも呼ばれているようだ。

「家電俳優」は企業にとって使いやすい。我々もキャスティングしやすい。しかし「生き方」としては意外にしんどいのではないかと思う。どうしても「企業のPRマン」臭くなるからだ。多くの人は広告など嫌いであり、だからユーザーの感想や、一家言ある人の話を聞きたがる(そしてできれば「けなし文句」を期待している)。もし「家電俳優」が話す内容に企業の宣伝臭さが感じられたら、だれも耳を傾けなくなるだろう。

そうならないためには、やはり自分なりの評価軸を打ち出すべきで、「メーカーはこういう考えかもしれませんけど、僕はダメですね!」と切り捨てるくらいでないといけない。しかし、家電メーカーといえばドラマやテレビ番組の大スポンサーである。タレントは足を向けて寝られない。当然おいそれと悪口を言うわけにいかず、「スポンサーの期待通り」の発言に終始してしまう・・・、というストーリーが浮かぶ。

家電メーカーにすりよればファンが離れる、ファンを楽しませようとするとメーカーに睨まれる。というのが、私の考える「家電俳優」のしんどさである。細川がどうなのかは、実はまだ彼の仕事をあまり知らないので、コメントは差し控える。いずれにせよ、タレントの価値を決定するのは一般人である。「家電俳優」の肩書が一般人よりも企業に重宝がられているようでは、あまり寿命は長くないようにも思う。

Hosokawa

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2009年6月20日 (土)

懐かしのエレベーターガール/宮沢りえ

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オトナグリコのCMシリーズ、かつての「子供たち」の現在が次々明らかになっていく中、果たして宮沢りえ演じるワカメの職業はエレベーターガールであった。CMを見て、「ああ~」と思わず声を漏らしたあなたは30代以上だろう。そう、宮沢りえでエレベーターガールとくればTBS系で1992年に放送された「東京エレベーターガール」である。あの頃トレンディドラマという言葉はあっただろうか? あったとしてもあのドラマはどこか陰がある、いわゆるトレンディらしくない作品であったと思う。

「東京エレベーターガール」は共演者の面々もなかなかに興味深い。同僚のエレベーターガールが奥山佳恵、同じデパートの受付が中嶋朋子、その上司が佐野史郎、宮沢に思いを寄せる同僚が東幹久、宮沢と同じアパートに住むサラリーマンでやはり宮沢が気になっているのが赤井英和。今でも一線級の俳優がずらっと並ぶが、佐野はこのとき「冬彦さん」でブレイク寸前であり、まだほとんど一般には認知されていなかった。作中では中嶋と不倫する卑怯な中年男である。赤井はドラマ初出演、映画「どついたるねん」で役者デビューはしていたが、まだまだ俳優としては未知数の評価であった。ちなみに赤井の女房役が相楽晴子。「どついたるねん」でも赤井の相手役であったが、ここでは夫婦役を務めたとあって、世間では赤井と相楽が本当に夫婦であるという誤解も生まれた。宮沢は前年に写真集「サンタフェ」を発表しており、ドラマ終了後には当時関脇の貴花田と婚約。しかし同年末には突然婚約を解消し、その後かなり長期間、精神的に不安定な時期を過ごした。以後、それまで天真爛漫だった彼女のキャラクターははかなげで影のあるものとなる。そう思えば、「東京エレベーターガール」は彼女の人生前半の幸福のピーク時の作品であったかも知れない。

とまあ、結構覚えている自分も自分だが(ディテールで間違いがあったらご容赦)、25年後のワカメにエレベーターガールという職業を与えた制作スタッフもまた、このドラマを覚えていたに違いない。女の子の憧れの仕事ではあるが、時代遅れでもある。夢をかなえたはずなのに、いつまでもそこにいることは許されない。そういう切ない設定が宮沢には似合っている。現実の世界では、エレベーターガールどころか舞台となった多摩そごうそのものがなくなってしまったが。

意図したわけではないが、このブログではオトナグリコの登場人物4人をそれぞれ取り上げたことになる。自分で思っている以上に、あのシリーズが気になっているようだ。

カツオ タラオ イクラ

Wakame

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2009年6月18日 (木)

トークショーの帝王/石田純一

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少し前は「トレンディドラマの帝王」と言われた(ような気がする)石田純一であるが、ここ数年はもっぱら「トークショーの帝王」である。試しに「石田純一 トークショー」で検索してみると、出てくる出てくる。もちろん最近のものばかりでなく2~3年前のものも引っかかってくるが、ダブッているものを省いて時系列で列記するとこんな感じである。

・東京モーターショーで青田典子とトークショー(07年11月)
・結婚情報会社のバレンタイン記念イベント(08年02月)
・映画「プライスレス 素敵な恋の見つけ方」特別試写会ゲスト(08年03月)
・大学生SNS「LinNo」発表会ゲスト(08年07月)
・映画「レッドライン」イベントで川村ゆきえとトークショー(08年07月)
・琵琶湖遊覧船ビアンカ上でトークショー(08年08月)
・JRAエリザベス女王杯レース展望&トークショー(08年10月)
・アメブロX'masパーティー(08年12月)
・映画「サーティーン」特別試写会で優木まおみとトークショー(09年02月)
・スイート・スイーツ ジャパン2009ホワイトデーSPトークショー(09年03月)

タレントの「トークショー出演回数」のランキングなどおそらくないと思うが、あったら石田純一はかなり上位ではないだろうか。強力なライバルにIKKOや押切もえなどがいるが、純一も負けてはいない。

トークのテーマはほぼいずれも「恋愛」である。いやはやこれだけいろんなところで色恋の話を披露できるというのも、ひとつの芸だと思う。NHKの「プロフェッショナル」に推薦したいくらいである。いや、皮肉ではない。私が知っているタレントの中でも、石田純一はトップクラスのサービス精神の持ち主である。どこに行っても「結婚は?」「好きな女性のタイプは?」みたいなことばかり聞かれるのは想像に難くなく、普通の男なら「オマエらそれしかないのかよ?」とすねてみたくもなるものだ。しかし石田は嫌な顔ひとつせず、ワンパターンの質問でも今初めて聞いたような顔で真剣に答え、さらには「今日は手ごわいお客様が多いですね」とプラスαの一言を付け加えてくれる。こういう一言が、参加したお客の思い出になったりするのだ。

また、石田の凄いところは、相手がだれであってもそれなりにトークがサマになるところである。テレビは台本が用意されていることが多いのであまり目立たないが、フリートークの場合、相手によっては話が全然弾まないタレントも結構多いのである。石田はどんなシチュエーションでもちゃんとお客を楽しませてくれる。これもポイントが高い。

「知名度があり」「気の利いたトークができる」さらには「お得感がある」。要するに、石田純一はイベントの主催者やキャスティング会社がもっとも安心して呼べるタレントなのである。実際、私がかかわったホテルや商業施設のトークショーは、企画段階ではほぼすべてといっていいほどゲスト候補に石田純一の名があったように思う。俳優で声がかからなくなっても、十分に「トークショーのプロ」として食べていけるだろう。

ところで石田が「恋愛」以外で注目されることといえば「ノーソックス」である。トークショーではバーにあるような座の高いイスを使うことが多いが、石田が出るときはやや低めのイスが多いように思う。それだと腰を下ろすと自然に膝が曲がり、足元が見える。舞台設営の人があえて用意していると思うのだが、ちょっとうがちすぎだろうか。

Jun

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2009年6月14日 (日)

「変」/阿部サダヲ

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阿部サダヲを一言で説明するとしたら「変」だと思う。彼の「変」とは違和感に近いもので、演技が下手なわけではないのに、サラリーマン、教師、探偵、医者、何を演じても「そんな奴はいねえだろう」と思わせる「変」なのである(もちろん私個人の感想なので「そう思わない」方はご容赦いただきたい)。彼がいるだけでその場には非日常的な空気が漂う。

最近の仕事では、湖池屋ポテトチップスの「コイケ先生」シリーズがたまらなく変で好きである。湖池屋のHPには念いりに過去に放映したCM作品のほとんどに「WEB特別版」を用意して公開しており、3分近くのサダヲワールドを堪能できる。おそらく大まかな設定と出だしの多少のセリフ以外はまったくのアドリブだろう。30秒を過ぎたあたりから阿部はじめ俳優たちが「考えながら」セリフを口にしているのが目立つようになる。なんか薄ら笑いを浮かべていたりする。生徒役の子役たちは基本無言なのだが、それがさらに不安定な空気を助長しており、見ているこちらが辛くなってくる。が、それはそれで面白いのが不思議だ。

最近は阿部をはじめクドカン、荒川良々、平岩紙、宮崎吐夢など、大人計画の俳優が単体で使われることが多い。ちなみに大人計画は劇団でありながら芸能プロでもあり、俳優のマネジメントもしている。つまりタレントに支払われるギャラの何%かは劇団に入るのである。これは劇団という慢性的に赤字体質の企業運営において大きなメリットと言えよう。

阿部に話を戻すと、彼のしゃべりは基本的に「自信たっぷり」である。間違っていようと何であろうと、歯切れよく「~です」と言いきってしまう。しかも妙にハイトーンの声で。それは芝居とわかっていても「変」であり、まぎれもなく阿部サダヲそのものである。

Sadawo

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2009年6月 4日 (木)

おやじカワイイ/菅野美穂

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サントリーの新商品「豊か」のCM。一面の麦畑の中、ビールを飲み干した菅野美穂のせりふは「おてんとさまさま、あんたはえらい!」である。この「あんた」が標準語の「あ」ではなく「た」にアクセントをおいた見事な関西弁なのである。ぼーっとテレビを見ていたのだが、「えっ?菅野って関西人だったっけ?」と急いで調べてみると「神奈川県」とあった。やられたなあ。どうってことのない脚本にちょいと味付けして視聴者をぐいっと引き寄せる、監督はどなたか知らないが小さく拍手を贈りたい。

ちなみにスタッフブログの制作裏話によると、監督が「豊か」CMで菅野の演技につけた注文は「おやじカワイイ」だったそうだ。そのイメージは前に彼女が出演したドラマ『働きマン』の主人公から来ていそうだが、私の中でその路線はいまいちしっくりこない。菅野のイメージは徹頭徹尾「女の子」であり、多少下品に缶ビールを飲んだところで、「お父さんのマネをしている娘」にしか見えない。

ユーキャンのCMのOL役のほうがずっといい。そっちでは、オフィスで悔しい思いをして唇をかみしめるようなシーンがあったが、あれこそが菅野のいちばんいい顔ではないかと思うのだ。「おやじ」なんかより、もっともっと「女」を極めてもらいたいものである。

菅野といえば、いまひとつ意図が良く分からないながらも印象的なCMがあった。男性の役者と夫婦(?)の設定で出ているチオビタの「愛情一本」シリーズである。2人でチオビタのパックを両手に持って走って家に帰ったりするのだが、あれはいったい何なのだろうか。チオビタを買ったからといってわざわざ疲れるようなことをしなくてもいいじゃないか。物干し竿を2人で家に担いで帰るパターンもある。そんなものを運ぶというのが唐突であるのに加え、2人で担げばそれほど重くもないだろうに、それであれほどへとへとになるというのも不思議である。もっとも「なんだこれ?」という疑問は、最後に菅野の笑顔のアップで吹き飛んでしまうのであるが。これも演出の妙といったところか。

Kannno

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2009年5月27日 (水)

理想の妻といえば/檀れい

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早いもので、檀れいの金麦CMはもう3年目になる。CMのコンセプトは当初からまったく変わらず、男の目から見た「こんな嫁ほしいなー」である。安田成美が「薔薇って漢字で書ける?」などと言っていた醤油のCMと似ているが、あれより金麦のほうがずっといい。演出であるのは分かっているが、安田のは男に媚びすぎというか、一日じゅうダンナのことばかり考えている(ように見える)ような妻はちょっとしんどい。檀れいが演じる妻はダンナの帰りを待ちつつ、自分なりの価値観を持ち、自分なりの生活の楽しみ方を心得ていて、その中のひとつに「ダンナ」があるように見える。心地よい夫婦の距離感というのはそういうものだろうと思うのだ。私が年をとっただけかも知れないが。

CMキャラクター契約は、短ければシーズン(3~4ヶ月)単位で結ばれるので、檀れいのキャスティングが3年もの長期にわたっているのは「好評につき」の結果だろう。メーカーや制作者が予測していたかどうかは知らないが、今や「金麦=檀れい」である。そういえば先日、友人と3人でいるときに一人が「檀れいって誰?」と言い出し、私ともう一人がほぼ同時に「金麦…」と声を出したことがあった。檀れいといえば金麦、金麦といえば檀れい、これはもう、イメージキャラクターとして理想的な効果を上げていると言える。

金麦のCMが檀れいでずっと続いている「勝因」は、徹底して男にとっての「理想の妻」を演じさせていることに尽きると思う。セリフはすべてテレビのこちら側に向けての「語りかけ口調」、服装はブランコに乗る時も自転車をこぐときも絶対にスカート(浴衣バージョンは除く)、缶には口をつけず必ずグラスに移して飲むところなど、制作者の意地とこだわりを感じる。適度に地味で適度にオシャレ、基本的に美人という、檀れいのキャラクターも十分すぎるほどマッチしている。このCMを「そんな嫁いるかよ」「ダメな男の専業主婦願望」と批判する女性もいると聞くが、構うことはない。ガンガンやって行きつくところまで行ってほしい。CMくらい夢を見せてくれてもいいじゃないか。

全然関係ないが、金麦の成功を見て、キリンの「淡麗」宣伝チームが「ウチが檀れいを使っていれば…」と、ホゾを噛んでいる姿を想像しているのは私だけだろうか。「ダンレイ」と「タンレイ」…、すみません。

Drei

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2009年5月 5日 (火)

自虐キャラ/岸部四郎

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最初にGREE.JPのCMを見たときはそっくりさんかと思った。まさか本人をキャスティングして、こんな失礼なCMは作れないだろうと。しかし、まぎれもなく本人による出演と「金はない、時間はある」のキャッチコピーが大衆の琴線に触れたようで、CM放送以降、GREEの会員数は激増したという。広告キャラクター的には大当たりだったわけだ。

岸部四郎といえば、自己破産による司会番組の自主降板(というか逃亡)以降、「ろくでなし」「生活力なし」「自虐」のキャラクターが板についてしまった。呼ばれるバラエティ番組ではダメっぷりを自ら披露して笑いをとるなど、自分の不幸も他人にかけた迷惑も「どこか他人事」である。これは実際に知り合いとして身近にいたら痛いだろうと思わせつつ、しかし芸能人としてはオンリーワンのポジションを築いたとも言える。同じ「ダメ」でも田代まさしはここまで自分を笑い物にはできない。

なぜか岸部はマンション情報のWebサイトでブログを持っており、そこでも期待通りの情けない日記を綴っている。最近のエントリもいきなり「仕事があまりなくて、ひまです。」で始まるという、芸能人ブログとは思えない負のオーラが漂っている。しかし、このブログは同サイト内の芸能人ブログの中で「賞」を取っているほどの人気コンテンツなのである。間違いなく彼は愛されているのだ。とくに努力しているようにも見えないし、結構無責任に生きているわりにはそれなりにしのげているという、(本人はそうは思っていないだろうが)かなり運の強い人に違いない。

さらに運の良いことに、今は時代が味方をしている。景気の良いときならただの負け組だが、世界不況とか大失業時代とか言われるこの時代、彼の境遇に自らを重ね合わせる人も多いはずである。そういうわけで、これからはさらに広告キャラクターとしての仕事が増えるかも知れない。何だかまじめに生きるのが嫌になりそうな想像ではある。

ところで、岸部といえばギャラの「とっぱらい」で有名である。要するに仕事が終わったその場でギャラを現金で受け取るということで、銀行口座を通すと差し押さえられてしまうという事情による。まあそのことはWikipediaに載るほど有名になってしまっているので、今となっては「ネタ」だろうとは思うが。

Shiro2

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2009年4月29日 (水)

幸福なマッチング/戸田恵梨香

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キャスティングにあたってもっとも重視するべきことは、出演者と商品のマッチングだと思う。その商品を宣伝する必然性がだれの目にも明らかであれば言うことはない(もちろんミスマッチをあえて狙ったものもなくはないが)。柔道家の井上康生が警備会社に所属してイメージキャラクター的な仕事をしているのは好例だと思う。

しかしこれが簡単には実現しないことがある。たとえば過去にある政府機関の広告に某ジャーナリストに出演してもらおうと交渉したところ、拒否されてしまった。こちらは「説得力がある」という理由で仕事を依頼したのだが、向こうの言い分は「政府の仕事をしているような色がついてしまったら、今後のジャーナリスト活動に支障をきたすので」。同じように、ソムリエ資格を持つタレントにワインの広告に出てほしいと依頼してもやはりNGであった。タレントや著名人が広告に出ると、商品に「お墨付き」を与えている印象をどうしても持たれてしまう。自分が自信をもって推薦できる商品なら良いだろうが、「頼まれて広告する」場合、慎重になるのは当然だろう。「その道のプロ」ならばなおさら、特定の商品の宣伝には協力できないと考えたほうが良い。商材とタレントがぴったりすぎると、タレントの側に嫌われる場合があるのである。

ならば、広告する商品を本当に愛好している人物をキャスティングできれば最高である。そういう例がないかと探してみたら、最近戸田恵梨香がゲームの「ぷよぷよ」のイメージキャラクターになったという。戸田は以前から「ぷよぷよファン」を広言していたので、企業にとっても本人にとっても幸福なマッチングと言えるだろう。ほかには、広告ではないが佐藤隆太が主演ドラマ「Rookies」の主人公に憧れていたとのことで、自ら「ハマリ役」を奪取した感がある。ということで、タレントは自分の好きなものをどんどんアピールしたら良いと思う。ブログに書けば検索で引っかかることもある。商品名で検索をかけて出てくるタレントを、キャスティング屋は放っておかないと思う。いやマジで。

ところで、戸田恵梨香といえば最近はカップヌードルライトの「服を脱ぎ捨てる」広告で注目を集めている。当然「裸」であるわけはないのだが、ああいう見せ方をするとそういうふうに見えてしまうという、似たようなことをアイドルの水着グラビアでやった覚えがある男性も多いのではないか。とにかく、女性団体からの抗議がないことを祈りたい。

Toda

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2009年4月17日 (金)

地元イメージ/佐藤隆太

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佐藤隆太には「地元イメージ」がある。生まれ育った町で成長し、大人になってもずっとそこに住んでいるようなイメージである。かつて出演した「池袋ウエストゲートパーク」も「木更津キャッツアイ」も特定の地域が舞台であったし、昨年のサントリーダイエット生のCMでは下町の家具屋の息子という役柄だった。最近の吉野家のCMの設定は詳しくは知らないが、市川由衣とすれ違いざまに「おう、ユッコ」と声をかけたりするところを見ると、やはり地元民の設定なのだろう。「地元民男子には幼なじみの彼女」という、これは映画やCMでほとんどお約束である。

関西芸人や沖縄出身タレントは「地元イメージ」がアイデンティティなので別にすると、佐藤以外では江口洋介、柳沢慎吾、上地雄輔なんかが「地元」っぽい空気をまとっていると思う(柳沢はキャラクターイメージもなんとなく佐藤とかぶる)。女性では吹石一恵、長澤まさみ、スザンヌあたりだろうか。逆に「地元イメージ」の薄い俳優やタレントもいる。たとえば福山雅治、蒼井優、劇団ひとりなどを見ていると、どこにいても「ここではないどこかからやってきた」ように思える。まったく個人的な感想で恐縮だが。

踏み込んで考えてみると、「地元イメージ」は「不変」、「実直」、「家族ぐるみ」、「長い関係」などを示唆している。悪く言うと洗練性から遠く、頑固で保守的ということになるだろうか。しかし「地元にとどまる」とは「逃げない」ことであり、そこにはある種の覚悟のようなものがあるはずだ。その分、自分の足でしっかり立っている逞しさを持ち合わせており、だから「地元イメージ」の俳優やタレントは、広告ならば飲食や子売りなどの店舗系業種、あるいは地方銀行や信用金庫などにマッチすると言える。佐藤隆太などまさにその典型だと思うが、どうだろう。今後その方面の広告に起用されるタレントには注目してみたいと思う。

Ryuta

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2009年4月 3日 (金)

影の功労者は…/水嶋ヒロ・絢香

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いやとにかくたまげた。昼過ぎにネットニュースの見出しで「水嶋ヒロ・絢香入籍」という文字を見たときも、絶対「釣り」だと思った。たぶん映画かTVドラマで彼らが夫婦役をやることになって、それをそういうふうに書いているだけだろうと。「キム兄、ニセ札作りで逮捕」みたいな。

ところが夜のニュースで本当に記者会見の模様を放送していたからびっくりした。マジだったんだ。しかし紀香・陣内の破局以後、庄司智春・藤本美貴の婚約、ロバート秋山の入籍判明、そして今回のこれと、結婚のニュースが続いているのが面白い。自分の不幸と周囲の幸福がシンクロするという、藤原紀香というのは不思議なパワーを持っているようだ。そういえば彼女の雨女ぶりも有名である。話が逸れた。

水嶋・絢香のなれそめは雑誌での対談企画だったという。それを聞いてなんとなくうれしくなった。ウチのようなキャスティング会社が入っていたのかどうかは知らないが、2人を引き合わせたら面白いだろうと誰かが考えて、それがきかっけで2人が知り合い結婚に至ったのである。対談の企画がなければ二人は出会わなかったかも知れない。まあ今そんなことを考えているのはその企画の発案者と私くらいだろうが。

我々もキャスティングの仕事でタレントを(有名人もそうでない者も含め)同時に複数名手配することがある。そのとき、撮影の休憩時間などに、キャスト同士で愛が生まれているかも知れない。もちろん恋愛に限らず、監督や脚本家との出会いもあるだろうし、キャストされた仕事をきっかけにタレントが一皮むけることもあるだろう。あらためて考えてみると、キャスティングというのはさまざまな形でタレントに「チャンス」を運んでいる、なかなかロマンのある仕事と言えるかも知れない。

Mizuaya

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2009年4月 1日 (水)

貴重な「普通」/平岩紙

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なんとなくネットを見ていたらYahoo!知恵袋にこんな質問があった。

「『タイノッチ』にレギュラー出演している平岩紙さんですが、どうしても華があるようには思えません。毎週ただいるだけで、いなくてもよいし、存在価値がないのになぜ、起用されたのでしょうか。教えて下さい。」

「なぜ起用されたのか」知りたければテレビ局に質問すればよかろうに、ネットで不特定多数の人間に聞くというのが分からない。しかも「華がない」から「存在価値がない」とはあまりの飛躍ではないか。「タイノッチ」は深夜のかなりゆるい番組である。そんなところには、エネルギーが渦巻いているようなアグレッシブなタレントよりも、ほっこりなごませてくれる彼女のような人物が向いていると思うのだが、どうだろう。

それと、「華がない」と「派手さがない」を混同してはいけない。彼女は「華がない」のではなく、他の主役級の女優とは違う種類の華を持っているだけの話である。たとえば、平岩が出ているキヤノンのデジタル一眼レフのCMがあるのだが、これは個人的にかなり好きである。夫が買ってきたカメラにだんだんはまっていく「普通の」主婦ぶりがすごくイイ。CMの最後、夫が子供を肩車するのを撮った後の彼女の表情は、これ以上ないくらいに眩しい。「いい写真を撮れた」満足ではなく、自分の幸福に気づいた、そういう表情である。こういう役は、一般に「華がある」と思われがちな女優では絶対に嘘くさくなる。

平岩といえば、今は「神E」である。宝くじBIGの当選者を決める5人の神様の中の紅一点であるが、ここでもおそらく「普通っぽさ」を買われてキャストされたのだと思う。いわゆる「女神」イメージをストレートに人間におきかえれば、おそらく叶姉妹あたりが出てくるだろう。しかし浅野忠信をはじめとするBIGの神様たちは、テキトーでズボラで注意力散漫なやつばっかである。しかも神とはいえ人間を「こいつ」呼ばわりするなどガラも悪い。まあ、こんな連中が運命を握っているのだから、あなたも深く考えることはないですよ、いつかツキは巡ってきますよ、みたいなことをCMは言いたいのだろう。そういう「ゆる神」に、平岩はやはりぴったりはまっていると思う。

…と、書きながら今ふと思ったのだが、平岩が神様の一人にキャストされたのは、名前が「カミ」だからだろうか。だとしたらここまで書いたことの意味がなくなってしまうのでちょっと困る。

Hiraiwa

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2009年3月24日 (火)

鉄仮面ふたたび/香椎由宇

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キリン「のどごし生」CMでぐっさんが教育する3代目「新入社員」は香椎由宇である。下町イメージでビールが好きそうな池脇千鶴、「いまどきの新人」(という年でもないが)がぴったりのチュートリアルと続いた役だが、今回はがらっとイメージを変えてきた。ビールよりワインが似合いそうな香椎をぶつけてくるとは面白い。CM中、ちらっと見える履歴書では、彼女はMBA取得と書かれている(商売柄、こういうところに妙に注目してしまうのだ)。そして髪をひっつめ、黒ブチの秀才ふうメガネをかけて無表情での登場である。このスタイル、彼女の出世作となったドラマ『マイ・ボス☆マイ・ヒーロー』の女教師そのまんま。たしか作中では長瀬智也に「鉄仮面」と陰口を叩かれていた。

個人的には興味をそそられるキャスティングである。当然、これまでのイメージをリフレッシュするという意図があるのだろうが、「似合わない」タレントをあえてキャストするというのはなかなかに意欲的ではないか。これまでにはなかったキャラなので、CMのストーリーも新しい展開があるだろう。ここでちょっと予想。

・香椎が店頭で外国人に英語で「のどごし」の説明をする
・すごい知識を披露すると同時にすごい天然ボケもかます
・「メガネをとったら美人」という古典的展開
・来年の今頃は涙の卒業(たぶん海外に赴任)

さらに私が監督なら、彼女にピアノを弾かせてアンジェラ・アキのものまねをさせるが、それはないか。まあ以上は素人が思いつく程度のことなので、テレビではそれ以上の展開を期待したいと思う。

彼女のプロフィールを確認しようとWikipediaをのぞくと、本名「小田切悠子」とあった。おお、忘れていたが彼女はオダギリジョー夫人である。しかしまだ22歳、大学に在学中なので学生結婚ということになる。なるほど、それならCM中でも「実は人妻」みたいな展開があるかも知れない。

Yuu2

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2009年3月18日 (水)

子供がいるからカッコイイ/松雪泰子

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ダイハツ・ミラのCMは「母と子」のドラマ仕立てシリーズが続いている。2年続いたYOU、柳楽優弥の『誰も知らない』コンビ(実はCMの監督も同映画作品の是枝裕和監督である)に続き、新シリーズは松雪泰子、林遣都がキャストされている。芸能業界の人ならピンとくるだろう。柳楽、松雪、林の3人はスターダストプロモーションの所属である。

松雪は実際に子供がいると言うと、意外に思う人も多いかも知れない。離婚した前夫との間に息子が一人いるのである。いくつくらいかと調べてみたら情報はなかったが、結婚したのが1998年であるから、大きくても10歳くらいだろう。林遣都は18歳だから、CMが本当の母子なら結構早い出産だったことになる(どうでもいいが)。

芸能界で子供がいる女性は珍しくないし、そのことを全然感じさせない独身イメージの女性芸能人も少なくない。だが、子供がいると聞いた後に「そうは見えないねえ」ではなく「カッコイイじゃん」と思える者は少ないだろう。松雪さんは私にとってその部類である。子供がいると聞いてなおいっそう惚れ直すというような。それはどういうことかというと説明は難しいが、ひとつ言えるとしたら「若い女の子と張り合わない」ことだと思う。他者におもねらない、年齢なりの美しさを持つ女性は、「子供がいる」ことも付加価値になる。(ちなみにYOUも子持ちで「カッコイイ」。ダイハツはセンスいいなあ)。

ところで、このエントリを書くためにミラのCMをl繰り返し見て気がついたのだが、息子・遣都と背中合わせでストレッチする松雪さんは、「息子に背負われる」ばかりで「息子を背負う」ことはない。やはりあの細さでは足腰がもたないのだろうか。などとお節介な心配をしてしまった。

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2009年3月 6日 (金)

声を聞きたい/宮崎あおい

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おそらく演じた本人も驚くほどのヒットになってしまった「篤姫」が終わった後、宮崎あおいは髪を切っていきなりイメージチェンジしてしまった。スポーツ新聞などには「篤姫イメージを早く払しょくしたがっている」などと書かれていたが、そうだろうか。ひとつ大きな仕事の区切りがついたので、ちょっと変化をつけてみたいと思っただけのような気がする。いや、別に根拠は何もないのだが。 

前に彼女のことを取り上げたときにも書いたが、宮崎あおいの一番の魅力は「声」だと思っている。細いながらも、なかなかに張りがあって強い。「地に足が着いている」などという形容は一人よがりすぎるかも知れないが、一言でいえば「しっかりした」声なのだ。

宮崎の代名詞のようにもなった保険会社の新作CMは、彼女が海辺の小さなラジオ局でDJをするという設定である。その情報を知った時、CM制作者の中にも私と同じことを考える人がいるのだろうと直感した。おそらく彼女の「声」を主役にしたCMを作りたかったのだろうと。

しかし、である。実際のCMを見ての印象はいまひとつ。いや、ふたつくらいか。ラジオ局に寄せられた「いい話」を読み上げる宮崎から、いつもの「しっかりした声」は聞かれない。むしろしんみりした印象で、ワタシ的には「違うなあ~」なのである。もっと、相手を勇気づけるような内容の手紙にすればよかったのにと思うのは、私だけだろうか。おそらくシリーズとして何パターンか作るだろうから、次に期待、である。

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2009年2月14日 (土)

仕事が仕事を呼ぶ/松下奈緒

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前回に続いてお役所の話題で恐縮だが、なぜか官庁の広告は「タレントもの」が多い。別に誰でもいいんじゃない?と思うようなところにも、有名タレントが贅沢に使われている。一般企業ならば、「なぜその広告に(費用のかかる)タレントが必要なのか」を社内で説得しなければならないと思うが、そのあたり、お役所はなんとなくハードルが低そうに思える。「予算があるんだから使っちゃおうか」みたいな(想像)。まあキャスティング屋としてはありがたいことであるが、やはり使うのが税金である以上は、吟味して使ってほしいものである。

いきなり話がそれてしまった。今回は松下奈緒の国税庁の広告について書こうと思ったのだ。最初に松下が微笑む確定申告のポスターを見たとき、まず連想したのが、昨年彼女が出演したNHKドラマ「監査法人」である。企業の粉飾決算を見逃す「なれあい監査」が横行する中、職務に忠実であろうとする「厳格監査」を推し進める会計士の一人が彼女であったのだが、その役がこの仕事を連れてきたのかも知れないなと。

だからといって、最初から「松下さんお願いします」と指名が入ることはまずない(あったらキャスティング会社の仕事はむちゃくちゃ楽である)。イメージキャラクターの人選には当然多数の代理店が提案する多数のタレントが候補にあがり、最後は3~5名くらいの中から絞り込まれるものである。おそらく、最後の3~5名は予算内でそれなりに注目度もあり、「だれが選ばれてもおかしくない」レベルだと思う。そうなったとき、芸歴に「NHKドラマ『監査法人』出演××役」とあるとどうか。税理士の役だったらもっと良かったかもしれないが、いずれにせよ官庁にもっとも求められる「公平・公正」なイメージが付加価値としてあるのだから、これは強い。

逆に言えば、若いうちはドラマや映画であまり汚れ役を受けないほうが良いかも知れない。広告の仕事を大事に考えているタレントならば、なおさらである。たとえば「銭ゲバ」でブラックな役を演じている松山ケンイチは、お役所の広告に声がかかるだろうか? 

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2009年1月17日 (土)

はずすと怖い結婚CM

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最近は各地の結婚式場や結婚関連のサービスが、それぞれに力の入ったCMを作っている。もう3年ほど前になるがマリエールが「40人40色の恋愛模様」と題して、HPの中になんと40人の女性の恋愛観を動画に収めて公開するページを作った。「普通の人」を大勢キャスティングする手法は、JPの「未来の自分に書く手紙」キャンペーンなどにも影響を与えていると思うが、それはまた別の話。とにかくマリエールに刺激されたのか、ありきたりなCMしか作っていなかった結婚業界がやたらCMに凝り始めた。

結婚関連は地方CMが多いので一地方にいると全部を見られないのだが、今は動画サイトのおかげで、普段着がいまいち似合わない野間口徹の「Go Happy」や、花嫁がエレキギターを弾くグランドティアラのCMも見ることができる。森絵梨佳と渡部豪太のゼクシィのCMは全国で見られるのかと思ったら、Webサイトには「首都圏版」とある。知らない人には申し訳ないが、いずれのCMもそれぞれに幸福感を表現したシナリオで、ちょっと胸にくるような演出があって、よくできていると思う。

と、誰もが思うわけではないらしい。検索して世間の声を見てみたら「バカじゃないか」「ふざけている」と、共感どころか批難ゴウゴウの結婚CMもある。「たかがCMにそんなに目くじら立てなくても」と思うのだが、とくに女性はまったく容赦しない。「あんなのを放送する神経が信じられない」と、気に入らないものは人格全否定である。まさに「自分の大切なものを汚された」ような怒り方なのだ。

おそらく、批判コメントの多い結婚CMは「男目線」なのだと思う。といっても男がエラソーだとか、男に都合のいいストーリーとか、そういう意味ではない。女性の結婚に対するこだわりや憧れに敬意を払っていない、単に面白さだけを狙ったCM作りに対して女性は「カチン」と来るのではないかと。

どうせなら、花嫁がただ単純に可愛いとか、そういうCMのほうがいいのかも知れない。ゼクシィの加藤ローサバージョンなんかいいではないか。検索してみたが、とりあえずこのCMに対する批判的なコメントは目につかなかった。こういうのでいいんだよ、うん。

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2009年1月15日 (木)

独特のおっとり/小栗旬

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年末に「近いうちに書きたい」と予告していた小栗旬である。実写で25年後のサザエさん一家を描いたOTONA GLICOのシリーズCMの中で、小栗は「イクラネット」を経営するIT社長であり、瑛太演じるタラちゃんにひそかに「負けたくなかった」とライバル心を燃やしていたという役柄である。

CMではタラちゃんがイクラよりも2つ年上の設定であるが、現実はどうなのだろうと調べてみると、小栗も瑛太も82年12月生まれ。瑛太のほうが2週間ほど早く生まれている。ほとんど同じ時期に生まれた2人ではあるが、しかし、映像で見る印象はおそらくだれが見ても小栗のほうが若く見えるだろう。瑛太が特別老けて見えるわけでも、小栗が特別童顔というわけでもない。小栗の持つ空気が、どことなく「弟っぽい」のである(原作中、イクラはタラちゃんの祖父の甥の子であるが、2人の関係は兄弟っぽい)。弟といえば、リポビタンファインのCMでも小栗は原沙知絵の弟役である。少し前に長瀬智也は「弟分」のイメージがあると書いたが、長瀬のは血のつながらない男同士の関係の中での義兄弟、小栗は実際に血のつながった家族の中での「弟」のように思える。勝手なことばかり言って恐縮だが、幸福な家庭で愛情豊かに育てられたと思わせる小栗の「おっとり感」は、それはそれで持ち味だろうと思う。

父親が演劇関係者だというから小栗康平かと思ったら、小栗哲家という舞台監督らしい(よく考えたら小栗康平は映画監督だった)。同じく俳優の兄と姉がいるというから、「弟イメージ」は根っからのものなのか。いずれにしても、裕福な家庭に男前で生まれれば屈折しようがないよなあ。

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2009年1月 7日 (水)

いつの間にか大人/長瀬智也

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「ジャニーズのタレントは苦手だけれどTOKIOだけは別」という人を何人か知っている。最近は多少趣が変わってきた感があるが、ジャニーズタレントのイメージは「王子様」的な、どこかなよっとした美少年であり、少なくともオッサンが憧れる対象ではない。だがTOKIOはそんなジャニーズの中にあってガテン系であり、額に汗して働く若者である。仕事とはいえ有機農法まで実践しているアイドルなどほかに例を見ない。もし明日芸能人でなくなっても立派に食べていけそうな逞しさは、同性が見ても共感できるものだ。

TOKIOのメンバーとしてデビューした当時、長瀬は16歳であった。当然酒も煙草もご法度だったが、今はもう30歳。立派にビールのCMにも出演して、これがなかなかサマになっている。もともと長身のうえ掘りの深い顔立ちでテレビ映えがするのだが、しっかり大人の顔になったと思う。やはり「地に足のついた」仕事ぶりが男の顔を作ったのだろうか(もっともTOKIOの中で長瀬はまだまだ特別扱いされている部分も多いのだが)。ドラマでは常に主役、記念撮影では必ず中心に配置されるスター性は、30歳を過ぎてもまだまだ健在である。

TOKIOの中で最年少という印象が強いことから、数年来彼を見てきた人間の目には、彼はどこへ行っても「弟分」のように思えてしまう。が、ドラマでは「組長」を演じ、フジカラーでは「店長」、少し前のDoCoMo 2.0では「先輩」である。当たり前と言えば当たり前だが、やんちゃ坊主も今では人の上に立つ年齢になった。次は何なのだろう。彼の落ち着いた姿など今は想像もできないが、いつまでも破天荒でワイルドなキャラクターというわけにもいくまい。まだとうぶん先になるとは思うが、彼の今後の「落ち着き方」と「落ち着く方向」に注目してみたい。

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2009年1月 1日 (木)

コンサバティブ/仲間由紀恵

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仲間由紀恵というと、印象としてはやはり「地味」だと思う。あまり口数は多くなく、控え目で、服装も着崩したりなどしない、普段でもシャツのボタンは一番上まできっちり止めていそうなイメージがある。一言でまとめると「良家の子女」であろうか。そんな彼女も今年30歳である。

昨年大みそか(といっても昨日)、3回目となった紅白歌合戦の司会も危なげなく務めた。この「危なげなく」というのが見ようによっては物足りなくも見えるのであるが、彼女にはサプライズは似合わないと考えたほうがいいだろう。ドラマで成功を収めたコメディチックな演技も、周囲を唖然とさせるようなものではなく、それなりに安心感のあるものであった。だからと言おうか、彼女をCMキャラクターに使っているのはパナソニック、ダイハツ、資生堂、アサヒ飲料、キリンビバレジと、コンサバティブなイメージの大企業が多い。

もはや「CM女王」として頂点を極めた感のある仲間ではあるが、彼女の時代はまだしばらくは続きそうな予感がする。だれもが口をそろえて不況だと言うこんな時代にあっては、彼女のような安心感のあるタレントが企業には支持されるのではないかと思うのだ。安心感というのはイメージだけの問題ではない。「不祥事を起こさない」「費用対効果が計算できる(ギャラに見合う広告効果)」という面も含めての話である。

彼女がイメージを変えるチャンスがあるとすれば、もう少し年をとって母親の役をもらうようになったときだろうか。そのときには思い切って髪型を変えてみても良いかも知れない。それをスポンサーが好むかどうかは分からないが。

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2008年12月26日 (金)

いじられ役/沢村一樹

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初めて沢村一樹の別名「エロ男爵」を聞いたとき、なんだか妙な気がしたものである。沢村がトーク番組などでポロッとHな話をするのを聞いたことがあるが、同じ男として見れば「よくある程度」の話であるし、もっと「エロ」なタレントはいくらでも思い浮かぶ。それほどエグイ話題でもないし…。本人としても戸惑っているのではないだろうか。トーク番組で「エロ」を期待するような振り方をされて、無理に応えようとしている様は何となく気の毒ではある。

とはいえ、それで知名度が高まったのだから結果オーライと言えばそうだろう。谷原章介のときにも書いたが、日本の二枚目俳優には「男前」以外の付加価値が必要なのだ。それが「エロ」というのは本人として忸怩たる思いがあるとは察するが、ほかに取り柄がなければ仕方がない。鉄道ファンとか建築マニアとかカメラ好きとか料理名人とか、その手の番組で呼ばれるような趣味を育ててこなかったほうが悪いのである。

ただ「エロ」とは言われても「女たらし」と思われていないのは、救いと言えるかも知れない。決して不誠実なイメージではないのだ。かといって「男らしい」とか「頼りになる」というわけではなく、「始終女の子のことばかり考えているが、それほど積極的には行動できない、どちらかといえばヘタレ男」であり、とりあえず女性を傷つけることはないだろうというくらいの誠実さである。そのあたりを「可愛い」と感じる女性ファンもいると思うが、「頼りない」印象が強いだけに、企業のイメージキャラクターはちょっと厳しいだろうか。やはり彼は和田アキ子とか紳助といった「いじめっ子」にいじられて存在感をアピールするタイプではないかと思う。

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2008年12月18日 (木)

もしものとき/緒形拳

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今、年末商戦に各企業が投入した様々なカラープリンタのCMを目にするが、竹内結子を使ったエプソンのCMを見るたびに寂しい気持ちになる人は多いだろう。本来、このCMは緒形拳と共演しているはずだからだ。

緒形と竹内が一緒に記者会見に登場し、新製品のお披露目に華を添えたのが9月19日。そして10月6日に突然緒形の死去が伝えられたのである。亡くなったのは5日で、なぜかしばらく死因は不明とされていたが、肝癌であったという。ニュースを受け、エプソンは10月1日から放送されていた緒形の登場するCMのすべてを放送停止した。

このブログはいちおうビジネスブログという視点で書いているので、どうしても広告主であるエプソンの担当者の気持ちを考えてしまう。放送停止の手続きを取りながら、担当者は故人の死を悼む気持ちと年末商戦はどうなるのかという心配がごちゃまぜになっていたのではないか。緒形の出るCMが完全にテレビから消えたのが7日。その翌日、10月8日こそが、CMで盛り上げた新製品の発売日であったのだから。

エプソンの新製品は、今年大きくモデルチェンジしているという。Colorioのロゴタイプもイメージキャラクターもすべて一新したのは、新製品に対する意気込みの表れであろう。一年で最大のプリンタ需要期である年末に向けて、おそらく何か月も前から準備されてきた新製品のローンチが、こんな形でつまずくとは。9日からは緒形を抜いて編集した「暫定版」CMが放送されたが、関係者の落胆は相当なものであったと思う。選挙なら重要人物の死去は「弔い合戦」のような形で実を結ぶこともあるが、商品のイメージキャラクターでそんなことは期待できない。

たとえばタレントが不祥事を起こしてCMがお蔵入りしてしまったら、所属事務所は相応の補填を求められる。代役のタレントを無償で立てる、それが無理ならギャラを値引きする、広告物の使用期限を「休業期間」の分だけ延長する、といった方法が考えられるが、「死去」はどう対応するのだろうか。もしものときのために契約書では様々な取り決めがなされているはずだが、「タレント死去の場合」という項目はないだろう。

とはいえ、事務所が広告主に迷惑をかけたのは事実である。かといって広告主も人の死に対して強硬に出られまい。こんなときこそ間に入った代理店の手腕の見せ所である。今回はクライアントに対してどのような保障交渉をしたのだろうか。ものすごく興味がある。と、これ以上はいくらビジネスブログでも不謹慎だと思うので自粛。

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2008年12月16日 (火)

男性タレントの髪型/瑛太

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その昔、タレントはそれほどしょっちゅう髪型を変えたりしなかった。近藤真彦や松田聖子は髪型とセットで記憶されているし(独身後期の松田聖子は頻繁に髪型を変えていたが、彼女のパブリックイメージはあくまで「聖子ちゃんカット」である)、そうでなくても「だいたいあのタレントはこんな髪型」というのが一般人の頭の中にあって、それはめったに裏切られることはなかった。特に男性タレントは。

それが、最近はそうでもないようである。オダギリジョーあたりが始めた(というのも変だが)のかも知れないが、見るたびに髪型が違う男性タレントが増えた。俳優など、ちょっと見ないと思ったらずいぶんと長髪になっていることもあるし、ひげを伸ばしたり剃ったりも気分転換ていどにやっている感がある。そういうことをするのはモデル出身、アート寄りのタレントが多ので、自己表現を楽しむタイプが増えたということかも知れない。もしくは制作者に料理されるだけの素材であった昔のタレントと違い、彼らは自分の味を主張している、と言えば穿ちすぎだろうか。だろうな。

瑛太もまた、見るたび髪型が違うタレントの一人である。『篤姫』の髷は時代劇だから当然ではあるが、『のだめ』ではパンクな金髪、『ラストフレンズ』ではヘアスタイリストという役柄もあってアーティスティックな髪型で登場していた。オトナグリコのCMの「28歳のタラちゃん」は、なんというのかドレッドのようなワサワサ頭でどう見ても会社員には見えない。と思ったら、そのとおり駅前でタコ焼きを焼いている。ちなみにワタシは、イクラちゃんのセリフではないが、頭にタオルを巻いて輪郭をはっきり出しているタコ焼き屋の彼が一番カッコイイと思う。しかしちょっと極端な髪型が多すぎるのではないか。もう少し「普通」でいいじゃん。それと彼は髪で耳を隠していることが多いが、大きめの耳にコンプレックスでもあるのだろうか。

Ata

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2008年12月 4日 (木)

「嫌われない」強さ/蒼井優

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「指南役」なる謎の集団による『透明人間の買い物』という本を読んだ。本は消費の主役でありながら姿が見えにくい「大衆」を「透明人間」と位置づけ、その実態について鋭く指摘しているのだが、その中で「透明人間がもっとも思い入れしやすい役者」として妻夫木聡と蒼井優があがっている。

本はまず2人の人気を証明するために、ここ数年の映画主演作のタイトルを列記している。これが実に多い。妻夫木は2001年からの7年間で15本。年2本ペース。いっぽう蒼井は同じスパンでなんと24本!出演ではなく主演である。2005年の主演作品は7本、彼女の出ている映画は多いとは思っていたが、これほどとは思わなかった。

なぜここまで2人は人気があるのか、それは見る人が「自分を投影しやすい」からだと本は説明している。映画の中で恋したり悩んだりする登場人物に「自分と似た」部分を見つけて思い入れるには、主演俳優は「どこにでもいそう」なくらいが良いのだそうだ。また、抜きんでて「同性に嫌われる要素」がないことも大事だという。「好かれる」よりも「嫌われない」ことが大事なのだそうだ。今の時代は。

しかし、と思う。俳優は使われているうちに必ず変わっていく。とくに蒼井のここ1~2年の成長ぶりは、日々加速していると思わせるほどである。これまでは「どこにでもいそう」な女の子として使われたかもしれないが、もはやそんな印象はさほど感じない。どう見ても女優としての強い存在感を発揮しているし、「嫌われない」が選ばれる理由になるのもせいぜい今年までだろう。そのうちたった数分の出演でも記憶に残るような、アクの強い女優に化けるのではないかとワタシはにらんでいるが、どうか。(スミマセン、妻夫木は良く分からない)

面白いことに、蒼井は自分で「自分は個性がないところが個性だ」と言っている。無個性を自覚しているというのは立派な個性だし、もしかしたらこれまでも「どこにでもいそう」を演じていた、ものすごい策士なのかも知れない。

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2008年11月28日 (金)

いい年の取り方/米倉涼子

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「うまく年をとっている」というのは、発言する人によってニュアンスが違うことがある。発言者が女性の場合は「年をとっても崩れていない」という意味が多いように思う。発言者が男性の場合は「年をとって味が出てきた」が多いのではないか。女性タレントが「オバサン」を受け入れるのは辛いだろうが、そこから新しいタレント価値が生まれることに早く気がついた者こそが生き残るのだと思う。

米倉涼子は「うまく年をとっている」と思う。まだまだ「オバサン」のイメージはないが、数年後にはスムーズに中年の女優に移行できるだろう。本人がそれほど「若さ」にこだわっていないように見えるし、何というか、年をとったときの姿が今からイメージできるのである。おそらく内面的な成長も関係しているのだろうが、それは本人にしか分かるまい。

ところで米倉といえば「松本清張作品」であり「悪女」である。モデルを経て当然のようにトレンディドラマ(死語?)に出演していた彼女が、もし「黒革の手帳」に出会わなかったらどうなっていただろう? 役に恵まれたことで、彼女は一気に女優として開花し、「大人」のイメージでいくつものCM契約を獲得した。

彼女のCM出演歴は結構すごい。ファッション、コスメは言うに及ばず、食品、家電、携帯電話、自動車、菓子、カード、銀行、不動産、薬品、エステサロンと、メジャーな業種・ナショナルクライアントを総ナメである。高級品から身近な消費財まで、商材の範囲も幅広い。しかも2年以上イメージキャラクター契約を結んでいるものが多い。ということは、売上に貢献しているということだろう。

アイドル的な女優・モデルなら年をとると自然に声がかからなくなるものだが、彼女はまったくそんなことはなく、むしろ「黒革」以降のほうが充実しているくらいである。年齢とともに自分の価値を高めていけるタレントというのは、とくに女性ではなかなかいない。役に恵まれたという幸運はあるものの、米倉はまれに見る成功例かも知れない。

Yone

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2008年11月20日 (木)

普通の父親/佐々木蔵之介

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前にトータス松本がCMに出るときは父親役が多いと書いたことがあったが(こちら)、彼は若い頃の趣味をずっと持ち続けているような、子供に近い目線を持った大人として描かれている。まさにわが子にロックやダンスやサーフィンを教える「ちょい不良」な大人である。しかしどちらかといえばそんな父親は少数派だろう。世の多くの父親は普通にスーツを着て会社に通い、趣味よりも子供の成長を楽しみにして仕事に精を出している。広告は、あまりいない「憧れのイメージ」を描く場合と、身近な「当り前のイメージ」を描く場合があるが、後者のイメージで最近よく見かけるのが佐々木蔵之介である。

たとえばトヨタのワゴン車「ノア」のCMでは、商品の世界観を示すために、夫と妻、男の子と女の子という4人家族が設定されている。夫役が蔵之介、妻役が酒井法子である。あるときは会社から帰ってくる蔵之介をのりピーと子供たちが駅で待ち伏せ、またあるときは野原にキャンプに行って寝てしまった子供を抱いて車に乗せ、引越しの日には友達との別れを悲しむ長男を温かく見守る。ごく普通の・・・、うーん、普通にしては嫁がキレイすぎるか。それはさておき、特別なイベントを作るより当り前の日々を楽しむライフスタイルをCMが示唆しているのは間違いない。キャッチコピーは「家族は恋人」である。

谷川俊太郎の詩が印象的な日本生命のCMでは、彼は実家で子供を柱の前に立たせて背丈を刻む。その柱には自分が子供のころに同じように父親に背丈を測ってもらったときの傷がついている、という短編映画のような趣きである。まだ青年の面影を残しながら、父親然とした振舞いも板についている、「そろそろ保険のことを考え始める」年代の男性像として、彼はぴったりはまったのではないか。

そもそもが役者という「極端な」仕事を選んでいる人間が「普通」を演じるというのは、素人が思うよりも大変であると思う。その役で引っ張りだこの彼は、高いレベルの演技が評価されているのだろう。しかし、持ち上げておいてこんなことを言うのもアレだが、蔵之介ってどんな役をしていても「何か隠している」ように見えてしかたがない。目が笑ってないというか・・・。そんなことない?

Nissay

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2008年11月12日 (水)

日本の二枚目/谷原章介

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映画『ハンサム★スーツ』に出て、谷原章介が一皮むけた。らしい。テレビドラマに出始めた頃、『救命病棟24時』などはぶっきらぼうでクールな印象が強かったが、今回の映画のプロモーションではコマネチポーズまで乱発するサービスぶりである。一皮むけたのかどうかは分からないが、何かが吹っ切れたのはたしかなようだ。

しかし、ありがちなパターンだなあと思う。阿部寛とか沢村一樹とか、なかなかメジャーになりきれなかった二枚目俳優がブレイクするきっかけとして、コメディチックな役が当たったというのは多いと思う。

日本では、二枚目はカッコイイだけではダメなようである。ときにはダメなところを見せたり、しまらない姿、Hな性格を見せたり、自分で自分を笑いものにできるくらいになって、ようやく受け入れられる。あくまでカッコイイ路線を貫いて成功しているのはキムタクくらいではないか。

ところで映画『ハンサム★スーツ』は洋服の青山とのタイアップである。「スーツ」がカギになる映画で青山のスポンサードというのは自然な組み合わせのようだが、しかし、キャンペーンを見ていると「これでいいのか」と思ってしまう。

ドランクドラゴンの塚地がハンサムスーツを着ると谷原章介になってしまう。それは、あくまで映画の中の話である。なのに青山は「着るだけでハンサムになれるスーツ」を現実に売り出すという。そんなのを真に受ける消費者がいるのか? 冗談と現実をごっちゃにしてはいかんだろう。「映画連動企画」としてはクライアントに刺さりやすいかも知れないが、販促面ではどうなのか。お客は店頭で「ハンサムスーツください」と言うのだろうか。想像しているうちに、こっちが恥ずかしくなってくるのだが。

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2008年10月29日 (水)

ドラマ仕立て/市村正親

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最近のCMはストーリーものが多いように思う。もちろんCMであるから「主役」は商品であるのだが、興味をそそるキャスティングや舞台設定で注目を集め、同時に商品を刷り込み、さらに「次」を期待させるのが目的なのだろう。

サントリーが展開している「Diet<生>クリアテイスト」のCMは、ストーリーよりもキャスティングの勝利だと思う。なんといっても市村正親のインパクトが強烈である。どちらかといえばドラマの主役は佐藤隆太と加藤ローサなのだが、話題になるとしたら市村に違いない。これまでほとんど広告には登場しなかったということもあるが、やはり若手二人と並んだら存在感が全然違う。

ところで、最近はネットでCM情報をチェックする人が増えたせいか、ホームページで詳細情報を読んでもらうことを前提にしたかのような、込み入った設定のドラマ仕立てCMも多くなった。「Diet<生>」もそうである。ちなみに佐藤は家具屋の息子、加藤は佐藤の元彼女で、8年ぶりに町に戻ってきた。市村は佐藤の隣人、(なぜか)50歳を過ぎて歌手デビューが決まった。という設定らしい。…そんなもんCMだけで分かるわけなかろう。

もうひとつ、このキャンペーンの注目すべき点は、電車内ポスターなどのグラフィックも非常に優れたクリエイティブだというところである。さすがはサントリー。だれかは分からないが、おそらく腕利きの写真家を使っているに違いない。あえて「70年代風」を意識したかのような佐藤の髪型、加藤や市村の服装も面白い。ポスターは多数のバリエーションがあるが、市村がステージ衣装(思わずRCサクセションを思い出す)でバッティングセンターの打席に立ち、バントの構えをしているものが個人的には好きである。画面の半分を占めるキャッチコピーは「FIGHT」。

CMの中では佐藤と市村は友人でもあるらしく、肩を組んで歩くシーンなどもある。20歳以上(実年齢ではほぼ30歳)も年の離れた友人というのはなかなか想像しにくいが、こういうお茶目なジジイなら悪くない。

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2008年10月 7日 (火)

193パターンでGO/坂口憲二

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すでに2年越しになる「Roots飲んでゴー」キャンペーンで、ようやくJTも「缶コーヒー会社」として認知されたのではないかと思う。やはりブランディングは統一感とその継続(そしてもちろん資金力)が肝心ということだろう。イメージキャラクター坂口憲二もすっかりRootsの顔である。

少年ジャンプとのコラボ企画もはさみながら、ここ最近のRootsはまたしても坂口を使った「サラリーマンのつぶやきネタ」に走っている。とにかくそのバリエーションの量が半端でない。一体いくつあるのかとHPを見ると、193パターンと書いてあった。

「会議の結論はいつも根性論」
「ここだけの話を誰もが知っていた」
「ひと夏の恋が終わってくれない」

一つ一つにウィットがあって、思わずウマイと言いたくなるものが多い。ここまでキャッチコピーを一度に量産され、さらに本にまでされたらコピーライターが困るのではないか。現在のキャンペーンは駅の看板を中心に展開しているが、下に貼った画像のような「一点もの」としか思えないパターンも存在する(大阪市内のJR福島駅で撮影)。こんなもの、その駅以外では意味不明だろう。しかし一点ものの看板を作るのってコスト的にどうなのか。やはりこんなキャンペーン、資金力豊かな広告主にしかできない。

ふと思ったのは、193パターンもの広告の配置である。ここ数年、広告の流れはインターネット広告を中心により細かいターゲティングに向かっている。要するに、多様な趣味嗜好を持つ消費者に対して、できる限り個別対応に近い「その人にもっとも適した広告を見せる」という発想である。Rootsの駅看板も「ご当地」一点もの看板をはじめとして、「このコピーはこの駅の乗降客にフィットする」という何らかのデータに基づき、綿密な計画のもとに貼り出されたターゲティング広告ではないかということだ。考えすぎだろうか。考えすぎだろう。

ちなみに、「つぶやき」のパターンはそれほど多いにも関わらず、右横で缶コーヒーを飲む坂口の顔はわずか2パターンである。この扱いの違いは、やはりこの看板の主役がキャッチコピーであることを物語っている。負けるな坂口。

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2008年9月29日 (月)

75歳の次元/小林清志

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小林清志といえば声優として最大の当り役である「ルパン三世」シリーズの次元大介を始め、洋画ではトミー・リー・ジョーンズやジョージ・ケネディの吹き替えを担当し、ナレーターとしては「ドラゴン桜」などのドラマはもちろん、幾多のバラエティ番組で週に一度はあの渋い声に出くわす。しかし「ルパン」の初代から出演しているわけであるし、相当な年のはずだと思ってWikiで調べると、なんと1933年(昭和8年)生まれ!今年75歳である。その年でこの仕事量、働きすぎだぜ次元。いやそれ以前に昔と全然声の印象が変わっていないのが凄い。

CMの仕事の最新作はおそらく下の画像、小泉今日子らの出ている資生堂の「エリクシールシュペリエル」だろう。少し前には富士ゼロックスの「知的フィールド」のCMが印象的であった(スーツ着た経営者がダンクシュートを決めたりする)。ナレーションの仕事はなかなか記憶に残らないので芸歴のリストを見てもいまひとつピンと来ないのだが、もっとも有名なのは丸大ハムの「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」に違いない。

「ダミ声」の一歩手前の、張りと渋みと深みのある声。ハードボイルドもおとぼけもどちらでもこなす懐の深さ。大したことのないシナリオでも、彼が読めば名作になりそうな気さえする。我ながら凡庸なアイデアで情けなくはなるが、着ボイスプレゼントなどぜひ企画したい。(実際彼の着ボイスはあるらしく、あの声で「ガスの元栓締めたか?」など聞いてくれるそうだ)

声優は顔出しするタイプとしないタイプに別れるが、小林は後者である。理由はもちろん「イメージを崩さないため」である。しかしながら、名前で画像検索すれば簡単に顔写真が出てくる。普段の顔ばかりでなく、大昔に俳優として出演した際の画像まであって驚きである。イメージが崩れるかどうかは、まあ、見る人次第であろうか。

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2008年9月23日 (火)

映画俳優のCM出演/浅野忠信

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結果論なのかポリシーなのか分からないが、テレビドラマに背を向けて映画にしか出ない俳優がいる。が、そんな彼らもCMには出る。仕事場としてテレビよりも映画を選ぶのは、粗製濫造気味な昨今のテレビドラマに賛同できないということだろう。ではなぜCMはいいのか?思うに、テレビドラマよりは「作品」として作られているからではないか。

浅野忠信も、映画とCMのみの俳優である。といっても、映画はいわゆる「大作」「話題作」とはさほど縁がなく、インディーズ監督の作品や芸術性の高い作品を選んで出演しているようだ。それだけで人物像を類推すると、いかにも気難しそうなアーティストタイプを思い浮かべてしまうが、なぜかCMのほうは「カッコよくない」役をあえて選んでいる。DoCoMo2.0のワンパターンの手品ばかりやる先輩とか、最近始まった「オトナグリコ」の36歳になったカツオとか。

浅野のCM出演作を眺めていると面白いことに気が付いた。旬の俳優数名がキャストされるドラマ仕立てのシリーズCMが多いのである。前述のDoCoMo2.0は彼を含め総勢8名、オトナグリコは4名。あとトヨタのコンパクトカー「ist」のCMでは男優ばかり5名がキャストされていた。浅野は一人で十分に知名度も人気もあるしキャラが立っているのに、意外にも単独でイメージキャラクターを務めることがないのである。なぜだろう。彼の個性は他の俳優と並び比較されることで際立つのだろうか。ただの偶然かも知れないが、気にしだすと気になる。

気になると言えば、オトナグリコのCMもそうだ。法事で磯野家兄妹が再会する設定になっているが、一体だれが亡くなったのだろう?あの家は「いその」の表札が出ているし、ということは磯野家のだれかには違いない。うーむ、気になる。

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2008年9月17日 (水)

三兄弟の次男/秋田宗好

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実は前回天海祐希のことを書いたときに一緒に書こうと思ったのだが、ネタ的に膨らみそうだったので別にした。天海が出演しているDAKARAゼロスタイルのCMで、どこからともなく出てくる「余分三兄弟」の俳優のブログを見つけたのである。兄弟の中では次男で「糖分」を名乗るその俳優、最初は「完済人」の六角精児かと思っていたが、秋田宗好という俳優であった。

秋田宗好ブログ イカさまradiostation.36mhz  

いちおうこのブログではプロのタレントの名は敬称略で記すことにしているのだが、この人は何となく「秋田さん」と、さん付けで呼びたい気分である。なぜならただの俳優ではなく、広告プランナーもしているというから同業者なのである。そういう人であるからブログも面白い。ネットラジオにも造詣が深そうで、音が出るエントリーも多数。コメントにちゃんとレスしている姿勢も素晴らしい。

経歴が面白く、14歳のころから「夕焼けニャンニャン」等のテレビに出ていたという。その後俳優として出演したドラマは「あすなろ白書」「ラブジェネレーション」「ひとつ屋根の下」「結婚できない男」など、タイトルだけ見たら立派なトレンディ俳優。ただ本人が言うには「ボケキャラ」で「ワンポイント」とのこと。たしかに記憶に残っていない。再放送があったらゆっくりチェックしてみよう。さらにWikiなど見てみると、「タモリのスーパーボキャブラ天国」や「タモリ倶楽部」の「空耳アワー」(大ファン)のビデオにも多数出演しているそうだ。芸達者なのか小回りがきくのか、「出たがり」な性格がそのまま年をとったような人物のようである。

俳優に広告プランナーにラジオ作家と、何が本業なのか副業なのか分からないが、いろんなことに足を突っ込みつつ、楽しみながら仕事をするのが彼のスタイルなのだろう。もしどこかでお会いすることがあれば、名刺交換くらいさせてください。

Dkr2

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2008年9月15日 (月)

勲章の多い女優/天海祐希

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ポータルサイトやSNSのニュース欄には、アンケートネタの記事が毎日一つや二つは必ず顔を出している。ネットアンケートは短時間で集計がとれるという特性と、アンケート記事がニュースに取り上げられやすいという事情があるからだろう、最近はやや多すぎの感がないでもない。

とはいえ、アンケートは「タレントネタ」も多く、タレントを広告キャラクターとして提案する立場としては足を向けて寝られない存在である。たとえば「一緒に○○したいタレントといえば?」のようなシチュエーションを設定したタレントのランキングは、プレゼン材料として使いやすい。

当然、ランキングに名前がよくあがるタレントはキャスティングの「候補者リスト」にもあがりやすい。その一人としてまず思い当たるのが天海祐希である。例をあげると、gooの「上司になってほしい女性有名人」のアンケートで1位、オリコンの「理想の上司だと思う女性有名人」で2位、キリン「お酒と生活文化研究所」の「一緒にお酒を飲みたい女性上司」にも上位にランクインしている。もちろんドラマの影響があるが、今のところ「キャリアウーマン」「女性上司」といえば天海と言えそうだ。そうくれば、OL向け商材とは相性が良いだろう。さらに「上司」イメージを生かして説得型の商材でも良い。ちなみに、これらのランキングで上位を張りあうライバルは篠原涼子である。

天海の名前はさらにgooの「弁護士役が似合う有名人ランキング」1位、「近くにいたら恋してしまいそうなアラフォー女性有名人」2位にも登場している。ここまでくればあまりにドラマそのままなのでデータとしてどうかと思うが、「アラフォー」で上位ということは、世代を代表するタレントということである。「アラフォー」そのものがマスコミ主導で作られたキーワードとはいえ、これも彼女の勲章のひとつと言えるだろう。

しかし改めて出演作を眺めてみると、天海はかなり話題作に恵まれている。藤原紀香に分けてあげたいくらいだ。このツキにあやかりましょう、というプレゼンもいけるかも知れない(冗談である)。

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2008年9月11日 (木)

満を持して/真木よう子

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誰々の新しいCMが何月何日から放映、みたいな話を聞いたとしても、自分が関係した仕事でなければ待ち遠しく思うことはまずない。テレビで見かけて「ああ、始まったか」と思うくらいである。しかし、最近始まった真木よう子の資生堂のCMだけは少しだけ楽しみにしていた。ドラマ「SP」でブレイクした彼女が、その後初めて登場する大きな仕事だからである。

最近はタレントの「賞味期間」(失礼な言い方だと思う)が短くなったせいもあり、売れたと思ったらすぐにCM契約がバタバタと決まって、短期間にあちこちに出まくることが多い。真木の場合もそうかと思っていたら、「SP」の放映が終わっても広告やCMで見ることはなく、ドラマにゲスト的に出たり雑誌のグラビアでたまに見かけたくらいである。いろんなところで「真木よう子いいねえ」の声を聞くのに、これは一体どうしたことか。注目されるのを嫌っているのか、あえて出ないことで価値を高めようとしているのか。と、じれったい気持ちでいたところに「資生堂の秋のCMに真木よう子」のニュースが入ってきたのであった。「SP」が終わって8ヵ月、満を持してのCM登場である。

「SP」で彼女が注目を集めたのは、もちろん男ばかりの警護課の紅一点であったこともあるが、そうでなかったとしても、彼女には人の視線を吸い寄せるパワーがある。ドラマの場面が変わると、いつの間にか彼女を探してしまうというか、何か気になるのである。ポイントはたぶん彼女の目、ではないかと思う。とにかく目ヂカラが強い。他人と偶然目が合ったら、人は普通あわてて視線をそらしたりするものだが、彼女と目が合うと動けなくなりそうだ。広告の化粧品は「黒目を大きく見せる」そうだが、彼女のためにこの商品が開発されたのではないかと思うほど、ぴったりのキャスティングである。

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2008年9月 9日 (火)

同僚キャラ/オダギリジョー

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資生堂UNOの新しい広告キャンペーンが始まった。なんでもオダギリジョーが資生堂の広告部門に入社したとかで、「Web限定映像」によると入社の挨拶もきっちり行い、社員食堂で食事したり研究所を見学したりと、なかなか忙しい社員ライフを送っているようだ。撮影はちゃんと資生堂の本社ビルを使っており、出てくるエキストラも本物の社員。なあんだ、要するにこのCMシリーズ、新卒者獲得のための社内紹介ビデオも兼ねているってことか。

オダギリといえばひげに長髪のアーチストふうルックスで、普通の男がそんな格好をしていたらとても会社員には見えないが、彼は不思議とオフィスの中にいて違和感がない。おそらく、まとっている空気がきちっとしているのだろう。そういえば、少し前のライフカードのCMでもオダギリはサラリーマンであった。得意先で土下座したり、無礼な後輩に手を焼いたり、見かけはチャラいが結構泥臭い仕事をしていたものである。

できれば社内にオダギリみたいな同僚がいてほしい。と、思う会社員は(男性含め)多いかもしれない。別に友達になりたいとか一緒に飲みたいというのではなく、会社の中に彼みたいなはじけた人間が一人いれば、なんとなく風通しが良くなるような、息苦しさが緩和されるような、何か救いになりそうな気が…、しないか? リサーチは徹底的にやる資生堂である。「資生堂社員にもっともふさわしい芸能人は?」みたいなアンケートをとった上での、会社プロモーション広告へのオダギリ起用かも知れない。

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2008年9月 7日 (日)

変わらない/小泉今日子

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今の若い人は、小泉今日子にどんなイメージを抱いているのだろう?年をとってもキレイなオバサン? 良からぬものがカラダから出るとか歌う開けっぴろげなヒト? ひとつ間違いなく言えることがある。松本伊代や森尾由美のような元アイドルとははっきり違う、結婚していたときからそうであるが、彼女は圧倒的に生活感がない。

デビュー時は「普通のアイドル」としていま一つパッとしなかった彼女が、爆発的な人気を獲得したのは「なんてったってアイドル」のヒットが大きな契機であった。「アイドルである自分」を歌ったアイドルは、もしかしたら彼女が初めてかも知れない。彼女は髪を思い切ってショートにし、自分のことを「小泉」と名字で呼んだ。当時のCM女王と呼ばれ、「見逃してくれよ!」「ベンザエースを買ってください」など、彼女でなければ成立しない広告も多数作られた。

その後、結婚し、離婚し、年をとって、彼女はどうなったかというと「さほど変わらない」。歌も演技も、昔とそれほど変わらない。それなのに最近、芸能ニュ-スでは「大物」扱いである。そのままいくと、白髪になる頃には周囲から「先生」と呼ばれるのかも知れない。本人は変わらないのに、いつの間にかステージがアップしている。

少し前に「自然体」という言葉が女性誌でもてはやされた時期があった。が、多くの人が「自然体」であろうと無理をするという、本末転倒した現象も少なからず見られた。彼女を見ていると、自然体とはこういうものかと思う。時代や環境が変わろうと、生活感のなさも「どこか他人事」のような雰囲気も変わらない。それほど信念めいたものを持っているようには見えないのに、いつ見ても小泉は小泉である。「変わらない」がキーコンセプトの広告を作るとしたら、ぜひ出演をお願いしたいものである。

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2008年9月 1日 (月)

中年の味/豊川悦司

映画『20世紀少年』での豊川悦司の印象は「丸くなったなあ」である。主役の唐沢寿明もそうなのだが、カラダはそれなりに絞っていて、おそらく同年代の一般人と並んだら圧倒的にカッコイイに決まっている。それでもアゴのあたりの肉の厚みは間違いなく中年のそれであり、昔に比べれば明らかに印象が丸くなった。

とはいえ、俳優はそれもまた味である。「大豆ですから」のCMで彼は部下を持つ管理職である。多少丸くなったくらいでいいのかも知れない。ただ彼は上司になっても、一筋縄でいかない雰囲気は若いころと変わらない。普段はちゃらんぽらんに見えてやるときゃやるというか、保守的な人間から煙たがられながら、「悔しいけど認めざるを得ない」敏腕ビジネスマンなどが似合いそうだ。と、思わせておいてキンチョールの「どっちがええんや」みたいな役も受けるのだから、仕事を選んでいるのかいないのか、微妙さ加減も彼の味である。

9月から、豊川をイメージキャラクターにしたリクルートエージェントの広告が始まった。彼は「MR. RECRUIT AGENT」という、いわば同社の転職コンサルタントの象徴のような役柄である。テレビCMも、シンプルなセンスのいいCMだと思う。CMの彼は濃紺のスーツを着ており、顔が肉厚になった点は少々気になるものの、全体のシルエットは憎らしいほどスマートである。気を抜くと太りやすい体質にも見えるが、いつかは体型の維持を放棄する日が来るのだろうか? それはそれで渋いかもしれないが。

Ragent

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2008年8月28日 (木)

ブレイクスルー/藤原紀香

昨年、お笑い芸人の陣内智則と結婚し、陣内はさほどでもなかったが、藤原紀香のCM出演は一時的に倍増した。金鳥、エステティックミスパリ、月桂冠、ツムラ、ホーユー…。巷間では「ご祝儀」などと言われるが、お祝いで仕事が出るほど日本企業は甘くない。結婚によって彼女のタレント価値が上がったと広告担当者が判断し、販売促進に役立つと読んだからこその結果である。

藤原のCMは2タイプに分かれると思う。前述でいえば、ミスパリ、ツムラ、ホーユー、そして今年から始まっているユニクロは、彼女を「女性の憧れ」として扱い、金鳥、月桂冠は「庶民的な美人」として扱っている。不思議なことに、彼女はだれもが認める美人なのに、なぜか若い男性を対象とした商材の広告には使われていない。キレイ過ぎて一般人からは縁遠い存在になっているのだろうか(贅沢な悩みである)。

しかし、ハリウッド俳優のように雲の上の存在かと思えば、ダンナはお笑い芸人である。手が届かないほど高いところにいるイメージではない。かといって、身近に思えるほど生活感もない。知名度はあるし、好感度も高いのに、ドラマも広告もこれといって代表作はない。主演ドラマの視聴率の低さは不思議なくらいである。そういった「中途半端感」がいつまでもぬぐえないのは、やはりまだ「一皮むける」ような仕事をしていないからだろう。いろいろ新しいことに挑戦しているようで、彼女の仕事はどこか「守り」が見える。

これまで実現していないが、いっそ夫婦で広告に出てはどうかと思う。おそらく彼女は望まないだろうが、そういうところにこそブレイクスルーのきっかけがあるのではないか。おそらくオファーはあると思うのだが…。

Pari

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2008年8月22日 (金)

カワイイ男で結構/竹内力

竹内力といえばVシネマ「ミナミの帝王」である。「萬田銀次郎」である。ドラマの舞台が大阪ということもあり、関西での銀ちゃん人気は派手さはないが結構強い。もはや50作を超えるビデオタイトルは、レンタル店ではハードローテーション、土曜、日曜の午後の読売テレビでは必ず旧作が放映され、そこそこの視聴率を取っている。もはや銀ちゃんは関西人一人一人の心の中に棲んでいると言えよう(暴論)。

さらに関西人しか知らないだろうが(Wikiにも載っていない)、10年ほど前、その竹内力が神戸の消費者金融会社のイメージキャラクターを務めていたことがある。竹内が真っ白なスーツに白いソフト帽というギャング風のいでたちで微笑む広告を見つけたときは、思わずのけぞったものだ。なんとテレビCMまであって、ローカルUHF局の番組の合間に、彼はトレードマークであるドスのきいたしゃがれ声で「ローンは○○○です」と視聴者に語りかけていたのである。たしかに「ミナミの帝王」の彼は悪どい連中を叩きのめすヒーローではあるが、職業は街金、高利貸しであることに変わりはない。シャレなのか真剣なのか、彼を使った金融会社の真意はいまだに分からない。竹内にしても、「ミナミの帝王」で当たり役に恵まれたことは役者として幸運だが、これでは広告のイメージキャラクターの仕事は来ないだろうと、ある程度はあきらめていたかも知れない。

と、思ったらなんと最近はアイスクリームのCMに出ているではないか。港での危険な取引きの最中、竹内はアイスが詰まったカバンを奪って逃走、最後は棒アイスをペロリとなめて、満足気にニヤリと笑うのである。うーん、カワイイ。彼のようなコワモテ男が実は甘党というのは、意外にありそうな気さえする。このギャップはなかなか絵になる。何度も引き合いに出して申し訳ないが、寺尾聰のアイスのCMのような「無理してる感」がないのがいい。ただこの手のギャップを逆手にとったキャスティングは、何度もやると「またやってんの」と飽きられてしまうので、ウケたとしてもほどほどにしておくことが重要とは思う。

Riki_2

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2008年8月18日 (月)

競合先はNG/相武紗季

タレントに広告の仕事を依頼するとき、まず最初の関門は「料金交渉」ではなく「可否審査」である。すなわち「クライアントはどんな会社なのか」をタレント事務所側がチェックし、仕事を受けられるか否かを回答するのである。

事務所のチェックポイントは、まずそのクライアントと契約することでタレントにメリットがあるかどうか、である。評判が悪い企業はメリットどころでないので当然難しいが、企業に問題がなくても売れっ子タレントならば「タレントの格と釣り合うかどうか」といったキビシー検討がなされる。また、ちょっと言いにくいが、ジャンル的に仕事を受けてもらうのが難しい業種もある(何となく想像できると思うが)。

もう一つのチェックポイントは、目当てのタレントが今回のクライアントの競合先の広告に出ていないかどうか、である。極端な例をあげるなら、トヨタのCMに出ている俳優に日産のイメージキャラクターは受けてもらえない。こういったことは契約書に明記されていることが多いが、もしなかったとしても、業界の常識として契約中の企業の競合先の仕事を受けることはありえない。

売れっ子タレントはどんな企業の広告に出ているか調べれば分かるので、広告代理店もキャスティング会社も、そもそも競合先の仕事を依頼することなどない。が、まだそれほど有名でないタレントになると、意外なところで競合先の仕事をしていて事務所からNGをもらうことがある。それもイメージキャラクターのような大がかりな仕事なら分かるが、CMに脇役としてちょこっと出ているくらいでもダメな場合があって、使う側からすれば「カタいこと言わないでよ」と言いたくなる。このあたり、芸能業界は一般に思われているより遥かに義理堅い。実際、まだ事務所に所属していない読者モデルにも、「その会社はお世話になっている会社の競合なのでNGです」と仕事を断られることがある。軽い気持ちで競合先の仕事をしたら自分自身の信用を失うのだから、「できる」モデルほど慎重である。出世するのはそういうタイプだと思う。

CM契約が集中している、いわゆる「CM女王」は、逆に言えば「お手伝いできない企業がもっとも多いタレント」でもある。その「縛り」を逆手に取って、「競合企業に使われたくないから、『囲い込み』のために有力企業が売れっ子と契約している」などという声も聞こえる。そう言えば、最近テレビをつけて相武紗季が出ていない日はないが、見るたびにキレイになっていく彼女を見ると、「よそに使われたくないから」と広告担当者が強引に彼女をキャスティングしても不思議はないように思う。

Aib

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2008年8月10日 (日)

ブログパーツ出演/大葉健二

インターネットが世の中にもたらしたメリットはさまざまなものがあるが、タレントに関して言えば、仕事の場が広がったことは間違いない。テレビや雑誌とは別の、Webのみのプロモーションの仕事が生まれたし、公式ブログを書くという仕事も当然ネット以前はなかった。そればかりではない。先日、某タレント事務所のマネージャー氏と雑談したところ、「最近、うちの俳優がブログパーツに出たんですよ」と言っていた。

「ブログパーツって、何をやったんですか?」
「武将の役なんですけどね、凄いんですよ」
「どんなふうに?」
「カーソルを近づけると怒って斬りかかってきたり」
「そんな物騒な」
「水攻めじゃあ!とか言って、ブログを水びたしにしたりとか」
「なんですかそれ(笑)?そんなことできるんですか?」
「世界初の技術なんですよ!でも、詳しいことはまだ言えないんです」

そのブログパーツは「サムライウエポン」という。実物を見て、ようやくマネージャー氏の言ったことが分かった。たしかに凄い。ブログをボロボロにされてしまう。技術も凄いが、ブログパーツに俳優のリアル演技を持ち込む制作者の発想に恐れ入る。

武将役の俳優は大葉健二。「宇宙刑事ギャバン」の主役を演じたアクション俳優であり、最近では「キル・ビル」にも出演している。もはや「重鎮」といっていい年齢であるが、重い甲冑を着用してのキレの良い動きには思わず見入ってしまう。最近ではなかなか見られない、ホンモノの役者である。

Samurai

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2008年8月 8日 (金)

グレーのスーツが似合いすぎ/野間口徹

こういうブログを書いているせいか、普通の人よりは集中力をもってテレビCMを見ているのではないかと思う。なんとなく見たCMに出ていた俳優やタレントを、前にどこかで見たことがあると思って心当たりを検索してみると、やはりその人だった!ということがたまにある。

カップラーメン「一平ちゃん」のCMで、外国人から話かけられ、「小熊」「仔馬」「小悪魔」とわざとらしくボケたあとに「コク旨」の屋台を見つけるサラリーマン。この男、もしかして今年の始め、深夜枠のドラマ「SP」で岡田准一によくからんでいた公安刑事じゃないか? たしか劇中ではテロリストに情報を漏らしているかのような怪しい役柄だったが…。と、思いつつ検索してみるとやっぱり!野間口徹という俳優で、なんと自ら劇団を主宰してもいるという。それなりの人物だったのだ。他の出演歴を見るとフジテレビ系のドラマにはちょくちょく出ているようである。

広告でほかにキャスティングされた仕事はないかとさらに調べると、おお!CM出演歴に「二コレット」とある。そうだそうだ、電車の禁煙車両の中で、妙に外人ぽいタバコの化け物(「吸いたくなるマン」と言うらしい。なんちゅうネーミングか)の誘惑を無視して二コレットを口にし、小さくガッツポーズを決めて去っていくサラリーマンだ。

目にしたCMで、野間口は必ずスーツを着ている。が、「ビジネスマン」という感じではない。上昇志向や自己主張みたいなものを感じさせない、わりと受け身で、ときに小ずるく、けれどもそれなりに仕事を楽しんでいる「サラリーマン」である。もしかすると彼は今、日本でもっともサラリーマン姿が似合う俳優かも知れない。

Koku

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2008年8月 2日 (土)

イメージチェンジ/上野樹里

スーパーマンを演じた故クリストファー・リーヴの悩みは、あまりにスーパーマンが当たり役となってしまったため、その印象が強すぎて役者としての演技の幅が狭くなったことだと言われる。そんな話を引き合いに出すのはスケールが違い過ぎるようにも思うが、「のだめカンタービレ」以降の上野樹里の出るCMは、何をやっても「のだめ」の影がちらついている。

少し前、ゲスト出演的に出た玉木宏・山本太郎のNECパソコンのCMは、上野が玉木と「のだめ」で共演した流れで制作されたのはミエミエ。以後、オリックス生命のCMで占い師に見てもらうOLも、D-RoomのCMでカップラーメンをすすりながらテレビを見ている女の子も、結局同じようなキャラクターである。ぼーっとしていて、基本的に室内に一人でいるのが好きそうなタイプ。とくれば当然「のだめ」を想起させる。

ドラマの役作りで思い切ってショートカットにしたのも、モトクロス選手という信じられないくらいアクティブな役を受けたのも、おそらくは「のだめ」のイメージを払拭するためだろう。それなのに、彼女をCMに起用する広告主は、どうしても「のだめイメージ」を求めるのだろうか。少々保守的すぎやしないかと思うが、広告が「すでにある何か」を使って表現することはごく当たり前であるから、それそのものは批判される筋合いではないだろう。

ただ、「のだめ」以前の彼女の出演映画、「ジョゼと虎と魚たち」「チルソクの夏」そして「スウィングガールズ」を見れば、「のだめ」は彼女のひきだしの一つに過ぎないことがよく分かる。それだけに、いつまでも「のだめ」を演じさせようとするCMには、「もったいないなあ」と思ってしまうのである。

Ueno2

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2008年7月29日 (火)

商材とのマッチング/寺尾聰

寺尾聰がなんだか最近積極的にCMに出ている。キリンビールの「時代は変わる」でのセルフカバーはイメージ通りの渋いCM映像だったが、アイスクリームのCMには驚いた。寺尾が大口を開けて、棒アイスを頬張るのである。いちおう「大人のアイス」というコンセプトの商材らしいが、演出が普通のお徳用アイスとさほど変わらないし、なんというか、うーん…。キャスティングとしては「寺尾とお菓子(アイス)」という意外性が面白いと思うが、見ていて気まずい思いをするのはワタシだけか。

※寺尾自身はアイスは大好物らしい。⇒ 記事

もう一つ、シリーズものの展開を見せているリポビタンFineのCMがある。寺尾は幸福そうな一家のお父さんである。お母さんは夏木マリ、OLの娘が原沙知絵、フレッシュマンふうの弟が小栗旬で、日常的に朝から栄養ドリンクを飲む一家である。ここでも寺尾は(ワタシが見たところ)いまひとつしっくりこない。こんな親父がいるだろうか。調べると1947年生まれだそうで、ということは今年61歳。サラリーマンなら定年である。それなのにスーツにネクタイで会社に出かける支度をして、役員なのか? しかし不精ヒゲを生やして油っ気のないバサバサのヘアスタイルで、一体どんな会社なのか。どうせならノーネクタイにしてIT会社の社長か、さらにサングラスをかけさせて「ちょい不良」雑誌のデスクとかの設定にしておけば良かったのに。「普通のサラリーマン家庭の父親」を演じさせるなら、せめて無精ひげは剃ってもらうべきだっただろう。しかしやはり、それ以前に栄養ドリンクと寺尾というのは遠いような・・・。

寺尾聰といえば、ワタシの世代は「ルビーの指環」の大ヒットを飛ばした歌手としての印象が強烈だが、今の若者世代には俳優としてのキャリアのほうが認知度が高いかも知れない。数々の映画賞を受賞し、映画やドラマでは主役か準主役が用意される「大物」である。そのクラスの俳優がアイスクリームや栄養ドリンクのCMに出るというのは、彼なりのチャレンジかも知れないが、見ていて「いいんですか?」と思ってしまう。もし自分が彼に仕事をオファーするならば、やはりある程度グレード感のある商材だろう。普段着っぽい役柄ならば、ニンテンドーDSなんかいいかも知れない。

Ripo

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2008年7月 6日 (日)

関西人好み?/長澤まさみ

NTTとかJRとか、地域ごとに別会社になっている大企業は地域ごとにプロモーションを行っていて、キャラクターもそれぞれ独自に立てている場合が多い。以前はそういった企業の広告には「ご当地」タレントが使われたものであるが、最近は地域限定であろうと全国レベルの人気タレントがキャストされることが少なくない。

NTT西日本(フレッツ光)、JR西日本のイメージキャラクターはともに長澤まさみである。西日本の住人は彼女に好感を持っているという統計でもあるのだろうか。それは分からないが、エプソンやカルピスといったナショナルクライアントに加え、NTTとJRの両西日本カンパニーが彼女の広告を打っているおかげで、大阪を走るJR車両内は視界のどこかに彼女のポスターがあるという状態である。今、大阪は彼女の笑顔に触れる機会が日本一多い町ではないか。他地域に住む長澤ファンはさぞ悔しいであろう。

もうひとつ、イメージキャラクターとしての長澤まさみの特徴は、選挙の啓発ポスターや国民年金といった公的広告での実績が多いことだろう。つまり「品行方正」イメージがあると公認されているに等しいが、彼女自身はそういった扱いをされることに息苦しさを感じていそうな気がする。内気なようで、操縦が難しそうなところはすでに垣間見えているし・・・。いつまでも「いい娘」ではいてくれないかも知れない。

それはそうと、西日本のフレッツ光のCMは、彼女がテレビに消防のホースのようなものを押し込むと、いきなり光がやってきてテレビがフレッツ化するのであるが、見る人に誤解を与えないかやや心配である。

Flets

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2008年6月23日 (月)

タレントと事務服/白石みき

タレントという人種は、普通っぽく見えてもやはり普通の人とは違う。一般の人と並んで写真に写ったりすると、全然違う。陳腐な言い回しをすると「オーラがある」とか「輝きがある」とか「内側からにじみ出る何かが違う」ということだ。「差」ではない、「違い」である。

アクサダイレクトの広告で事務服を着る白石みきは、「もしかしたらこの会社の社員さん?」と思ってしまうほどなじんでいて違和感がない。でももし、本物の社員さんと並んだらその人たちには気の毒になるほど違いが際立つに違いない。そういうものだと思う。

白石みきは最近ちょくちょく雑誌などで見かけるようになってきた。アメブロの人気ランキングでも結構上位にいるし、それなりの認知はすでにあるのだろう。20代半ばというのは微妙な年齢(「売り方」の路線変更があるという意味で)ではあるが、彼女はまだまだアイドルとして通用するし、大人のいでたちもサマになるし、なんといってもまだ特定の企業のカラーがついていないので、企業の広告担当者も使いやすい。あとは何か一つ、広告でもテレビ番組でもいい、当り役に恵まれたら大ブレイクするのではないか。条件は整いすぎているほどである。

そういうわけで、彼女はこれからどんどんメディアに出てくると思う。彼女が大化けする姿を、できれば自分の関わるキャスティングで見てみたいものである。うーむ。案件ないすか。

Siraisi

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2008年6月22日 (日)

裸の後姿/吹石一恵

吹石一恵がデビューしたての頃、紹介される際に必ず父親のことが引き合いに出された。プロ野球、近鉄バファローズの選手であったと。しかし「近鉄の吹石選手」が関西以外でそれほど知名度があったと思えないし、もしかしたらそういう紹介のされ方は関西だけだったかも知れない。が、とにもかくにも彼女を見ると父親の名を思い出す関西人は、ワタシも含め多いと思う。

ユニクロのCMは、彼女が裸の背中を見せるというのでニュースになっていた。少し前だが、缶チューハイのCMでは加藤あいも背中を見せていた。もはや若い女性タレントがこのくらい肌を見せるのは大したことではないのだろうか。

しかし吹石一恵、売れっ子である。Wikiのページを見ても、出演CMの欄にはズラズラズラッと有名企業の名が並んでいる。適度に「お嬢様」、適度に「スポーティー」、適度に「知的」、そしてユニクロのCMで適度に「セクシー」が加わった。スキャンダルとか不祥事とも無縁だし、これはもう広告キャラクター的に無敵である。ドラマで主役を張るタイプではないが、実は「よく仕事をしている」のはこういうタレントなのだ。今26歳だそうだが、30を過ぎたらもっとキレイになるのではないか。とにかく悪い男に引っかからないように頑張っていただきたい(まったく根拠はないが、彼女は実業家と結婚しそうな気がする)。

Fuki

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2008年6月16日 (月)

女王の「その後」/飯島直子

映画「バブルへGO!」で、バブル時代にタイムスリップした広末涼子がフジテレビのロビーで飯島直子を目撃するシーンがあった。まだブレイク前だったソバージュヘアに太眉の飯島直子は、プロデューサーに仕事を切られまいとみっともないくらいペコペコ頭を下げていて、それを見た広末が思わず駆け寄り、「大丈夫、あなたはもうすぐ缶コーヒーのCMで人気が出るから」とささやくくだりである。

予言どおり(なわけないか)、飯島直子はCM女王になった。ドラマでも主役級の仕事が次々に入ってきた。ワタシは彼女が好きだったけれども、そんな状況は正直うれしくなかった。頂点に立ってしまったら、遅かれ早かれいつかはその座を譲らねばならないからである。思ったとおり、数年後に彼女は「元CM女王」になってしまった。あーあ。ワタシ的には手堅い脇役でい続けてほしかった。なんて話、今20代の若者には分からないよね?

その後の彼女はいまひとつ「パッとしない」。そう思うのってワタシだけか。今でも彼女は普通のタレントに比べれば十分売れっ子だし、悪いイメージは全然ないのだけれど、ワタシはどうしても「一番良かった頃」と比べてしまう。つい「もう一度」を期待してしまう。申し訳ない。

最近花王のオーラルケア製品のCMに出ている彼女は、あのころのイメージにやや近い。彼女ももう40歳だし、年相応のイメージづくりをしていくべきなのだろうが、なんとなく感じる「無理」が、なんとなく嬉しいファンはやはり罪作りである。

Iijima_2

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2008年6月14日 (土)

東京ハート/宮崎あおい

タレントを手配する仕事をしているが、ウチの会社そのものは広告代理店である。だから広告という多少大きな枠組みの中でタレントを見ているし、世間で注目されている広告クリエイターも気になる。

広告屋として今もっとも注目すべき同業者は「風とロック」でおなじみの箭内道彦氏である。この方に会ったことなどもちろんないが、テレビブロスの連載コラムから察するに、相当熱い人に違いない。熱いというのは「徹底的」で「圧倒的」で「自己中心的」である。しかし決して無作法でもデタラメでもないのは、彼が作った「東京メトロ副都心線」のCMを見るとよく分かる。奇をてらうところは何もない。一番旬の女優を使って一番新しい地下鉄の告知をするという、これ以上ない王道のCMである。そのCMに出ているのが宮崎あおい。関係あるのかないのか分からないが、東京出身である。

宮崎あおいという女優は美人なのかと聞かれると「うーん」と考えてしまうし、演技がうまいのかと聞かれても「うーん」と返答に窮してしまう。なんだかよく分からない。分からないけどカワイイ。TOKYO HEARTのナレーションの声は、張りがあってとてもイイ。けなげな力強さに溢れている。たぶんそれは波に乗っているタレントの自信みたいなものではないかと思う。東京以外の人はネットから彼女のCMを見るべし。

Tokyoheart

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2008年6月10日 (火)

「相棒」の副業/六角精児

「相棒」の映画が大ヒットだそうで。地味ながらしっかりしたストーリー作りをしているドラマが大衆に評価されるのは嬉しい限り。ロクでもない作品が、広告やテレビ局の力で無理から「ヒット作」にされるのは見ていて気持ちのいいものではない。

ところで、ちょっと前からmixiの管理画面なんかでよく見かけた東京スター銀行の広告に、なんとなく見覚えのある顔があるなと思ったら、「相棒」の鑑識の人じゃないか。検索してみたらその通りで、六角精児という俳優さんだった。しかしこんな広告、オファーされた俳優もそれなりに逡巡があったのではないか。借金で苦しんでいるかのようなイメージが定着してしまったら嫌だろうし。いちおう「相棒」で「警察関係者」の人物が広告で多重債務者の役とは。ドラマの製作者から文句は出なかったのか。

ちなみにこの広告、「完済人」は3人登場するのだが、六角(髪の長いほう)のほかは男女一人ずつで、男性のほうはこちらもどこかで見た顔。実はちょっと前までピザハットの「パパチャレ」に出ていた俳優で矢柴俊博という。Wikiで調べたら早稲田の仏文出身。おそらく借金苦とは縁のなさそうな、結構なインテリなのだ。

Photo_2  見事に立ち直った3人(笑)

1_2  完済人だから関西弁?

Photo_4  こっちでは愉快なお父さん

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2008年6月 1日 (日)

最初のAnswer/成海璃子

ドコモが新しいロゴを発表して、大勢のタレントを集めた割りに話題にならなかった「DoCoMo2.0」キャンペーンをたたみ、新しいキャンペーンを開始した。

新しいキャンペーンのテーマは「Answer」で、要するに「ドコモはいろんな人たちの要望に対してお答えしますよ」ということなのだろう。なんだかなあ。間違ってはいないが、なんだか陳腐じゃないか。店頭ではビートルズの「All you need is love」がかかってたりして、間違ってはいないが、新ロゴの告知広告で「生まれ変わった」とか何とか宣言していた割りには新鮮味がない。驚きがない。いいのかそれで。

「Answer」も複数タレントのキャスティングで、シリーズ第一号広告は成海璃子。まだ一般にはそれほど有名でないかも知れないが「ミラバケッソ」の女の子といえば「ああ」とうなずいてくれる人もいるに違いない。その彼女を新キャンペーンのアタマに持ってくるのだから、ドコモ的には「思い切った」ことなのだろう。そこまで好意に受け取ってくれる人間がどれほどいるかは分からないが・・・。ほかの広告のバージョンは松山ケンイチが出ている。成海も松山も白い服。新しい出発だから白い服。間違ってはいないが・・・。まあいいか。

ところで、この成海璃子のポスターって、赤い線はまるで血が噴き出してるみたいだ。なんかギョッとしないか? 何でこんなデザインにしたのだろう。お金をかけている割りによく分からない。ドコモらしいといえばらしい。

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