白黒はっきり/桂ざこば
先日、桂ざこばのインタビューをキャスティングした。大阪市内のホテルで約1時間、みっちりである。ざこばは今の芸名になる前は桂朝丸といって、懐かしのテレビ番組「ウイークエンダー」に出て名を売った。とはいえその後はそれほど全国ネットの番組には出ていないので、東日本で40歳以下なら知らない方も多いだろう。西日本ではトーク番組によく顔を出しており、人情家で涙もろく、思ったことは遠慮なく口にするキャラクターで、知名度・好感度ともに高い。
私がざこばを近くで見るのは初めてであったが、テレビで見るそのままの印象であった。とにかく回答がこの上なく明瞭である。
「~することなどありますか?」
「ない!」
「~などは買いますか?」
「買う!」
「~はどうですか?」
「分からん!」
みたいな感じである。「条件付きイエス」みたいな回答は一切ない。ときどき「これは書かんといてや」という話もあって、今思えばあれは同席したクライアントへのある種のサービスだったのかも知れない。ギャンブルの話、苦手な共演者の話、本当に面白いのはこちらのほうだが、もちろんここでも書くことはできない。
あと、テレビでは分からないが、声がとてつもなく大きい。普通にしゃべっていても普通の人の「怒鳴り声」レベルである。インタビュー中、私は一度電話をかけに部屋を出たのであるが、廊下にいてもかすかに室内の声が聞こえてくるのでびっくりした。それなりに格のあるホテルなので防音はかなりしっかりしているはずである。声が商売道具とはいえ、やはりプロの「基礎体力」の凄さを実感した。
意外なことといえば、ミニバンを自分で運転して現れたことだろうか。事前に打ち合わせした際、「車で行きます」と付き人の方に言われていたので、ワタシはてっきりタクシーで来るものと思っていたのだが、ホテルの駐車場で運転席から師匠本人が降りて来たときは驚いた。付き人は助手席にいる。こういう光景は初めて見た。帰りも本人の運転で去っていったので、普段からそうなのだろう。よほど運転が好きなのだろうか。本人を見て少々イメージが変わったとしたらこの点である。
ざこばといえば、某タレントの活動自粛をめぐる発言で一瞬注目されたが、それはこのインタビューの翌日であった。事務所関係者は肝を冷やしただろうが、本人は「そんなもん、なんぼのもんじゃい」くらいのものだろう。万一のことがあったらインタビューも出し辛くなるので心配したが、大事に至らず一安心である。そうなると、むしろインタビューを出す前に注目度が上がったということで、この発言も悪くはなかったという気になってくる。因果な商売である。
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