スポーツ

2009年7月10日 (金)

元アスリートの顔/清原和博

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スポーツ選手が引退して、しばらくしてテレビや雑誌に出ているのを見ると、丸くなったなあと思う。「トレーニングから開放されても食べる量は急には減らないから、多くのアスリートは引退後に太る」と聞いたことはあるが、見た目以上に雰囲気が「丸く」なっているものである。勝負師としての険しさ、目のギラつきが抜け落ちたと言おうか。最近は現役のスポーツ選手がトーク番組にもよく出て、けっこうチャラけた表情を見せたりもしているのだが、それでも引退後の柔和になった表情は別人のようである(そう思うと、引退前も後も一貫してニヤケイメージの新庄はある意味すごい)。

清原もまた、ビールのCMで険しい表情を作ってはいるが、なんとなくお芝居っぽいというか、もうすでに勝負の世界の人ではないのだなと思わせる別人ぶりである。ただ体格だけは一般人と並ぶと圧巻で、CMで手にした缶ビールもミニ缶に見えてしまう。広告主的にそういうところはOKなのだろうか、などと妙な心配をしてしまう私である。

そういえば最近夕刊紙で「スポーツタレント冬の時代」という記事を読んだ。たしかに一時期よく見た「元アスリート」のタレントを最近はあまり見ない。スポーツタレントは「かつての名選手」の肩書で呼ばれていることが多く、何かができるわけでもないのに中途半端にギャラが高いということもあるだろう。やはりタレントというのは「今できること」で仕事を得るべきであり、そういうスポーツタレントはちゃんと生き残っている。「過去の肩書」型スポーツタレントは、テレビに呼ばれるとしてもお笑い芸人と一緒にゲームをやらされるような、現役時代を知る者が情けなくなるような企画ばかりである。取り越し苦労だとは思うが、清原がそういうところに出るのは想像すらしたくない。

しばらく充電期間をおいて、清原はプロ野球の世界に指導者として戻る希望があるらしい。ぜひそうしてもらいたい。KKコンビと呼ばれた桑田とは監督同士で対決したいと言うが、私としてはひとつのチームで監督清原、投手コーチ桑田の姿を見てみたい。別に巨人ファンでもないのにそう思ってしまうのだから、彼らには所属チームを超えて気になる何かがあるのだろう。

Kiyo

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2009年6月26日 (金)

アスリート起用はギャンブル

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ここのところいくつかのスポーツ雑誌で、「WBC後遺症」というテーマの記事が掲載されている。見事にV2を達成した日本チームであるが、その後シーズン入りしてから「本業」で主力メンバーの成績がふるわず、これはいったいどうしたことか、やはり3月の開催はムリがあるのか、という感じである。

WBCメンバーの広告起用でも明暗が分かれている。今、バンテリンやアクエリアスのCMに出ている松坂大輔など、シーズンに入ってからレッドソックスでのピッチングはパッとしないどころか、故障者リストに入るなど今年は散々。大枚はたいてCM契約してこれはないだろうと、広告主企業はガックリといったところだろう。せめてチームがプレーオフに出て、1回でいいから大試合で活躍してくれ、という思いではないだろうか。

いっぽう、やはりWBCの快投からすればシーズンは物足りないが、楽天・岩隈久志のすき家のCM効果は悪くなかったように思える。WBCからわずか1ヶ月でキャスティング・撮影・放送を敢行した超スピード作業と、キャンペーンそのものが短期だったことが勝因だろう。WBCでのMVP級(実際のMVPは松坂)のピッチングの勢いをCMに持ち込めた。

アスリートを起用したCMでもっともキレイな形は、契約している選手が活躍して歓声を浴びたスポーツ中継(もしくはスポーツニュース)直後のCMで、その選手が商品を持ってニッコリ笑ってくれることだろう。「マイナーで調整する松坂選手」のニュースの後で彼のCMが流れても苦笑しか出てこない。その点で成功しているのは宮里藍(三菱電機)、イチロー(ユンケル、エネオス他)、ダルビッシュ(サロンパス他)、朝青龍(ファンタ)あたりだろうか。

家電量販店のジョーシンは2003年に阪神タイガースのスポンサーになったとたん、チームがセ・リーグ史上最速でマジックを点灯させ、ぶっちぎりの優勝を果たしたということがあった。これにより同社の出店地域での存在感は一気に上昇、スポンサードの効果をこれ以上ないほど発揮した好例といえる。それまで数年の阪神の成績(98~01年最下位、02年4位)を見れば、まさに「万馬券」クラスの当たりを手に入れたと言えよう。

多かれ少なかれ、アスリートのCM起用は広告主にとってギャンブルである。一流選手といえども人間なので、調子の波はある。大型のCM契約を結んだことがプレッシャーになり、そのせいで実力を発揮できない者もいるだろう。そう考えれば、毎年当り前のように活躍して広告主企業に貢献しているイチローやダルビッシュは本当に凄いと思う。逆に、大会で優勝することもないのになぜかCM契約が引きも切らない浅尾美和というのは、不思議な存在だと思う。

Dicek

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2009年5月13日 (水)

愛されてる?/朝青龍

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最近行われたネットアンケートの「食事がおいしそうに見えるタレント」の上位は、1位石塚英彦、2位ギャル曽根、3位国分太一だったそうだ。うーん、そうだろうか。結局こういうアンケートは提示された選択肢から選ばれるわけで、そこに名前がなければランキングに入りようもない。フリーアンサ-なら、私は絶対に朝青龍を入れる。一昨年の「帰国サッカー事件」以降、CM出演はめっきり減ってしまったが、彼ほど美味しそうに食事をする人もいない。彼が手に持って笑うと、ただのそうめんやおにぎりでさえ何か特別なごちそうに見えたものである。

「不祥事」後にはバッシングを受け、一時期はうつになったとも言われる状態からよみがえったのが今年の初場所だった。見事に優勝を果たし、横綱の面目を保った。面白かったのはそのときのテレビの街頭インタビューである。朝青龍の優勝の感想を求められた通行人たちは、そろってうれしそうに「やっぱり彼がいなくちゃねえ」みたいなことを述べていたのだ。編集されたニュース映像をそのまま町の声と信じるほどウブではないが、しかし品格がどうのこうのと言われる割には、彼は結構愛されているなあと実感した次第である。ヒールとベビーフェイスが共存している、もし映画なら俳優はかなりの演技力が求められるキャラクターと言えようか。

そういえば、初場所のときに思い切った行動に出ていたのが日本コカコーラだ。ファンタのCMに朝青龍を起用し、開幕と同時にCM放送を開始したのである。実際のところ、場所前に朝青龍の優勝を予想した人は少なかった。どころか思うように勝てず負けが込み、そのまま引退するのではないかという声も少なからずあった。もし後者だったらCMは台無しではないか。そんな「後がない」力士をCMキャラクターにするというのは、大変なギャンブルである。そんなことができるのは、よほど肝が据わっているか、彼が優勝するのをタイムマシンで見てきたかどちらかであろう(こらこら)。

CMで朝青龍を起用した理由を述べる日本コカコーラのニュースリリースが面白い。ちょっと長いが引用する。
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「ファンタ」は、中高生を中心とするティーン世代からは、そのおいしさやポップな世界観から熱烈に支持されている一方で、昨今のヘルシーブームの中、お母さん世代からは炭酸飲料というだけでマイナスイメージを持たれがちです。でも本当の「ファンタ」は、「合成着色料不使用」、「ビタミンCたっぷり」「純水使用」と、いいことがいっぱい!そこで、「見た目や先入観で判断しないで!」「もっともっと『ファンタ』のことを知ってみて」「『ファンタ』って本当はいいヤツなんだ!」との思いを伝えるべく、一般的に思われているイメージと実際の中身にギャップがあるCMキャラクターを求めて試行錯誤した結果、朝青龍関演じる、モンゴルからきた留学生“ファン太郎”が誕生しました。
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ニュースリリースは企業の公式声明である。その中でファンタは「いいことがいっぱい!」としながらも「マイナスイメージを持たれがち」であることを認めてしまっている。普通そんなことはリリースには書かない。さらに朝青龍についても「一般的なイメージが悪い」と言っているようなものである。正直と言おうか何と言おうか、起用もそうであるがリリースでも「思い切った」ことをしている日本コカコーラである。

Fantaro

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2009年5月 9日 (土)

わずか一ヶ月で/岩隈久志

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楽天イーグルスの岩隈投手がすき家のキャンペーンCMに出ている。このCMにはいくつか驚いた点がある。

まず、岩隈の名前が出ない。HPと店頭のバナーには書いてあるが(それでも「僕は、岩隈」だけで野球選手ということは書いていない)、テレビCMはいきなり「すき家の牛丼って~」と自己紹介なしで始まる。思い切ったことをするなあと思う。いくらWBCで名前を売ったといっても、ユニフォーム姿でない彼の顔だけ見て「おっ、岩隈じゃん」と思う視聴者は決して多くないだろう。WBC期間中、このブログで「今後CMに使われそうなサムライJAPANメンバー」をあげたときも(⇒ キャスティング屋の見たWBC)、私は岩隈は入れなかった。活躍は十分インプレッシブであっても「全国」に引っ張りだすにはいまいちイメージが地味かと思ったからである。すき家のCMは「あの人だれだろう」とあえて思わせて注目させる意図でもあるのか…。私はおそらく制作者に「ありがちなスポーツ選手CMにしたくない」という意志があったのかなと想像しているが。

もうひとつ驚いたのは、岩隈が全国的に知名度を上げてからCM放映までの期間の短さである。WBCで日本が優勝したのが3月24日、岩隈のCMの放送開始が4月23日である。ぴったり一ヶ月!もしかしたら全国的に注目されてからCM放映されるまでの最短記録ではないか。Webなら分かるがテレビでこの早さは異例である。「旬にこだわる食品企業なら、今が旬の岩隈しかないっしょ!」と広告代理店の企画書に書いてあったかどうかは知らないが、彼の採用がほとんど即決であったことに疑う余地はない。しかも、この時期というのが凄い。たいていの場合、スポーツ選手のCM撮りはオフシーズンに行われるというのに、シーズン中もっともピリピリしているであろう開幕直後にCM撮りを行ったとは、広告代理店の機動力、ならびに楽天球団の対応にびっくりである。

あとは、右投手の彼が左手で箸を持って牛丼を食べていることや、HPにすき家が牛丼の店舗数で日本一だと書いてあったことにも「へー」と思ったが、このあたりはコネタである。やはりCMの「あえて名前やプロフィールを出さない作り方」、キャスティングで「全国区人気になってから起用までの早さ」には恐れ入った次第である。

Kuma

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2009年3月30日 (月)

日本版スポーツエージェント

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先週、プロゴルファーを多数抱えているスポーツマネジメント会社に連絡を取り、マネージャー(付き人的な「マネージャー」でなく、管理職の意味合い)の方に時間をいただいた。対応していただいたK氏は、「この人もプロゴルファーかな」と思わせる、スポーティーで精悍な印象(実際はプロゴルファーではなく、ゴルフはあくまで趣味だそうである)。ゴルフといえばやはり「ブルジョア」のスポーツである。「普通の体育会系」が多い他のスポーツマネジメント会社と違い、仕事がら大企業の重役と日常的に接しているだけあって、K氏は若いのに服装や身のこなしが洗練されていた。

実は、今回この会社にアプローチしたのは、少し前にプロゴルファーのキャスティングで苦労したからである。ゴルファーは芸能事務所などの「窓口」を持っていない選手が多く、出演交渉する際に個人宅に連絡をつけねばならないことがある。「苦労した」件も、クライアントの希望ゴルファーとなかなか連絡がとれず(実は海外の試合に参加していた)、結局成約しなかったのだが、ずいぶんと回答をお待たせしたという反省が残った。そこで今後同じことのないように、ゴルフの世界とのパイプを強化せねばと思ったのがきっかけである。

そのスポーツマネジメント会社は、ゴルファーとウチのようなキャスティング事務所やスポンサー企業との橋渡しを業務としているが、そればかりでなかった。選手もまたクライアントであり、彼らの健康管理や生活設計(税理士をあっせんして税金の相談に乗ったり)のサポートもしているのである。このようなことは欧米のスポーツエージェントではよくあるが、まだ日本では多くないのではないか。実は、その会社の創業者は有名プロゴルファーである。おそらく自らが必要だと思うサービスを実現したのだろう。

今は誰と話しても「景気はどうですか」みたいな会話になりがちなのだが、K氏によればこの会社もじわじわと不況の波を感じているとのこと。昨年秋以降、プロアマのコンペのいくつかが中止になったそうだ。そのようなこともあり、この会社がマネジメントしている選手を集めて近々大会を主催するという話を聞かせてくれた。大会名に企業名を冠する、いわゆるネーミングライツも売るそうである。最後には「スポンサーを集めてくださいね」と、営業されてしまった。そういうわけで、ゴルフで企業のイメージアップをお考えの方、ご関心おありでしたらぜひご連絡ください。

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2009年3月22日 (日)

天才の受難/イチロー

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実は前回WBCネタを書いている中でイチローについて一言書こうと思ったのだが、一回分の長さになりそうだったので、今回改めて独立したエントリにした。

いやはや大衆というのは怖いものである。WBCでいまひとつ調子が上がらないイチローに対して厳しい声が聞かれるようになった。最終ラウンドに残れたから良かったものの、敗退していれば間違いなく「戦犯」扱いだろう。昨夏、五輪で結果を出せなかった星野監督を叩きのめした「世論」が、今はイチローに牙をむいている。

「危機」の兆候は実は1~2年前からあった。スポーツ専門誌が伝えるメジャーリーグ情報の中で、イチローがシアトル・マリナーズ内で孤立しているという記事がちらほら見られたのだ。チームメイトはイチローのことを「チームの勝利よりも自身の記録を優先している」と思っており、なんと彼を快く思わないチームメイトによる「襲撃計画」まであったと報じられていた。私はメジャーリーグに関しては「マニア」を自称している人間であるが、過去にチームメイトに「襲撃計画」を立てられた選手など聞いたことがない。当然といおうか、マリナーズ広報はこの話をデマとして認めていないが、やはり「火のないところに」ではないか。「非の打ちどころのない」は「面白くない」に転化しやすいのである。

そして今回のWBCの不調。もちろん日本のマスコミ、および日本のファンは彼が今「自身の記録しか考えていない」とは思っていないだろう。だが、彼を補ってチームを勝利に導く青木や村田らの活躍を見て、「もうそろそろイチローでもないんじゃないの?」と思い始めた者がいてもおかしくはない。

CMキャラクターとして比較してみると、同じメジャーリーガーでも昨年引退した野茂英雄とイチローはまったく違う。野茂もまた「チームプレイヤー」の印象の薄い「孤高」イメージの選手であったが、彼に対するファンの目は優しかった。何度も挫折して表舞台から消え、そのたびに復活する姿にファンは自分を重ねることができた。野茂がCMに使われる際のキーワードは「夢」である。イチローはそうはいかない。本人は否定するだろうが、(一般人から見れば)大きな挫折もなく栄光の階段を上り続けている圧倒的な存在である。キーワードは「プロフェッショナル」もしくは「パーフェクト」だろうか。

五輪で敗退後、あれほどテレビにCMに引っ張りだこだった星野監督はほぼテレビ画面から消えた。そのありさまはまるで「なかったこと」にされたような怖さを感じたものである(そのことをブログにも書いた ⇒ こちら)。今回、もしWBCの決勝ラウンドでイチローが活躍できなかったらどうなるだろう。彼のCMが一斉にテレビから消えるようなことだけは勘弁してほしいのだが。

Ichi

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2009年3月20日 (金)

キャスティング屋の見たWBC

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キューバを下して準決勝進出を決め、WBCが大盛り上がりである。普段「敵同士」のプロ野球選手たちが同じユニフォームを着て戦うという少年ジャンプ的な展開は、だれしも胸躍らせるものである。あとはもう少しアメリカの選手(及び所属球団)がやる気を出せば言うことはない。

ところで、サムライJAPANの面々には広告キャラクター契約をしている者がどのくらいいるだろう。メンバーは全員で28人(村田修一離脱後に栗原健太が召集されてるので延べ人数では29人)いるわけだが、各選手の広告・CM出演状況を調べてみた。結果、ローカルCMまでくまなくチェックしたわけではないが、過去も含めて広告出演の経験があるのは8人(所属球団のPR的なもの、およびスポーツ用品会社のアドバイザー契約は除く)。意外に少ないか?列記すると次のようになる。

◆ダルビッシュ 有 (日本ハム)
 エアサロンパス、ダイドーD-1コーヒー、セイコーブライツ、タカラ缶チューハイ 他

◆田中 将大  (楽天)
 オロナミンC、はたちの献血 

◆松坂 大輔 (レッドソックス)
 アサヒビール、アクエリアス 他

◆藤川 球児 (阪神)
 ジョーシン(大阪の家電量販店)

◆城島 健司 (マリナーズ) 
 福岡銀行、ベスト電器 他

◆川崎 宗則 (ソフトバンク)
 西日本鉄道、タカミヤ(釣り用品)、ゲータレード、日本防炎協会、ソフトバンク 他

◆福留 孝介 (カブス)
 メナード青山リゾート(ラジオCM) 、アーレックス(名古屋の建設会社)

◆イチロー (マリナーズ)
 エネオス、NTTコミュニケーションズ、日興コーディアル証券、日産スカイライン、
 ユンケル、一番搾り 他

やはりダントツ人気はメジャーでもトッププレイヤーのイチローと、モデル並みルックスのダルビッシュである。この2人に加えて松坂、田中マー君が「野球界の全国区タレント」ということになろうか(今回参加しなかったが松井秀喜もそうだろう)。藤川、城島、川崎、福留の契約の多くは所属球団の地元企業で、CMもほぼ地域限定である(城島の「実績」はホークス時代から続いている)。今後「全国区」に出世しそうな選手は、この中ではやはりルックスのいい川崎だろうか。

イヤラシイ見方かも知れないが、WBCは日本のトッププロでありながら知名度が高くない選手にとって絶好のアピール機会である。キャスティング屋の目から見ると、大活躍している青木宣親、アイドル的な売り出しができそうな中島裕之、いかにもサムライの村田修一あたりは、今後CM契約のオファーが来そうな気がする。WBCを機にどれだけ彼らが全国版のニュースに取り上げられるようになるかがカギだろう。

それはそうと。最近はスポーツマネジメント会社と契約している選手が増えており、WBCメンバーではダルビッシュ、田中、涌井、岩田がそうである。スポーツ選手のキャスティング交渉でいちばん苦労するのが「窓口がない」ケースであり、その際は関係筋からたどっていくという面倒な手続きが必要になるのだが、マネジメント会社という「窓口」を持っていてくれると労力は10分の1くらいで済む。キャスティング会社的には非常にありがたい傾向である。

Kawasaki

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2009年2月28日 (土)

現役アスリート起用の難しさ

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現在進行形のキャスティングで、ちょっと苦労している。クライアントからの要望は「ホームページにスポーツ選手のインタビューを掲載したいので、選手のキャスティングを依頼したい」。と、そこまではいいのだが、「現役選手で」の条件付きなのである。

現役スポーツ選手は何かと広告出演に関して難しい点が多いのだ。要約すると次の3点になろうか。

1.オリンピック選手は協会の規制が多い

今回、クライアントが第一希望にあげたのは昨年の北京五輪に出場したA選手。マネジメント会社に問い合わせてみたところ、先日、A選手はオリンピック協会の「シンボルアスリート」に指名されたとかで、広告契約は見合わせるよう協会から指示が出ているとのこと。じゃあいつ広告解禁になるのかと聞くと、マネジメント会社さえ「分からない」。オリンピック選手のギャラは強化費用に充当するため協会が仕切ることが多く、広告出演は選手の自由にならない場合が多いのである。

2.アマチュア選手の多くはサラリーマン

ほとんどのオリンピック選手は企業に所属しているサラリーマンである。したがって、会社の許可なしに他社の広告への出演はできないわけだが、基本的に彼らは所属企業のイメージキャラクターみたいなものである(ALSOKの井上康生他のCMが分かりやすい例)。選手の所属企業にとって、他社の広告に協力するのはそもそも想定外と思ったほうが良い。

3.プロアマ問わず、シーズン中は競技に集中

ならばプロなら良いかというと、たしかに実業団選手よりは実現性は高いが、シーズン中はまず無理。言うまでもなく、スポーツ選手は試合のない日もトレーニングをしている。試合が近くなると、試合の日にコンディションをピークに持って行くべく、生活すべてを本番に合わせて体調管理しているのである。「ちょっとくらい時間をくれたっていいだろう」というのは部外者の理屈。シーズン中に対応するのはせいぜいスポーツ新聞や雑誌の取材くらい。現役プロスポーツ選手の広告出演や撮影は、ほとんどシーズンオフに行われているのである。よって、スポーツ関係者をお望みならば、現役を引退して評論家となったスポーツタレントをお薦めしたい。彼らは「出ること」が仕事なので交渉もしやすい。

と、ご説明したのだが、クライアントはあくまで現役選手のアイデアを捨てきれないご様子。候補者のリストまで出してこられたので、仕方なく交渉したが当然オールNG。どうしてもとおっしゃるなら、今からプロ選手のオフの予約をとっておくか、今がオフのスポーツを探すしかないですよ。

Medalists

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2009年2月10日 (火)

もはやCM王子/石川遼

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ハンカチ王子だのぽっちゃり王子だのハンドボール王子だの、やたら盛り上がった「王子」ブームも一息ついたといったところだろうか。石川遼ももうハニカミ王子とは言われない。もちろん言葉の賞味期限が過ぎたこともあるが、彼自身、いっときのアイドル扱いがそぐわなく感じるほど、短期間で大きく成長した感がある。

「本業」のゴルフの活躍もさることながら、次々決まるCM契約は勢いが衰えない。トヨタ、ANA、コカコーラ、ドコモと、世間は百年に一度の大不況であろうが、彼の周囲にはまったく無関係である。マスターズの出場も決め、そうなるとテレビ放映をはじめ、さまざまなところで彼を追いかけてお金が動くことになる。彼は広告業界の救世主でもある。

スポーツタレントの価値は、もちろん本業の成績が前提にはなるのだが、インタビューでどれだけ「らしさ」を出せるかが大きなポイントだと思う。同じゴルフの宮里藍などは、まったくそつのない受け答えをするが、そつがなさ過ぎて面白くない。あそこまでいくと、ひとつくらい失言くらいしてもらいたくなるのが大衆というものである。その点、遼クンは感情に左右されるタイプのようで、嬉しさ、悔しさを結構ストレートに表に出す。こういった「人間くささ」も彼の好感度につながっていると思う。スポーツ選手としては未熟なのだが、それも含めて彼の魅力なのだ。

最後にひとつこぼれ話。彼は全国信用金庫協会のイメージキャラクターも務めているが、これは彼の父親が埼玉県の信用金庫に勤務している縁である。たまに旬のビッグネームが地味な会社(団体)の広告に出ていることがあるが、たいてい似たような事情があるようだ。料金もおそらく「身内割引」が適用されているのではないかと思う。

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2008年12月24日 (水)

管理職のアイドル/野村克也

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数日前のネット系ニュースによると、プロ野球・楽天イーグルスの野村克也監督は「オフは毎日バイトに精を出している」そうである。バイトとは講演のこと。野村監督の講演の面白さは定評があるので、オフは引く手あまたである。監督の講演のポイントをまとめると、次のようになるだろうか。

1.鋭い人間観察

「野球のポジション別性格診断(元ヤクルト古田がサンプル)」「部下の個性に合わせた指導(元阪神新庄がサンプル)」はオハコのネタ。面白エピソードを紹介しながらちゃんと「管理職とは」というテーマに帰結させる展開はお見事。「軸がぶれない」から合い間の雑談が生きる。

2.テレビでは聞けない「ここだけの話」

聞いて帰った人が思わず他人に話したくなるようなネタが一つ二つ必ずある。しかも風呂場での話や女性関係の話など、テレビではまず出ない話題を固有名詞付きで披露してくれる。これはお得感がある。

3.講演地に配慮したアレンジ

関西では阪神の監督時代の話を入れる(もちろん選手の固有名詞付き)など、オーディエンスに対する気配りも忘れない。

4.「自分は二流である」という謙遜

言葉上は謙遜しながらも、スポーツ関係者の話は往々にして「武勇伝」になりがちである。野村監督はこのあたりの抑制がじつにうまい。自分は王・長嶋に比べれば才能で劣る、だから努力した。努力だけで足りないのでデータにこだわった、という展開である。

5.精神論はほどほどに

監督が呼ばれる場はおもに管理職セミナーであるから、いくら笑いを取っても「勉強になった」実感がなければオーディエンスは満足しない。そこで(かどうかは推測であるが)、精神論はほどほどにしてデータの使い方や具体的な指導法を話のメインに据えている。聴講した管理職が会社から「レポートを出すように」と命じられたとしたら、非常に書きやすいと思う。

こんな感じだろうか。野球の世界では本人いわく「月見草」だそうだが、講演の世界では立派にスーパースターだと思う。なお、講演を勝手に録音してテープ起こしをする、さらに印刷して配布するという行為は本来「ダメ、ゼッタイ」である。下手をすると賠償を求められるのでご注意を。

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2008年11月30日 (日)

学校のイメージキャラクター/古田敦也

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いろいろな会社にイメージキャラクターのタレントを提案していて、苦労するのは「なぜそのタレントがイメージキャラクターにふさわしいのか」の理由付けである。予算とか競合とか諸事情を考慮して「NG」のタレントを除外したとしても、タレントは何百人といる。その中からたった一人を選ぶのであるから、そこには何らかの戦略や意図があるはずである。それを考えるのが企画というものだろう。

しかしこれがなかなか難しい。海外で事業展開している企業に国際的に評価されている俳優やスポーツ選手を選ぶというのは分かりやすいが、提案する企業にこれといって特徴がない場合は苦しい。その点、学校は考えやすい。卒業生に有名人がいれば、その人をイメージキャラクターに推すことに余計な説明はいらないではないか。

京都の立命館大学は、卒業生で元東京ヤクルトスワローズの古田敦也を広告に使っている。露出は駅貼りポスターとホームページだけなので、全然気づいていない人もいるかも知れない。しかし古田のような卒業生がいてくれたら、大学も助かるだろう。基本はスポーツ選手であるが「野村ID野球の申し子」として知的イメージも高く、人間的にも面白い。さらに労組の委員長としてリーダーシップを発揮した経験もある。大学のイメージリーダーとしてはこれ以上ないパーソナリティである。むしろなぜ今まで立命館が古田を使ってプロモーションしてこなかったのか不思議なくらいである。

学校の卒業生キャスティングに有利な点はまだある。まず第一に「実質的に競合が少ない」という点。たとえば古田であれば、他の大学がイメージキャラクターに使うことはまずありえない。契約後に別の大学に使われて、せっかく構築したイメージが崩されるという心配がない。第二に(これは想像であるが)、母校からのオファーであれば、タレントは比較的OKを出しやすいのではないか。ギャラもそれなりに柔軟に対応してくれそうな気がする。そして第三、契約が終わった後も「卒業生」という事実は変わらない。ということは永遠にイメージキャラクター契約が続くようなものである。とくにクイズ番組などで「○○大学出身」とテロップを入れてもらえるならば、これはかなり強力なパブリシティである。

言うまでもなくこれからは子供がどんどん少なくなり、学校間の生徒獲得の競争は激しくなる一方である。意識的な学校(多くは専門学校)は、オーバーでなく「生き残り」をかけて、企業並のマーケティング戦略をもって生徒の獲得をはかっている。

Fa

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2008年10月23日 (木)

夫婦CM/北斗晶・佐々木健介

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人気のあるタレントが一般人と結婚するという話を聞くと、もったいないなあと思う。芸能人同士で結婚したなら夫婦で広告にキャスティングされるチャンスが増えるからだ。いや別に、結婚とは仕事を増やすためにするわけではないだろうし、そういう言い方は嫌われるかもしれないが、まあ商売柄である。あるいは、某大手広告代理店の社員と女優の結婚例が多いことに、多少ひがみが入っているのかもしれない。ああ、言わなくてもいいことを。

夫婦ニコイチで広告によく起用されている有名人というと、ジャガー横田と木下医師(本来一般人だがもはや芸能人)、あるいは北斗晶と佐々木健介だろうか。ともにプロレス関係だが、前者は「インパクト」、後者は「ほのぼの」と、持っているイメージは結構違う。思い起こせば当初は北斗も「鬼嫁」を前面に打ち出していたが、最近はさほどそっちの顔は出していない。もしかすると似たキャラクターのジャガーに対して、北斗は別ベクトル(意外に可愛い)のほうが有利だと考えたのかも知れない。

プロレスラーだからセリフも演技も下手で当然なのだが、北斗夫婦の「トヨタ3年ぶんくださーい」は、佐々木の棒読みぶりまで含めて不思議な味を出している。佐々木が必死で長いセリフを読んでいる横での北斗の心配そうな顔や、佐々木がセリフを言い終わった後に照れてしゃがみ込むところなど、絶対にシナリオではないだろう。俳優の夫婦の笑顔は「作った」ようなわざとらしさがたまに漂うが、北斗夫婦の笑顔は本物に違いない。最近影が薄くなったジャガー夫婦とは対照的に、こちらはまだまだ夫婦モノCMの出演依頼が来ると思う。

Zanka

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2008年8月26日 (火)

リベンジはあるか/星野仙一

いやはや「てのひらを返す」とはこのまさにこのこと。オリンピック前に星野監督を批判する声など皆無であった。だれもが金メダルを持って帰ると信じて疑わなかった。勝負は水モノだし、もしかしたら金はダメかも知れないと思った人の中にも、まさかプロ選手を集めた日本野球チームがメダルなしで帰ってくると予想した人は多くないだろう。

アスリート(監督含め)は、ある日突然評価が180度ひっくり返ってしまうことがある。理屈では十分に分かっているつもりであるが、実際に「名監督」がたった数日間で「国賊」同様に罵られる様を目の当たりにすると結構ショックである。「そもそも星野では無理」などと今さら言える評論家の神経にも驚く。それも含め、昔から日本人はこんなに個人攻撃をする国民だっただろうか。なんだか悲しくなる。

オリンピックの期間中、あれほどしつこく放送されていた星野監督のCMはまったくなりをひそめ、当然星野監督の顔を見ることもない。そういえば、食品会社が星野監督と全日本チームの田淵、山本両コーチをCMに使っていた。そのCMが、食品会社のHPの「CMギャラリー」にないのである。前からあったのが消されたのか、もとからなかったのかは分からないが…。某社の「星野レポート」も見当たらない。気になって他のスポンサー企業も見てみたら、エネオスはちゃんと出している。良かった。イメージキャラクターということで一度支持を表明したなら、不祥事を起したのでもなければ、スポンサーは周囲の評価に関係なく支持するべきではないかと思う。

一気に悪者になった星野氏だが、来春のWBCの監督は引き受けるのだろうか。だとすれば、また同じようにいろんな協賛広告に登場するのだろうか。果たしてそれで商品が売れるのか、企業のイメージアップにつながるのかと考えると、スポンサーの心境も複雑だろう。

Eneos

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2008年8月14日 (木)

アスリートの役割/北島康介

いや、北島、あっぱれである。あれほど「金」のプレッシャーをかけられながら現実にレースに勝ってしまうのは凄いことだと思う。とてつもなく強靭な精神力の持ち主なのだろう。おそらく彼をイメージキャラクターに使っているTBCの広告担当者のほうが、レースの本番では緊張していたのではないか。

アスリートをイメージキャラクターに使うというのは、ある種ギャンブルである。普通の芸能人ならば変な事件を起こさない限り(不倫とか失言とか)世間の評価は大きく変わらないが、アスリートの場合は契約後に調子を落としたり、故障してプレーできなくなることもあり得る。そうなったらスポンサー企業も大々的に「当社は○○選手を応援しています」とは言いにくくなるし、全然イメージアップにつながらない。もちろん契約書の中には不測の事態の損失を補填する条項はあるだろうが、いろいろな面で企業にダメージであることは否めない。

いっぽう、アスリートのイメージキャラクター起用による企業のメリットは、マーケティング以外のところで発揮されるものもある。広告主企業の社内が「一つ」になるのである。オートスポーツをスポンサードしている某企業では、大きな大会があるごとに、自社のロゴマークをつけたチームを社員一丸となって応援している。

企業の実業団チームも、健康増進などの大義名分はあるにせよ、もっとも大きな目的は自社の名をあげること、それによって社員の心を一つにすることではないか。最近は実業団チームの廃部が相次ぎ、企業スポーツは年々縮小している感があるが、ならば、その役割をイメージキャラクターの選手に託すのはどうか。そのように考える企業が現れて、アスリートとのスポンサー契約が一件でも増えてほしいと願う。

そんなことを考えていたら、北島引退のニュースが聞こえてきた。いっぽうで体操の新「王子」内村クンはフレッシュでいいなあ、などとキャスティング候補者の物色にいそしむオリンピック期間である。

Kita

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2008年7月23日 (水)

スポーツ人脈/松木安太郎

前に「広告とはいえ多重債務者の役のオファーを受けた俳優は迷っただろう」と書いたことがあるが、それよりも迷うのはカツラや増毛の広告だと思う。前者はしょせん「役」であるが、後者はその後ずっと「ズラタレント」のレッテルとともに生きていく覚悟が求められるのだ。迷うなというほうが無理であろう。

「編込み式増毛」のスヴェンソンの新しい広告キャラクターは、サッカー解説者の松木安太郎氏である。関係者から聞いた裏話では、やはりキャラクター選びは難航し、松木氏に至るまでそれなりの苦労があったそうだ。

こういった商材のキャラクターはとにかく明るさが一番のポイントだと思う。「商材に関心がある」ものの「不安で注文に踏み切れない」人の背中を押すのが松木氏に期待される役割である。その意味では、なかなかベストに近いキャスティングではないか。ただ松木氏はとくに頭が薄かったイメージもないのだが…。まあいいか。

松木氏は同社サイトのブログに登場する一方、ムービーで施術の様子まで公開し、まさに「カラダを張って」商品のPRに務めている。(ただこのサイトはクリックさせられる回数がやたら多く、これでは目的のページに到達する前に離脱されてしまう可能性が大きい。せっかく力を入れているのだから改善すべきであろう)

ちょっとしたトリビアを披露すると、スヴェンソン社の兒玉社長は元卓球の日本代表選手で、日本卓球協会の理事を務める人物でもある。その縁でオリンピック代表の男子卓球2選手が同社に所属しており、またかなり前になるが卓球が趣味のアートディレクター、浅葉克己氏が同社の広告を作っていたことがあった。

兒玉社長は卓球を通じて在日ドイツ商工会議所のメンバーと知り合い、ドイツ生まれのスヴェンソンの日本代表になった経緯がある。スポーツ界は人間のつながりを何より大事にするというが、今回の松木氏の起用も社長のスポーツ人脈が機能したことは想像に難くない。

Svenson

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2008年7月11日 (金)

語らない男/ダルビッシュ有

その昔、長髪の野球選手など、マンガの世界にしかいなかった。現実に野球帽の下から長い髪がのぞく選手を見るとしたら、草野球チームのアンちゃんか、もしくはジャニーズの野球大会くらいだった(ジャニーズは昔からスポーツ好きである)。

厳密には、プロ野球の長髪選手も皆無であったわけではない。ロッテにいた水上というショートストップが、ある年、初夏まで耳が隠れるくらい髪を伸ばしていたことがあった。が、おそらく批判も多かったのだろう、いつの間にか普通に戻っていた。そもそも水上はロッテのレギュラーではあったが、中心選手というほどではなかった。だから、長髪で男前のダルビッシュが日本ハムの、というか全日本チームのエース級の実力者であるというのは、ワタシのような古い人間にとっては現実がマンガを超えてしまったかのような不思議な感覚なのである。

もともと日本企業はアスリート好きであるから、ダルビッシュもさぞ広告のイメージキャラクターに引っ張りだこになるかと思ったが、やはり現役選手だけにセーブをかけているのだろう、彼を使った広告はそれほど多くない(ちなみにマネジメントはエイベックス)。その彼の最新作はセイコーのリストウォッチ、ブライツである。彼のトレーニング風景がモノクロで映し出され、セリフが赤い文字でかぶさる。黒と赤は商品のコンセプトカラーでもある。

うーん、しかしである。なんというかこのCMのコピー、好きじゃない。
「根性とか気合なんてまったく関係ない。技術がすべてだと思う」とか。
「試合内容は振り返らない、後ろを向いて前を走れないから」とか。
彼を「新しいタイプのヒーロー」として持ち上げたいのだろうが、そのセンスがちょっと古いんじゃないか。彼のインタビュー記事などを読んで思うのは(若さゆえの)「怖いもの知らず」か、記録より勝ちにこだわる「プロフェッショナル」といったところであろう。正直あまり知性は感じない、と言うと誤解があるか。言葉でなくプレーで語るタイプということにしておこう。だから広告キャラクターとしては、口の達者なイチローよりも寡黙な(インタビューが面白くない)松井秀喜に近いと言える。意味ありげな「深い言葉」は彼には似合わない。

それと、セイコーのCMでもそうだが、彼は他のCMでも顔を出すだけでしゃべらない。やはりあの顔で「しゃべると関西弁」というのはうまくないのか。彼の「関西弁CM」を最初に作る企業はどこだろう。密かに注目している。

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2008年7月 5日 (土)

得難い資質/室伏広治

特に意図しているわけではないが、取り上げるタレントが女性に偏っているようなので、今回は男性にする。日本企業の男性キャラクターにははっきり傾向があって、アスリートが非常に好まれている。少し前に週刊誌が特集した「広告担当者が仕事をしたいタレント」のランキングでも、男性のベスト10のうち5人はプロスポーツの選手であった。

やはりアスリートの健全、健康なイメージは企業に好まれるということだろう。あるいは広告主企業の責任者がファンである、といった単純な理由もなくはないはずである。とくにゴルファーの場合はお近づきになって一緒にラウンドしたいという下心もあるはずだ(その対象には女性ゴルファーも含まれるが)。

FedExのイメージキャラクターは、一昨年からハンマー投げの室伏広治である。室伏に対する個人的な印象は「ほんとに人間か」である。Wikiを見ても「握力は測定不能」とか書かれているし、一般人の目に映る彼はアスリートというよりもサイボーグとかターミネーターの類ではないだろうか。だから中国キャンペーンのリドリー・スコットSFタッチのCMもまったく違和感がない。彼は気合を入れたら空くらい飛びそうである。

彼を広告に使うなら、思い切り人間離れした能力を発揮してもらうか(CG可)、オロナミンCのCMみたく少々間抜けな横顔を見せてもらうのがいいだろう。もちろん体格がいいのでアパレルの広告も悪くない。フォーマルウェアとか超高級ブランドのスーツが似合いそうだ。何より彼はただの男前ではなく、持っている空気がゴージャスなのである。俳優やモデルが苦労しても身につけられないものを自然に持っているという、そちらの世界でも彼は逸材であると思う。

Fedex2

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2008年6月21日 (土)

関西ローカル/T・オマリー

関西のローカルCMが好きである。あまり(というかほとんど)知性は感じないが、ワシらはこれしかないんや!という、立ち位置のはっきりしたところがイイ。「阪神甲子園球場には駐車場がないので電車でおいでください」という告知CMは、当然甲子園に車で来られる範囲にしか放映されていない「どローカル」CMである。

CMには、阪神OBのオマリー氏(スポーツ選手は引退すると「氏」がつくのだ)、そして今二軍にいるのかどうしているのか知らないが助っ人ボーグルソン投手の美人嫁が英語教師役で登場。なんとお手軽な!しかも二人は別々に撮影されており、甲子園の画像に組み合わされているだけである。せめて球場に行けよ!しかし、このあまりに少ない製作予算と過剰なまでのサービス精神こそが関西ローカルCMの真髄なのだ。

ボーグル嫁がわざわざ英語でしゃべる告知メッセージをオマリー氏が日本語(もちろん関西弁)に訳してくれる。ほとんどカンペ棒読みであるが、照れもてらいもない、ノリノリである。おそらく英会話教室のパロディのつもりだろうが、正直なんだかよく分からない。完全に阪神ファン向けのCMである。阪神ファン以外には何の感動も呼ばないが、しかし阪神ファンには感涙モノのシナリオと言えよう。関西人の「感涙」は「笑いすぎて出る涙」とほぼ同じであるが。

Kosien

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