キャスティングの舞台裏

2009年8月13日 (木)

タレントブログプロモーションを成功させるには

ここ数回、タレントブログのことを集中的に書いているが、今回でとりあえず区切りにしようと思う。タレントのブログを使ったプロモーションは、通常の広告キャンペーンとは勝手が異なる部分が多々ある。一言でいえば、広告主の思い通りにならないことが多いのだ。それらはすべて過去の「やらせブログ炎上騒動」からタレント事務所やキャスティング会社が得たノウハウであり、最終的には広告主企業を守るための手段であるので、ご理解をいただければと思う。

まず、ブログプロモーションには「広告であることを明かすかどうか」という大きな選択肢がある。どちらが良いかと尋ねられたら、私なら迷いなく広告であることを明かした方が良いと答える。ウソは結局ばれるのだ。これまでの「やらせブログ炎上騒動」はほぼ例外なく「広告でないような顔をした広告」であった。

たとえば女性モデルに「○○社の口紅を愛用しています」と書いてもらったとしても、そのモデルが本当にそのメーカーの商品を愛用しているなら、それまでにまったくブログで話題にしていないとは考えにくい。昨今のリテラシー(読解能力)の高い読者は「いつもと違う」記事は間違いなく広告だと見抜くし、そうすると広告主企業に対してマイナスイメージを持つだろう。

それならば「○○社さんから口紅をいただきました。試しに使ってみたんですけど、色がすごくキレイですね」というように、広告であることを示唆した上で、使用感などを書きこみしてもらったほうがすんなり受け入れられると思う。読者は広告そのものに嫌悪感を示すのではなく、そうとはさとらせないような方法で情報を刷り込もうとする行為に抵抗を覚える。この点を忘れてはならないだろう。

したがって、書き込みの依頼においては、タレントの書く原稿は基本的に「お任せ」でお願いしたい。もちろん広告主が商品の訴求ポイントや文例を提示するのはOKであるし、そのほうが記事を書きやすいのでタレントにも歓迎される。しかし、「アップする前に原稿を確認させてほしい」といった要望はNGの場合が多い(人気タレントほど難しい)。アップ後も明らかな誤認や固有名詞の間違いでなければ原稿の修正は難しいと思っていただきたい。ブログはタレントが「自分の言葉」で書かなければ伝わらないのである。

そういった点で、ブログプロモーションは広告よりもPRに近いと言える。たとえば記者会見を開いて情報提供をしても、記者が書く記事をコントロールすることはできない。それと同じようなものである。そのことを前提に、ブログプロモーションを成功させるポイントをあげるとしたら次の3つになるだろうか。

1.商材とタレントのマッチング(タレントがその商品について語る妥当性がある)
2.広告(もしくは依頼されての書き込み)であることの明示
3.タレントの「自分の言葉」による商品の紹介

繰り返しになるが、ブログ読者のリテラシーを甘く見てはいけない。小手先のウソや小細工は、すぐにばれてしまう。そして、ばれてしまったときの代償はあまりに大きい。

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2009年8月11日 (火)

タレントブログの「帝国」

もう一ヶ月近くたってしまったのでニュース扱いはできないが、おそらく現時点で「もっともブログが有名なタレント」である中川翔子がアメブロに「移籍」した。もともとはヤプログで自発的に書き始めたブログが異常なまでの更新回数で注目を集め、その後エキサイトブログに移り、そして今回のアメブロへの電撃移籍である。移籍と同時に「殿堂入り」(ランキング対象外)と、いきなり伝説を作ってしまった。この移籍に関しては何人かの考察がすでにWeb媒体に出ているので、ここで深くは言及しない。

しかしアメブロはもはやタレントブログの「帝国」だと思う。スターの独占ぶりは、読売ジャイアンツ、ニューヨーク・ヤンキース、レアル・マドリッドをもしのいでいる。というか、もはやタレントの中で「ブログを書くならアメブロ」という空気が自然にあるのが凄い。今はいくつのタレントブログがあるのだろう? たしか昨年確認したときに3000以上と聞いていたが、今では当然もっと増えているに違いない。

とはいえタレントは誰でもアメブロで「公式ブロガー」にしてもらえるかというと、そういうことはなく、タレントからの申し込みに対してはちゃんと審査がある。ポイントはおそらくどのくらいのPVが見込めるかだろうが、私の知り合いの女性ローカルタレントは自薦で申し込んで断られていた。その彼女が他サイトで書いていたブログは月間2万PVあったのだが、その程度ではお話にならないようである。ハードルは高いのだ。

昔話で恐縮だが、私は今の会社に参加する前はWeb媒体社でブログサイトを担当していた。おそらく名前を言っても20人に1人くらいしか知らないような弱小ブログサイトであったが、それでもいろいろな人の協力を得て何名かのタレント(の卵)に公式ブロガ-としてブログを書いてもらっていた。当然というか、専用テンプレートを提供するのがギャラ代わりである。

その卵たちが日を追うごとに成長していくのを見るのは自分のことのように嬉しかった。ステップアップするごとに確実にブログのPVが増えるのである。ドラマで役をもらったり週刊誌で巻頭グラビアを飾ったり、名前がマスコミに出た日はPVが普段の3倍くらいハネ上がった。皆がこのまま成長すれば、アメブロにはかなわなくてもそれなりのブログサイトになるぞと想像を膨らませていたが、世の中はそんなに甘くない。皆、ある程度人気が出てくると申し合わせたように去って行くのである。アメブロに。まるで昨今のメジャーリーグと日本のプロ野球の関係に似ているが、実力者はより一層レベルの高いところを目指すものであり、その流れを止めることはできないのである。

弱小ブログサイトとはいえいちおう「公式ブロガー」にはそれなりの契約もあって、一年単位で更新することになってはいた。しかしノーギャラなので、「誰に育ててもらったと思ってるんだ」などと言うこともできない。結局、契約期間中に去るタレントを誰一人引きとめることはできなかった。ただし、こちらに何の知らせもなく去って行ったタレントの最後のブログ記事が「このたびアメブロにお引越ししました。URLは~」などというリンク付きの告知であれば、それは運営者の権限で削除した。それを残しておいてほしいというのは、いくら何でも厚かましいだろう。

公式ブロガーに去られたら、仕方なく空いた穴を埋めるために別のタレントを探すのだが、そのときにできたいくつかの芸能事務所との縁が今の仕事のいしずえになっている。だから、憎くはあったがアメブロには間接的にお世話になったと言えなくもない。もっとも、私自身が前の会社を踏み台にして出て来てしまった今では、偉そうなことを言える立場ではないのだが。

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2009年8月 3日 (月)

100人CMの舞台裏を想像する

資生堂の新CMが話題になっている。ビキニの水着美女が100人、海辺を走ったり泳いだり、すさまじいインパクトである。そりゃあ話題にもなるだろう。この迫力を無視できる男はなかなかいないと思う。とにかく大勢出ているのでだれがだれだか分からないが、若い女性の「ピッチピチ」のエネルギーは十二分に伝わってくる。男に伝わっても仕方ないかも知れないが。

キャスティング屋としてこのCMを見て考えてしまうのは、その舞台裏である。ロケはハワイだったそうだが、100人分の往復航空機料金はいくらだろう?とか。いや100人ということはない、スタイリストやメイクさんも1人や2人ということはないだろうし、それぞれのモデルのマネージャー、カメラクルー、それに立ち会いのスポンサーや代理店の関係者もいる。通常、CMの撮影現場には直接撮影に関係しない人間がなんやかやいるものなのだ。ならば、今回の宿泊やロケ弁はいったい何人分が必要だったのだろう?さらに撮影機材(メイキングでクレーンが映っていたがさすがにアレは現地調達だろう)はじめ、100人分の衣装や小道具も相当な量があったはずだ(CMをよく見ると「RUN RUN RUN編」ではギターを持って走っている女の子がいる)。これはもう、ちょっとした学校の修学旅行なみの大移動だったのではないか。

私が関わるキャスティングで撮影がある場合は、もちろんほぼ国内ということもあるが基本「現地集合」である。キャスティング会社が足を手配することはまずない。好きな方法で来てもらって、交通費は別にお支払いする。たまにエキストラなどでまとまった人数を手配するときなど、コーディネーターに自分の車(芸能関係の会社はたいていミニバンを持っている)に乗せてきてもらうくらいである。

撮影現場でのこまごました仕事を仕切るのは、ほぼ広告代理店の制作部隊である。彼ら、彼女らの働きぶりは凄い。モデルの出入りの確認、撮影の記録、ロケ弁の手配などはもちろんのこと、カメラマンに「そこのベンチ邪魔」と言われれば重い鉄製のベンチをひきずってどかし、近所の奥さんが何をしているのかと出てくれば「お騒がせしてすみません」と頭を下げ、足りない備品があればコンビニが1km先でも走って買いに行く。ホームページの中の「CMメイキング映像」などには現れないシーンが現場には山ほどあるのだ。現場スタッフの細やかに神経を使いながらの重労働は、真似をしろと言われても私などには絶対無理である。

資生堂の今回のCMの場合、さすがに100人ものモデルを投入するのであれば、宿泊や移動は旅行代理店を動員しただろう。それでも100人の多くは初めて顔を合わせる間柄だろうし、限られた時間で撮影を完了するべく、段取り良く全員を動かすには相当の苦労があったはずである。このような企画を現実にした制作スタッフ、およびスポンサー企業の太っ腹ぶりに敬意を表したい。

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2009年7月 2日 (木)

ブログ有料化/新垣結衣

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これはもしかしたら、今後大きな波になるかも知れない。新垣結衣の所属事務所レプロエンタテインメントが、新垣のブログ閲覧の有料化を発表したのである。料金は月額840円。これはなかなか強気な設定と言えるだろう。1万人集まれば1ヶ月で840万円、年間で1億80万円。なんとなく年1億を目標にして設定されたようなプライスではある。しかし払うほうは一人年間1万80円、これは少々キツイのではないかという気もするが…。

HPをのぞくと、有料化を前にして「新垣結衣と行くはとバスツアー」なる企画まで用意されている。もちろん参加者は抽選で、会員登録者のみ応募可能とあるから、有料会員を獲得するためのキャンペーンだろう。ということは、ブログ有料化は事務所としてもそれなりに腰を据えた本気のプロモーションであることがうかがえる。

冒頭で「今後大きな波になるかも」と書いたのは、単純にブログ有料化が進むだろうということではない。タレントのインターネットの使い方が、これまではファンの間口を広げるための広告的なものであったのが、サービスそのものを提供する手段になっていくのではないか、と思ったのである。「他人の日記をカネ払って見る奴の気が知れない」などと言う人もいるが、そういう人は「ブログ=日記」の思いこみが強すぎると思う。ブログを「双方向性コミュニケーションツール」と大きく考えれば、それなりの価値を生み出す可能性は十分ある。そしてそれは「オープン」から「クローズ」へのシフトでもあるだろう。

もちろんタレントの「会える」化はAKB48のような前例もあるので、新垣プロジェクト(勝手に命名)はそれ以上のサムシングがなければならないだろう。事務所に優秀なネットマーケティングのブレーンがついたのだろうか。だとしたら、今回はテストマーケティングとして非常に面白いと思う。

さらに思うのだが、タレントがブログを「広報手段」から「サービス提供手段」に変えていくとしたら、アメブロなどが抱えるタレントブログは下火になるかも知れない。タレントブログというのは、ブログサイトにとってはPV確保と広告キャスティング(要するにブログへの書き込み依頼)のための囲い込み手段であり、タレントにとってはファン獲得の手段であるのだが、どちらかといえばブログサイトがタレントに「書いてもらっている」のが実態だと思う(もちろん有名タレントに限った話)。ブログを書いてギャラをもらっているタレントもいるが、もしブログを有料化したほうがギャラより儲かるならば、ブログサイトの「公式ブログ」は書かなくなるだろう。そうなるとタレントをつなぎとめるために、ブログサイトはそれ以上のギャラの上積みを要求されるかも知れない。またブログサイトから「タレント離れ」が起こるとしたら、タレントによる「ブログ書き込み」の収入も減ることになるだろうし、ブログサイトとしては二重に痛いはずである。

この出来事に対して書かれた一般人のブログを見ていると、「新垣結衣は本当に料金分のブログを書けるのか?」「ゴーストライターが書くのでは?」「女優なのにはとバスツアーなんか行く時間があるの?」「有料化しても炎上するときはする」といった、コンテンツ面の心配が多いようだ。いずれももっともな意見である。

しかしとにかく、やってみなければ分からないことも多い。新垣がちゃんとブログを書けるのか、追随して有料化するブログが出てくるのか、そしてアメブロが何か対策を打ってくるのか、じっくり注目したいと思う。

Gakki

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2009年6月26日 (金)

アスリート起用はギャンブル

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ここのところいくつかのスポーツ雑誌で、「WBC後遺症」というテーマの記事が掲載されている。見事にV2を達成した日本チームであるが、その後シーズン入りしてから「本業」で主力メンバーの成績がふるわず、これはいったいどうしたことか、やはり3月の開催はムリがあるのか、という感じである。

WBCメンバーの広告起用でも明暗が分かれている。今、バンテリンやアクエリアスのCMに出ている松坂大輔など、シーズンに入ってからレッドソックスでのピッチングはパッとしないどころか、故障者リストに入るなど今年は散々。大枚はたいてCM契約してこれはないだろうと、広告主企業はガックリといったところだろう。せめてチームがプレーオフに出て、1回でいいから大試合で活躍してくれ、という思いではないだろうか。

いっぽう、やはりWBCの快投からすればシーズンは物足りないが、楽天・岩隈久志のすき家のCM効果は悪くなかったように思える。WBCからわずか1ヶ月でキャスティング・撮影・放送を敢行した超スピード作業と、キャンペーンそのものが短期だったことが勝因だろう。WBCでのMVP級(実際のMVPは松坂)のピッチングの勢いをCMに持ち込めた。

アスリートを起用したCMでもっともキレイな形は、契約している選手が活躍して歓声を浴びたスポーツ中継(もしくはスポーツニュース)直後のCMで、その選手が商品を持ってニッコリ笑ってくれることだろう。「マイナーで調整する松坂選手」のニュースの後で彼のCMが流れても苦笑しか出てこない。その点で成功しているのは宮里藍(三菱電機)、イチロー(ユンケル、エネオス他)、ダルビッシュ(サロンパス他)、朝青龍(ファンタ)あたりだろうか。

家電量販店のジョーシンは2003年に阪神タイガースのスポンサーになったとたん、チームがセ・リーグ史上最速でマジックを点灯させ、ぶっちぎりの優勝を果たしたということがあった。これにより同社の出店地域での存在感は一気に上昇、スポンサードの効果をこれ以上ないほど発揮した好例といえる。それまで数年の阪神の成績(98~01年最下位、02年4位)を見れば、まさに「万馬券」クラスの当たりを手に入れたと言えよう。

多かれ少なかれ、アスリートのCM起用は広告主にとってギャンブルである。一流選手といえども人間なので、調子の波はある。大型のCM契約を結んだことがプレッシャーになり、そのせいで実力を発揮できない者もいるだろう。そう考えれば、毎年当り前のように活躍して広告主企業に貢献しているイチローやダルビッシュは本当に凄いと思う。逆に、大会で優勝することもないのになぜかCM契約が引きも切らない浅尾美和というのは、不思議な存在だと思う。

Dicek

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2009年6月24日 (水)

パチスロ・パチンコのキャスティング

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私自身はパチンコもパチスロも全然やらないのだが、電車駅の近くを通りかかったときなどは嫌でもパチンコ店ののぼりが目に入り、「こんなタレントが出ているのか」と驚くことがある。最近はロックバンドのボン・ジョビのパチスロが出たという話を聞いた。国内でネタが尽きたのだろうか。いやはや、遊技機メーカーの企画力は大したものである。

少し調べてみたのだが、パチンコ、パチスロのタイアップ機キャラクターには次のような人物が使われている。

■格闘技選手

アニマル浜口、アントニオ猪木、ガッツ石松、桜庭和志、長州力、橋本真也
花田勝、力道山、アジャコング、小川直也、具志堅用高、ボブ・サップ

■男性歌手/タレント

五木ひろし、北島三郎、香田晋、西條秀樹、氷川きよし、泉谷しげる、竹中直人
加山雄三、郷ひろみ、小林旭、デーモン小暮、山本譲二、ザ・ブルーハーツ

■女性歌手/タレント

小野真弓、倖田來未、中村玉緒、都はるみ、モーニング娘。、飯島愛
イエローキャブ(事務所として版権提供)、小倉優子、熊田曜子、小林幸子
C.C.ガールズ、ピンクレディー、ほしのあき、松居直美、松浦亜弥、安田美沙子
和田アキ子

■お笑いタレント

くりぃむしちゅー、志村けん、ダチョウ倶楽部、長州小力、TIM、電撃ネットワーク
所ジョージ、安田大サーカス、加藤茶、コント55号

■外国人アーティスト、俳優

エルビス・プレスリー、クイーン、ブルース・リー、ジャッキー・チェン、ボン・ジョビ
マリリン・モンロー、チャールズ・チャップリン、マイケル・ジャクソン

やはり客層の好みを反映しているのか、格闘技選手が多数起用されている。男性タレントの多くは演歌歌手、女性タレントの多くはグラビアアイドルという傾向も、「いかにもイメージ通り」といったところ。お笑いタレントは「エンタ」などに出ている「旬」の名前はなく、やはり比較的高年齢層にウケそうな人選である。外タレはボン・ジョビ以外にも結構使われていたことを今さらながら再認識。そういえば、どこかでフレディ・マーキュリーのパチンコののぼりを見たような気がする。

こういったキャラクターの話になると必ず出てくるのが、「やっぱ儲かるんやろうねー」みたいな話題である。私はあまりこちらの業界は詳しくはないが、やはりそれなりの報酬・契約金は出ているらしい。個人名を出すとさしつかえがあるので著作物を例にとるが、たとえばパチンコのキャラクターに使われた「北斗の拳」は、パチンコ機がリリースされて数週間で漫画の単行本全巻の総売上を稼いでしまったという。ロイヤリティ契約ならば作者と出版社は相当(というか想像を絶するほど)に潤ったのではないだろうか。

ビッグマネーの誘惑は「遺言」をも動かす。数年前、版権の二次使用やリメイクを固く禁じていた黒澤明作品の権利を事務所がリリースしたことがあった。その背景として、事務所経営が苦しかったというのは周知の事実である。こういった話を聞くと、やはりパチンコというのは「お金に困った権利保有者の最後の手段」のような印象がある。

しかし最近では倖田來未しかり、イエローキャブしかり、旬のタレントがパチンコのキャラクターになるケースも出てきている。こういった流れが普通になれば、パチンコそのもののイメージも変わっていくのかも知れない。今、漫画家を目指す人たちの多くの目標は、「週刊誌連載 ⇒ アニメ化 ⇒ キャラクター商品の販売で大金持ち」であるが、今後はこれに「パチンコとのタイアップ」が入るのだろうか。

しかしボン・ジョビのパチスロっていったいどんなんだろう? ちょっとだけ興味がある。

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2009年6月18日 (木)

トークショーの帝王/石田純一

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少し前は「トレンディドラマの帝王」と言われた(ような気がする)石田純一であるが、ここ数年はもっぱら「トークショーの帝王」である。試しに「石田純一 トークショー」で検索してみると、出てくる出てくる。もちろん最近のものばかりでなく2~3年前のものも引っかかってくるが、ダブッているものを省いて時系列で列記するとこんな感じである。

・東京モーターショーで青田典子とトークショー(07年11月)
・結婚情報会社のバレンタイン記念イベント(08年02月)
・映画「プライスレス 素敵な恋の見つけ方」特別試写会ゲスト(08年03月)
・大学生SNS「LinNo」発表会ゲスト(08年07月)
・映画「レッドライン」イベントで川村ゆきえとトークショー(08年07月)
・琵琶湖遊覧船ビアンカ上でトークショー(08年08月)
・JRAエリザベス女王杯レース展望&トークショー(08年10月)
・アメブロX'masパーティー(08年12月)
・映画「サーティーン」特別試写会で優木まおみとトークショー(09年02月)
・スイート・スイーツ ジャパン2009ホワイトデーSPトークショー(09年03月)

タレントの「トークショー出演回数」のランキングなどおそらくないと思うが、あったら石田純一はかなり上位ではないだろうか。強力なライバルにIKKOや押切もえなどがいるが、純一も負けてはいない。

トークのテーマはほぼいずれも「恋愛」である。いやはやこれだけいろんなところで色恋の話を披露できるというのも、ひとつの芸だと思う。NHKの「プロフェッショナル」に推薦したいくらいである。いや、皮肉ではない。私が知っているタレントの中でも、石田純一はトップクラスのサービス精神の持ち主である。どこに行っても「結婚は?」「好きな女性のタイプは?」みたいなことばかり聞かれるのは想像に難くなく、普通の男なら「オマエらそれしかないのかよ?」とすねてみたくもなるものだ。しかし石田は嫌な顔ひとつせず、ワンパターンの質問でも今初めて聞いたような顔で真剣に答え、さらには「今日は手ごわいお客様が多いですね」とプラスαの一言を付け加えてくれる。こういう一言が、参加したお客の思い出になったりするのだ。

また、石田の凄いところは、相手がだれであってもそれなりにトークがサマになるところである。テレビは台本が用意されていることが多いのであまり目立たないが、フリートークの場合、相手によっては話が全然弾まないタレントも結構多いのである。石田はどんなシチュエーションでもちゃんとお客を楽しませてくれる。これもポイントが高い。

「知名度があり」「気の利いたトークができる」さらには「お得感がある」。要するに、石田純一はイベントの主催者やキャスティング会社がもっとも安心して呼べるタレントなのである。実際、私がかかわったホテルや商業施設のトークショーは、企画段階ではほぼすべてといっていいほどゲスト候補に石田純一の名があったように思う。俳優で声がかからなくなっても、十分に「トークショーのプロ」として食べていけるだろう。

ところで石田が「恋愛」以外で注目されることといえば「ノーソックス」である。トークショーではバーにあるような座の高いイスを使うことが多いが、石田が出るときはやや低めのイスが多いように思う。それだと腰を下ろすと自然に膝が曲がり、足元が見える。舞台設営の人があえて用意していると思うのだが、ちょっとうがちすぎだろうか。

Jun

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2009年6月12日 (金)

再浮上に7年?/ムーディ勝山

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最近は映画の試写会にタレントがゲストとして呼ばれることが多く、我々キャスティング屋にとってはありがたい風潮である。一日だけの拘束であまり競合を意識する必要もなく、さほど準備や打合せも必要ないという点がうれしい。映画の内容とタレントの整合についても深くは問われず、「とりあえず旬のタレントならいい」みたいな甘さもある。ひとつ難があるとすれば、突然降って湧いたように仕事の依頼が来て、タレントのスケジュール確保に苦労するという点くらいだろうか。

最近印象に残った試写会ゲストは、ミッキー・ローク主演の『レスラー』に呼ばれたムーディ勝山である。映画は落ちぶれたプロレスラーが復活をかけて戦うという、いかにもアメリカ人の好きそうな「復活もの」。そのゲストにムーディは整合性がありすぎ、見ようによっては「シャレにならない」と言われそうなほどのはまりっぷりであった。一緒に加護亜依もいたが、おそらくこの試写会にはほかにもテツandトモ、波田陽区、ダンディ坂野あたりを呼んでいたのではないか。いなかったのはスケジュールが合わなかったのか、晒しものにされるのを嫌ったのか…。

ムーディのインタビューは夕刊紙、スポーツ新聞、ネットニュースでも流されたので見た人も多いだろう。「今、仕事は月に4本」「仕事がないので公園で一日を過ごすことも」「有吉弘行から再浮上に7年かかると言われた」「彼女はいるが結婚のめどが立たない」など、痛々しいエピソードが並ぶ。一時期の人気者が短期間でここまで落ちぶれるのかと怖くなるほどである。その点、現状の境遇が「自業自得」でもある加護は、理由がはっきりしているだけに納得のしようがあるかも知れない。

しかしよく考えてみれば、ムーディの記事の中で映画の紹介は「いちおう触れました」くらいの扱いで、ほとんどが彼の悲惨な日常についての内容である。つまり、ある意味、彼がミッキー・ロークを「食って」しまったわけである。ゲストを呼びながら映画があまり目立たなかったという点で、このキャスティングは失敗かも知れない。しかし、ムーディにとってはタレントとしてのパワーが失われていないことが証明されたわけで、まだツキは残っていると言えるのではないか。変に自虐ネタに走らず、相変わらずのひょうひょうとした芸で頑張ってほしい。まだまだ浮上のチャンスはあると思う。

Moody

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2009年6月 6日 (土)

代理店との共同作業について

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国内の上位広告代理店は、自前のキャスティング会社を持っているか、本社内に芸能事務所との窓口部署を用意している。要するに、わざわざ外部のキャスティング会社を使ってコストをかけなくてもいい体制があるのだ。それなのに、ウチのような会社にも大手代理店からキャスティングの依頼が来る。

身内の部署を使わないで当社に声をかけてくれる理由は、おもにプロデューサーとの個人的な関係があると思う。もちろん癒着とかそういうことではなく、以前に期待に応える働きをしたので、信頼感を持ってもらっているのだと理解している。カネをかける価値があると思ってくれているのだろう。もしくは社内のキャスティング部署の担当者と仲が悪いのか(冗談)。

代理店からの仕事はどのくらいの割合だろうか? 細かく数えたわけではないが、案件の数でいえば半分くらいだろう。最終的に成約した数を見れば3割くらいだと思う。要するに、タダ働きも多いのである。それでも大手代理店の情報力と企画力、案件の魅力度は、ウチのような小さなキャスティング会社が独自ではまず実現できないものなので、勉強という意味でも歓迎している。

ただ、エエカゲンにせえよと毒づきたくなるような代理店もある。「○月○日のイベントに呼べるタレントを提案してもらえますか?」みたいな依頼をしてきて、こちらが提案した後はまったく連絡なし。「返事がなければNGと思え」とでも思っているのか。こちとら正式に出演OKをとったタレントには、NGなら一日でも早くバラすように連絡をいれなければならない。無視されたらウチが信用を損なうのだ。こういういい加減な対応をされると、最初から成約させるつもりもなく提案だけ欲しかったのではないかと勘ぐってしまう。不思議なのは、そんな嫌われて当然の対応をしておきながら、数ヶ月後に再び「演歌歌手の××を動かせませんかねえ」などと電話してくる点である。こういうヤカラがいるから、「提案だけでも課金します」というキャスティング会社が出てくるのだろう。

ダメな代理店社員の特徴を要約すると「偉そう・ムチャ・連絡がない」だろうか。「ムチャ」で多いのは、今日の夕方電話してきて「明日中に提案がほしい」というような、あまりに時間のない依頼である。前述の「デキる」プロデューサーはこれの正反対で、ウチのような小さな会社でもちゃんと礼を尽くしてくれるし、ムチャは言うこともあるがその分はどこかで埋め合わせをしてくれるし、基本的に連絡がマメである。まあデキる人間というのはどこの業界でもそうだろう。ただ、デキないくせに勘違いした人間が多いのは、この業界の特徴でもある。

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2009年5月23日 (土)

資格のウソや間違いについて

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千葉県知事に当選した後、週刊誌などで叩かれ続けホコリが出まくっている森田健作であるが、まあ千葉県民でもない私は彼のゴシップに関心などない。しかし、プロフィールに書いてあった「剣道二段」が「自称」であったというのはちょっと困る。こちとら、タレントの資格のデータベースが商売のタネなのだ。キャスティング屋としては公式サイトや宣材に書いてあることは信じるしかないので、そういう部分でウソは勘弁してもらいたいものである。

「公式」のプロフィールにも間違いがあることはある。所属事務所も基本的にはタレント本人の自己申告に基づいて公式プロフィールを作っているので、ウソや間違いがあっても分からないというのが実情なのだ。(ちなみに事務所の誤記載もある。「学芸員資格」を持っている某タレントのプロフィールに「学芸委員」とあったのは笑った。国家資格がまるでクラス委員だ)。

微妙な例もある。「発展に寄与した」という理由で「名誉○○」の称号が認定団体から与えられることがあるが、わざと「名誉」の部分を省略するタレントがいる。たとえばワイン通で有名な某タレントが、本当は「名誉ソムリエ」なのに、プロフィールにあっさり「ソムリエ」などと書いているのはどうかと思うのだが…。

まあタレントなんてそんなもんさ、夢を売る商売だしいいんじゃないの?という冷めた見方もあるだろう。しかし、公式プロフィールに掲載された資格をもとに仕事を発注することも実際あるのだ。「人に迷惑をかけるわけでなし、バレなければOK」みたいな感覚を許すことがあってはならないと思う。本人の申告を信用するしかない、そういう種類のものほど、ウソや間違いは厳しく批判されなければならないと思う。

Kendo2dan

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