100人CMの舞台裏を想像する
資生堂の新CMが話題になっている。ビキニの水着美女が100人、海辺を走ったり泳いだり、すさまじいインパクトである。そりゃあ話題にもなるだろう。この迫力を無視できる男はなかなかいないと思う。とにかく大勢出ているのでだれがだれだか分からないが、若い女性の「ピッチピチ」のエネルギーは十二分に伝わってくる。男に伝わっても仕方ないかも知れないが。
キャスティング屋としてこのCMを見て考えてしまうのは、その舞台裏である。ロケはハワイだったそうだが、100人分の往復航空機料金はいくらだろう?とか。いや100人ということはない、スタイリストやメイクさんも1人や2人ということはないだろうし、それぞれのモデルのマネージャー、カメラクルー、それに立ち会いのスポンサーや代理店の関係者もいる。通常、CMの撮影現場には直接撮影に関係しない人間がなんやかやいるものなのだ。ならば、今回の宿泊やロケ弁はいったい何人分が必要だったのだろう?さらに撮影機材(メイキングでクレーンが映っていたがさすがにアレは現地調達だろう)はじめ、100人分の衣装や小道具も相当な量があったはずだ(CMをよく見ると「RUN RUN RUN編」ではギターを持って走っている女の子がいる)。これはもう、ちょっとした学校の修学旅行なみの大移動だったのではないか。
私が関わるキャスティングで撮影がある場合は、もちろんほぼ国内ということもあるが基本「現地集合」である。キャスティング会社が足を手配することはまずない。好きな方法で来てもらって、交通費は別にお支払いする。たまにエキストラなどでまとまった人数を手配するときなど、コーディネーターに自分の車(芸能関係の会社はたいていミニバンを持っている)に乗せてきてもらうくらいである。
撮影現場でのこまごました仕事を仕切るのは、ほぼ広告代理店の制作部隊である。彼ら、彼女らの働きぶりは凄い。モデルの出入りの確認、撮影の記録、ロケ弁の手配などはもちろんのこと、カメラマンに「そこのベンチ邪魔」と言われれば重い鉄製のベンチをひきずってどかし、近所の奥さんが何をしているのかと出てくれば「お騒がせしてすみません」と頭を下げ、足りない備品があればコンビニが1km先でも走って買いに行く。ホームページの中の「CMメイキング映像」などには現れないシーンが現場には山ほどあるのだ。現場スタッフの細やかに神経を使いながらの重労働は、真似をしろと言われても私などには絶対無理である。
資生堂の今回のCMの場合、さすがに100人ものモデルを投入するのであれば、宿泊や移動は旅行代理店を動員しただろう。それでも100人の多くは初めて顔を合わせる間柄だろうし、限られた時間で撮影を完了するべく、段取り良く全員を動かすには相当の苦労があったはずである。このような企画を現実にした制作スタッフ、およびスポンサー企業の太っ腹ぶりに敬意を表したい。
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コメント
こんにちは。トラバさせていただきました。
100人ものモデル撮影の舞台裏、
ちょっと想像するだに恐ろしいものがありますね。
でも関わったスタッフは大変でしょうけど、
のちのちちょっとした語りぐさにはなりそうです。
投稿: シノブ | 2009年8月 4日 (火) 12時09分
シノブさま
TBありがとうございます。資生堂100人CM、メイキング映像を見ると意外にモデル以外の人間が少ないように見えますが、いやいや、カメラに映らないところに大勢わんさかいると踏んでます。ほんと「気まぐれコンセプト」の世界ですよ。
投稿: jealousguy | 2009年8月 4日 (火) 12時26分