元アスリートの顔/清原和博
スポーツ選手が引退して、しばらくしてテレビや雑誌に出ているのを見ると、丸くなったなあと思う。「トレーニングから開放されても食べる量は急には減らないから、多くのアスリートは引退後に太る」と聞いたことはあるが、見た目以上に雰囲気が「丸く」なっているものである。勝負師としての険しさ、目のギラつきが抜け落ちたと言おうか。最近は現役のスポーツ選手がトーク番組にもよく出て、けっこうチャラけた表情を見せたりもしているのだが、それでも引退後の柔和になった表情は別人のようである(そう思うと、引退前も後も一貫してニヤケイメージの新庄はある意味すごい)。
清原もまた、ビールのCMで険しい表情を作ってはいるが、なんとなくお芝居っぽいというか、もうすでに勝負の世界の人ではないのだなと思わせる別人ぶりである。ただ体格だけは一般人と並ぶと圧巻で、CMで手にした缶ビールもミニ缶に見えてしまう。広告主的にそういうところはOKなのだろうか、などと妙な心配をしてしまう私である。
そういえば最近夕刊紙で「スポーツタレント冬の時代」という記事を読んだ。たしかに一時期よく見た「元アスリート」のタレントを最近はあまり見ない。スポーツタレントは「かつての名選手」の肩書で呼ばれていることが多く、何かができるわけでもないのに中途半端にギャラが高いということもあるだろう。やはりタレントというのは「今できること」で仕事を得るべきであり、そういうスポーツタレントはちゃんと生き残っている。「過去の肩書」型スポーツタレントは、テレビに呼ばれるとしてもお笑い芸人と一緒にゲームをやらされるような、現役時代を知る者が情けなくなるような企画ばかりである。取り越し苦労だとは思うが、清原がそういうところに出るのは想像すらしたくない。
しばらく充電期間をおいて、清原はプロ野球の世界に指導者として戻る希望があるらしい。ぜひそうしてもらいたい。KKコンビと呼ばれた桑田とは監督同士で対決したいと言うが、私としてはひとつのチームで監督清原、投手コーチ桑田の姿を見てみたい。別に巨人ファンでもないのにそう思ってしまうのだから、彼らには所属チームを超えて気になる何かがあるのだろう。
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