官製アイドル/セキュリーナ
来年の今頃、まだこのブログが続いていれば、おそらく今日のエントリを振り返ることになると思う。
セキュリーナというのは経済産業省の「CHECK!PC」キャンペーンのキャラクターである。コンピューターウィルスに気をつけましょうという趣旨で、昨年は同じキャンペーンを上戸彩を起用して実施していたのだが、今年は別のアプローチを考えたのだろう。というより、別の代理店の企画を採用しただけかも知れないが。
ひと通り(義務感で)キャンペーンサイトを見ての私の感想は、「こんなの必要あるか?」である。わざわざこんな子供だましのキャラクターを作らなくても、もっと普通にセキュリティ対策の重要性を訴えたって良いではないか。何なのだ、ブログパーツまで用意して。パーツから感染したらシャレにならんぞ。
官庁の仕事なので当然複数の代理店のコンペになったのだろうが、あえてタレントを使わず「自家製」キャラクターを作るというのは、企画書的にはウケそうである。PCのセキュリティを守るのがテーマだから、ブログパーツで認知をはかろうという考えもそれ自体は悪くない。しかし、だからといって「じっくり見てみよう」という気にならないのだ。何だろう、失礼を承知で言えば「予算消化」っぽい仕事なのである。
広告会社にとってお役所の仕事は「美味しい」の一語に尽きる。まず「効果が問われない」。クライアントが一般企業だったら、大金を使わせて広告を作り、売上が上がらなかったら代理店は責任を問われる。もちろん代理店は売上を約束しているわけではないが、そういうものなのだ。さらにお役所の仕事は意外に、「予算が悪くない」。以前、某官庁で制作している啓発ビデオを見たことがあるのだが、誰が見るのか分からない教材に、全国的な知名度の俳優が何人も出ていてびっくりしたものだ。担当者は「ギャラは安いですから」と言っていたが、そんなものを作れるだけで大したものではないか。そして最後に、「お役所はつぶれない」。お金を取りっぱぐれることが絶対にないというのは、このご時世、なにものにも勝るメリットと言える。
だから、というのは無理があるかも知れないが、セキュリーナのアイデアも「これで日本国民のセキュリティ意識を高める!」という意気込みのようなものが感じられない。代理店が予算内で作ったものを「納品」したような印象なのだ。経産省に意地があるなら、今後セキュリーナを継続的に使って、このキャラクターを育てていくべきだろう。だから今回は冒頭に「来年の今頃」を予想するようなことを書いたのだ。来年、もしセキュリーナがどこかへ行ってしまって、まったく違うキャラクターやタレントで同じキャンペーンが張られていたら、私はやはり「予算消化だなあ」と思うに違いない。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)












最近のコメント