「家電俳優」考/細川茂樹
細川茂樹が家電に詳しく、投資の専門知識を持っているということを世間に認知されたのはいつ頃だろう。30歳を過ぎて仮面ライダーに抜擢されたときにはもう知られていただろうか。恥ずかしながら私にとって細川茂樹という俳優はまったくノーマークであった。イケメンで、特殊な分野に通じており、ブログも書ける。これほど広告に使いやすいタレントだったとは知らなかった。
すでに「家電芸人」、じゃなかった「家電俳優」としての仕事もあり、日経トレンディで家電をレビューする連載を持っている(といっても彼が書いているのではなく取材記事ふうの読み物)。誌面では「熱血バイヤー」の肩書きを奉られおり、扱われ方も何となく松岡修造的である(持ち上げられつつどこか扱いが軽い)。最近ではアメブロのタイアップ企画があり、こちらではNECのパソコンをPRしていた。自分の言葉で蘊蓄が語れるので、家電会社が主催するトークショーなどにも呼ばれているようだ。
「家電俳優」は企業にとって使いやすい。我々もキャスティングしやすい。しかし「生き方」としては意外にしんどいのではないかと思う。どうしても「企業のPRマン」臭くなるからだ。多くの人は広告など嫌いであり、だからユーザーの感想や、一家言ある人の話を聞きたがる(そしてできれば「けなし文句」を期待している)。もし「家電俳優」が話す内容に企業の宣伝臭さが感じられたら、だれも耳を傾けなくなるだろう。
そうならないためには、やはり自分なりの評価軸を打ち出すべきで、「メーカーはこういう考えかもしれませんけど、僕はダメですね!」と切り捨てるくらいでないといけない。しかし、家電メーカーといえばドラマやテレビ番組の大スポンサーである。タレントは足を向けて寝られない。当然おいそれと悪口を言うわけにいかず、「スポンサーの期待通り」の発言に終始してしまう・・・、というストーリーが浮かぶ。
家電メーカーにすりよればファンが離れる、ファンを楽しませようとするとメーカーに睨まれる。というのが、私の考える「家電俳優」のしんどさである。細川がどうなのかは、実はまだ彼の仕事をあまり知らないので、コメントは差し控える。いずれにせよ、タレントの価値を決定するのは一般人である。「家電俳優」の肩書が一般人よりも企業に重宝がられているようでは、あまり寿命は長くないようにも思う。
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