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2008年12月

2008年12月26日 (金)

いじられ役/沢村一樹

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初めて沢村一樹の別名「エロ男爵」を聞いたとき、なんだか妙な気がしたものである。沢村がトーク番組などでポロッとHな話をするのを聞いたことがあるが、同じ男として見れば「よくある程度」の話であるし、もっと「エロ」なタレントはいくらでも思い浮かぶ。それほどエグイ話題でもないし…。本人としても戸惑っているのではないだろうか。トーク番組で「エロ」を期待するような振り方をされて、無理に応えようとしている様は何となく気の毒ではある。

とはいえ、それで知名度が高まったのだから結果オーライと言えばそうだろう。谷原章介のときにも書いたが、日本の二枚目俳優には「男前」以外の付加価値が必要なのだ。それが「エロ」というのは本人として忸怩たる思いがあるとは察するが、ほかに取り柄がなければ仕方がない。鉄道ファンとか建築マニアとかカメラ好きとか料理名人とか、その手の番組で呼ばれるような趣味を育ててこなかったほうが悪いのである。

ただ「エロ」とは言われても「女たらし」と思われていないのは、救いと言えるかも知れない。決して不誠実なイメージではないのだ。かといって「男らしい」とか「頼りになる」というわけではなく、「始終女の子のことばかり考えているが、それほど積極的には行動できない、どちらかといえばヘタレ男」であり、とりあえず女性を傷つけることはないだろうというくらいの誠実さである。そのあたりを「可愛い」と感じる女性ファンもいると思うが、「頼りない」印象が強いだけに、企業のイメージキャラクターはちょっと厳しいだろうか。やはり彼は和田アキ子とか紳助といった「いじめっ子」にいじられて存在感をアピールするタイプではないかと思う。

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2008年12月24日 (水)

管理職のアイドル/野村克也

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数日前のネット系ニュースによると、プロ野球・楽天イーグルスの野村克也監督は「オフは毎日バイトに精を出している」そうである。バイトとは講演のこと。野村監督の講演の面白さは定評があるので、オフは引く手あまたである。監督の講演のポイントをまとめると、次のようになるだろうか。

1.鋭い人間観察

「野球のポジション別性格診断(元ヤクルト古田がサンプル)」「部下の個性に合わせた指導(元阪神新庄がサンプル)」はオハコのネタ。面白エピソードを紹介しながらちゃんと「管理職とは」というテーマに帰結させる展開はお見事。「軸がぶれない」から合い間の雑談が生きる。

2.テレビでは聞けない「ここだけの話」

聞いて帰った人が思わず他人に話したくなるようなネタが一つ二つ必ずある。しかも風呂場での話や女性関係の話など、テレビではまず出ない話題を固有名詞付きで披露してくれる。これはお得感がある。

3.講演地に配慮したアレンジ

関西では阪神の監督時代の話を入れる(もちろん選手の固有名詞付き)など、オーディエンスに対する気配りも忘れない。

4.「自分は二流である」という謙遜

言葉上は謙遜しながらも、スポーツ関係者の話は往々にして「武勇伝」になりがちである。野村監督はこのあたりの抑制がじつにうまい。自分は王・長嶋に比べれば才能で劣る、だから努力した。努力だけで足りないのでデータにこだわった、という展開である。

5.精神論はほどほどに

監督が呼ばれる場はおもに管理職セミナーであるから、いくら笑いを取っても「勉強になった」実感がなければオーディエンスは満足しない。そこで(かどうかは推測であるが)、精神論はほどほどにしてデータの使い方や具体的な指導法を話のメインに据えている。聴講した管理職が会社から「レポートを出すように」と命じられたとしたら、非常に書きやすいと思う。

こんな感じだろうか。野球の世界では本人いわく「月見草」だそうだが、講演の世界では立派にスーパースターだと思う。なお、講演を勝手に録音してテープ起こしをする、さらに印刷して配布するという行為は本来「ダメ、ゼッタイ」である。下手をすると賠償を求められるのでご注意を。

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2008年12月22日 (月)

シンプル/鮎川誠

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ロックバンド・シーナ&ロケットの鮎川誠といえば、古い人間にとってのギターヒーローである。バンドは今年で結成30年というから、サザンオールスターズとほぼ同じキャリアだ。が、流行を巧みに取り入れる器用さを持つサザンとは対照的に、鮎川のプレイするロックはほとんど変わらずシンプルなロックンロールである。ジャンル分けすればオールドファッションの部類なのだろうが、しかし彼の音楽はもはや古いとか新しいとかを超越してひとつのスタイルと言えよう。

面白いことに、彼自身はただただ自分の好きな音楽をプレイし続けているだけなのに、クリエイターたちのイマジネーションを刺激するようで、さまざまな「畑違い」の仕事を得ている。俳優としてドラマや映画に出たこともあるし、CM出演も結構多い。頼まれたらイヤと言えない性格なのか、それとも面白がってやっているのだろうか。でもなあ…、セリフはほぼ棒読みだし、俳優は正直キツイ。というか、おそらく「演じる」ことに向いていないのではないか。鮎川の価値は鮎川として発揮されるべきだと思う。

彼が「素材」として光るのはやはりCMである。とくに最近、娘・陽子と一緒に出ている衣料品のCMなどは鮎川のカッコよさ爆発である。このCMの主役は陽子なのだが、しかしフィルムの途中から鮎川が登場すると、おそらく見ている人のほとんどの視線は彼に注がれるだろう。もともとファッションモデルでもやっていけそうな彫りの深い顔立ちとスマートな体型の持ち主であるが、はすっぱに構えたポーズなど、20代のガキでは対抗できない「不良」ぶりである。なお、このCMは広告主が愛知県に本社を持つ流通業者ということもあり、店舗のない東京、大阪では放送されていない。

それにしてもWikipediaを見て驚いた。鮎川の生まれは1948年。今年で還暦ってか!

Amay

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2008年12月20日 (土)

タレントを固定しない戦略

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旅行会社H.I.Sは広告に使うタレントを頻繁に変えている。長くて3ヶ月、短ければ1ヶ月くらいで別のタレントが広告に出ているので「あれっ、もう変わったのか」と驚かされる。しかし、これもまたタレント広告のひとつの形だろうと思う。

たとえるなら、「イベントのゲストのような扱い」と言えようか。ゲストはイベントに関係あるかどうかはさほど関係ない。主催者は人気のある芸能人を呼んでステージを盛り上げたいだけである。そういったゲストに呼ばれるのはたいていお笑い芸人であるが、H.I.Sの広告に出ているのもやはりお笑い系が多い。しかも「旬」の芸人である。

いわゆるイメージキャラクターは、企業や商品のブランディングを目的として立てられるのが通例である。そのために、じっくり練り上げた戦略とある程度長期的な取り組みが必要になる。しかしH.I.Sの広告を見ていると、そればかりではないことに気づかされる。旬のタレントを(言葉は悪いが)とっかえひっかえ起用することで、非常ににぎやかな、活気のある会社だという印象を与えているからである。

旅行業界は、為替レート、燃料費、各国の政情など、日々変動するさまざまな要因に対応してサービスを変更しなければならない。なので、「じっくりイメージ作り」は似合わないかも知れない。とくに「安さ」をセールスポイントにしている旅行会社なら、「常に旬のタレントを使う」という姿勢そのものがブランディングと言えるのではないか。

「だけど、タレントをしょっちゅう変えていたらものすごく宣伝費がかかってしまうんじゃないの?」と思う人もいるだろう。意外にそうでもないと思う。タレントのギャラを決定する要素に「露出範囲」と「使用期間」がある。前者は「広告を出す媒体がどれほど多いか」、後者は言葉通り「広告をどのくらいの期間使用するのか」である。当然、露出範囲が広いほど、使用期間が長いほど、ギャラは高くなる。その点H.I.Sは駅貼りポスター中心に露出範囲を絞っているし、使用期間も短い。そもそも若手のお笑い芸人は旬であっても比較的安い。また、制作費もスタジオ撮りの簡単なものであるから、それほどかかっていないはずである。もし大物俳優だとそうはいかない。基本的にギャラが高い上に、安っぽい広告を作るわけにいかないので制作費もかさむ。そういうわけで、年間を通じてみれば、大物俳優一人を使うよりも少ない費用で収まっているのではないかと思うのである。

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2008年12月18日 (木)

もしものとき/緒形拳

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今、年末商戦に各企業が投入した様々なカラープリンタのCMを目にするが、竹内結子を使ったエプソンのCMを見るたびに寂しい気持ちになる人は多いだろう。本来、このCMは緒形拳と共演しているはずだからだ。

緒形と竹内が一緒に記者会見に登場し、新製品のお披露目に華を添えたのが9月19日。そして10月6日に突然緒形の死去が伝えられたのである。亡くなったのは5日で、なぜかしばらく死因は不明とされていたが、肝癌であったという。ニュースを受け、エプソンは10月1日から放送されていた緒形の登場するCMのすべてを放送停止した。

このブログはいちおうビジネスブログという視点で書いているので、どうしても広告主であるエプソンの担当者の気持ちを考えてしまう。放送停止の手続きを取りながら、担当者は故人の死を悼む気持ちと年末商戦はどうなるのかという心配がごちゃまぜになっていたのではないか。緒形の出るCMが完全にテレビから消えたのが7日。その翌日、10月8日こそが、CMで盛り上げた新製品の発売日であったのだから。

エプソンの新製品は、今年大きくモデルチェンジしているという。Colorioのロゴタイプもイメージキャラクターもすべて一新したのは、新製品に対する意気込みの表れであろう。一年で最大のプリンタ需要期である年末に向けて、おそらく何か月も前から準備されてきた新製品のローンチが、こんな形でつまずくとは。9日からは緒形を抜いて編集した「暫定版」CMが放送されたが、関係者の落胆は相当なものであったと思う。選挙なら重要人物の死去は「弔い合戦」のような形で実を結ぶこともあるが、商品のイメージキャラクターでそんなことは期待できない。

たとえばタレントが不祥事を起こしてCMがお蔵入りしてしまったら、所属事務所は相応の補填を求められる。代役のタレントを無償で立てる、それが無理ならギャラを値引きする、広告物の使用期限を「休業期間」の分だけ延長する、といった方法が考えられるが、「死去」はどう対応するのだろうか。もしものときのために契約書では様々な取り決めがなされているはずだが、「タレント死去の場合」という項目はないだろう。

とはいえ、事務所が広告主に迷惑をかけたのは事実である。かといって広告主も人の死に対して強硬に出られまい。こんなときこそ間に入った代理店の手腕の見せ所である。今回はクライアントに対してどのような保障交渉をしたのだろうか。ものすごく興味がある。と、これ以上はいくらビジネスブログでも不謹慎だと思うので自粛。

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2008年12月16日 (火)

男性タレントの髪型/瑛太

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その昔、タレントはそれほどしょっちゅう髪型を変えたりしなかった。近藤真彦や松田聖子は髪型とセットで記憶されているし(独身後期の松田聖子は頻繁に髪型を変えていたが、彼女のパブリックイメージはあくまで「聖子ちゃんカット」である)、そうでなくても「だいたいあのタレントはこんな髪型」というのが一般人の頭の中にあって、それはめったに裏切られることはなかった。特に男性タレントは。

それが、最近はそうでもないようである。オダギリジョーあたりが始めた(というのも変だが)のかも知れないが、見るたびに髪型が違う男性タレントが増えた。俳優など、ちょっと見ないと思ったらずいぶんと長髪になっていることもあるし、ひげを伸ばしたり剃ったりも気分転換ていどにやっている感がある。そういうことをするのはモデル出身、アート寄りのタレントが多ので、自己表現を楽しむタイプが増えたということかも知れない。もしくは制作者に料理されるだけの素材であった昔のタレントと違い、彼らは自分の味を主張している、と言えば穿ちすぎだろうか。だろうな。

瑛太もまた、見るたび髪型が違うタレントの一人である。『篤姫』の髷は時代劇だから当然ではあるが、『のだめ』ではパンクな金髪、『ラストフレンズ』ではヘアスタイリストという役柄もあってアーティスティックな髪型で登場していた。オトナグリコのCMの「28歳のタラちゃん」は、なんというのかドレッドのようなワサワサ頭でどう見ても会社員には見えない。と思ったら、そのとおり駅前でタコ焼きを焼いている。ちなみにワタシは、イクラちゃんのセリフではないが、頭にタオルを巻いて輪郭をはっきり出しているタコ焼き屋の彼が一番カッコイイと思う。しかしちょっと極端な髪型が多すぎるのではないか。もう少し「普通」でいいじゃん。それと彼は髪で耳を隠していることが多いが、大きめの耳にコンプレックスでもあるのだろうか。

Ata

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2008年12月14日 (日)

学校さぼってエキストラ事件

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気になるニュースがネットを中心に出ていた。『ROOKIES』映画版の撮影に高校生のエキストラが参加したが、平日の昼間であったために当然学校は休んでおり、問題になっているという。映画のエキストラは最近では公式HPで登録を求める形が多くなっているが、今回は必要な人数が集まらなかったようで、人集めを委託された団体は「18歳未満不可」とうたっていたにも関わらず、明らかに「不可」の学生を黙認していた模様。

やはり義務教育ではないとはいえ、平日の昼間に学生を集めるというのは「さぼり前提」であり、それをそそのかした主催者は非常識と言われて仕方ないと思う。ニュースにリンクされているブログやSNSを覗いてみると、若い世代にとっては「一日くらい休んでもいいじゃん」「学校より良い体験ができる」が当り前の反応のようではある。が、それはしょせん子供の意見であり、良識ある大人が「なるほどその通り」と同調するべきではないだろう。映画の撮影もいい体験だろうが、学生は平日は学校に行くことが「原則」なのである。誰にも迷惑をかけていないとか法律がどうだという問題ではない。そういう世の中の常識を教えるのが大人の義務である。

と言いながら、子役がいなければ映画やCMは撮れない。かといって子役だけ日曜日に撮影というわけにもいかない(極力そうすべきではある)。そうなると子供に何日か学校を休ませてしまうのは仕方がないことかも知れない。しかしその分、親は勉強を見てやらねばならないし、それより何より、学校に行かずに撮影に参加するということは、めったにない例外的な状況であることを子供に教えるべきだろう。世話になっておいて矛盾するかも知れないが、子供を休ませて撮影に協力してくれたお子さんの親御さんは、そのあたりを理解していただきたいと思う。

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2008年12月12日 (金)

知的のメリット/眞鍋かをり

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今年は「おバカタレント」の当り年だったようで、ヘキサゴンから出たタレントは歌までヒットして大人気であった。良識派の大人たちはそんな現象を見て心配したらしい。こんなバカなタレントがもてはやされていたら、子供たちが「勉強なんかしなくていい」と思うようになるのではないかと。

そんなものは大人の教育次第だろうと思う。同じヘキサゴンでもインテリタレントが難しい問題を正解して喝采を浴びる姿を見せて言ってやればいい。
「ほら、バカな答を言って笑われるのと難しい問題を解いて『スゲ~』って言われるのとどっちがカッコイイ?」
それでも「上地クンの方がいいもん」と言うなら、こうたたみかけるべきだろう。
「おバカタレントはもうじき飽きられるけど、インテリタレントはクイズ番組の中には常に何人かは必要なんだ。長く活躍できるのはインテリのほうなんだよ」
そしてダメ押しにこう言ってやろう。
「インテリのほうが広告の仕事は多いんだぞ」

クイズ番組で「インテリ」枠に配置されるタレントに眞鍋かをりがいる。もちろん彼女は「ブログの女王」というもうひとつの肩書があるわけだが、それもやはりインテリ要素の補強になっていると思う。結局、ベースになるキャラクターがすべてを方向付けるのだ。同じブログ好きでもしょこたんは「オタク」だし、国立大学出身者は「知的」と思われるのである(正直、しょこたんと眞鍋のブログの「知的度」は似たような印象である)。

眞鍋の広告契約のうち、資格スクールや最近のNTT番号案内などは、やはり彼女の「知的」キャラクターゆえのキャスティングだろう。プロアクティブのようなスキンケア製品の広告もあるが、これにしても意図を持った起用であるように思う。すなわち、インテリタレントは「他社製品とは一味違う」点を強調するのに向いているのである。もちろんおバカタレントだって商品の面白さ、簡単さをアピールするのに向いている特性はあるが、応用範囲の広さはインテリに軍配が上がる。

そういえば、最近は眞鍋の「ブログの女王」的な紹介のされ方をあまり見なくなった。考えてみれば、彼女が「話題の人」として紅白歌合戦の審査員に選ばれたのは2005年である。以後、ブームはある程度沈静化したが彼女の仕事は減っていない。ということは、もはや安定したポジションを獲得したと言って良いのかも知れない。

Kawori

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2008年12月10日 (水)

猫ブーム/にゃらん

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レナ社長、はっちゃん、スーパー駅長たま。何のことか分からないという人はちょっと時代から遅れていることを自覚したほうが良いだろう。猫である。しかもいずれも自分の写真集を出しているアイドル猫である。その写真集は書店でペットコーナーには並んでいない。アイドル本のコーナーに置かれているのが普通である。

前述の猫たちはもっぱら自分の飼い主のために働いているが、テレビCMに出て企業のイメージキャラクターの仕事をしているのは雑誌『じゃらん』の「にゃらん」である。少し前のCMではただ旅をして温泉に入るだけのにゃらんであったが、今放送中のバージョンはにゃらんが彼女(もちろん猫)とのデートの下見に旅館を訪れ、二人のお揃いのガウンが壁にかかっているのを想像するという、なんだかいけない方向にエスカレートしている。こういうの、人間のタレントがやったら「ヤダー」と眉をひそめられそうだが、猫ならば笑って許してもらえるのである。これこそが動物タレントをキャストする理由と言えよう。動物には、人間の営みのナマナマしさをマイルドにする働きがあるのだ。

昨今の猫ブームの面白い点は、注目を集めている猫(ニャンドルともいうらしい)たちの多くが、特に血統が優れているわけでもない雑種だということだろう。しかも「ブサイク猫」というジャンルもあって、どう見ても可愛くない、ふてぶてしい大猫がカレンダーになったりしているのである。「あんな猫、どこが可愛いの?」と知らない人は思うだろうが、これこそが今の猫ブームの本質だと思う。ブログやYOU TUBEといったCGM(消費者生成型メディア)発の現象の特徴でもある。毎日マメに更新される猫ブログで、「ファン」は猫に人(猫)格のようなものを感じており、そうなるとブサイク猫もただのブサイクではない。いわば見る人すべてが「飼い主目線」でその猫を見ているのだ。

ところでレナ社長への出演交渉は誰にすればいいのだろう。やっぱURA EVO氏? ココログさんが窓口になったりとか?

Nya

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2008年12月 8日 (月)

外タレを呼ぶということ

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年内最後のキャスティング仕事は、某所でのクリスマスパーティーになりそうだ。パーティーは某通信会社のプロモーションの一環なのだが、3時間のプログラムの最後にライブの時間をとってあり、そこに出演するアーティストをキャスティングさせていただいた。

さて実はそのアーティストというのが、外国人なのである。したがって日本に来てもらうにはビザを申請しなければならず、これがなかなか面倒である。何といっても自分一人で申請書類を作成できないのがつらい。会場やその運営会社に頼まねばならないのである。用意しなければならないのは、ざっと次のようなもの。

・会場住所
・会場代表者名
・会場の母体となる運営会社名
・会場の母体となる運営会社の代表
・会場の母体となる運営会社の住所
・会場図面(舞台図面、控え室図面、客席図面)
・常勤職員名簿(5名以上)
・申立書

最後の申立書のみ規定の書面で、それ以外はこちらでまとめて出せば良い。申立書とは何かというと「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」の「興行」に該当する箇所について認めるもの。漢字が続いたのですっ飛ばした方もいるかも知れないが、平たくいえば「私たちは人身売買や売春はやっていません。暴力団関係者でもありません。れっきとした興行のお仕事です」ということの証明である。

細かい点では、「会場には13平方メートル以上の舞台があること、9平方メートル以上の控え室があること」といった基準もあって、それを証明するために会場の図面が必要になる。さらに職員の名簿は常勤スタッフを5人以上。名前だけではない。現住所に入社日、本籍地まで書かねばならない。なぜそこまで?と、愚痴をこぼしたくもなるが、それだけ外国人を使う場にはトラブルが多いということだろう。そんな手間のかかる書類作成であるが、会場の方は嫌な顔ひとつせず出してくれた。プロである。

明日は照明・音響の技術者とアーティスト側の担当者の顔合わせ、そして当日の演出の打ち合わせである。歌ってくれる曲目も明日はっきりする。アーティスト側の担当者は、今回の場合はマネージャーである。ミュージシャンのマネージャーはライブの技術的な打ち合わせもできなければならない。この人たちもプロ。プロの仕事に参加するのは実に楽しい。

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2008年12月 6日 (土)

メールよりFAXの芸能業界

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今回はツールの話。芸能事務所との連絡に必要不可欠なツールといえば、間違いなく携帯電話だろう。逆に言えば、携帯がない時代のキャスティング事務所は大変だったろうと思う。現場を飛び回っているマネージャーを「捕まえる」のは携帯でも一苦労なのだ。それ自体が「仕事」と言っていい。(だからこそ、それを面倒くさがる大手代理店がキャスティングの仕事を外注してくれるという側面もあるわけだが)。

初めてのタレントを手配するときの最初の仕事は、マネージャーの携帯番号を手に入れることかも知れない。もちろん最初は事務所に電話をかける。当然のようにマネージャーはいない(居留守のこともある)。こちらはキャスティングの趣旨を伝え、その内容をFAXし、こちらの携帯番号を教えて折り返しの電話をもらえるように伝言する。すると向こうから電話がかかってくる、…ことなどまずない。大手事務所ほどそうである(その理由はこちら)。だから毎日事務所に電話して何度も何度も折り返し電話を頼む。そうしてマネージャーから「それほど本気なら」か「ああうるせえな」かは分からないが、とにかく電話をもらえれば一歩前進。携帯だから向こうの番号が残るし(非通知の人もいるが)、その後の連絡が取れる。ここからようやく「仕事を受けてもらえるかどうか」の話が始まる。

さて、前でさらっと書いたが、芸能事務所と書面をやりとりするツールは基本的にFAXである。これはいまどき珍しいと思う。ウチは「キャスティングもやる広告会社」なので、芸能以外の業種の方ともしょっちゅう書類を送ったり送られたりしているが、ほぼすべてメール添付である。そのほうが楽だし、PCが壊れない限り紛失することもない。もちろん芸能事務所にもPCはあるが、それでもFAXなのだ。マネージャーが事務所から電話をくれるとき、たいていガサガサとFAXの山をかき分けている音が聞こえるものである。

なぜFAXなのか?おそらくもっとも核心に近い理由は「FAXは机の上に積み上げておけば本人がいなくても事務所の人がすぐに見られるから」だろうと思う。たとえばマネージャーが出先から事務所に電話して「イベント会場の図面がFAXで来てると思うんだけど見てくれる?」と聞けるわけだ。メールだとそうはいかない。

キャスティングの仕事は、とりあえず携帯とFAX。逆にいえば、それさえあれば始められる仕事でもある。

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2008年12月 4日 (木)

「嫌われない」強さ/蒼井優

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「指南役」なる謎の集団による『透明人間の買い物』という本を読んだ。本は消費の主役でありながら姿が見えにくい「大衆」を「透明人間」と位置づけ、その実態について鋭く指摘しているのだが、その中で「透明人間がもっとも思い入れしやすい役者」として妻夫木聡と蒼井優があがっている。

本はまず2人の人気を証明するために、ここ数年の映画主演作のタイトルを列記している。これが実に多い。妻夫木は2001年からの7年間で15本。年2本ペース。いっぽう蒼井は同じスパンでなんと24本!出演ではなく主演である。2005年の主演作品は7本、彼女の出ている映画は多いとは思っていたが、これほどとは思わなかった。

なぜここまで2人は人気があるのか、それは見る人が「自分を投影しやすい」からだと本は説明している。映画の中で恋したり悩んだりする登場人物に「自分と似た」部分を見つけて思い入れるには、主演俳優は「どこにでもいそう」なくらいが良いのだそうだ。また、抜きんでて「同性に嫌われる要素」がないことも大事だという。「好かれる」よりも「嫌われない」ことが大事なのだそうだ。今の時代は。

しかし、と思う。俳優は使われているうちに必ず変わっていく。とくに蒼井のここ1~2年の成長ぶりは、日々加速していると思わせるほどである。これまでは「どこにでもいそう」な女の子として使われたかもしれないが、もはやそんな印象はさほど感じない。どう見ても女優としての強い存在感を発揮しているし、「嫌われない」が選ばれる理由になるのもせいぜい今年までだろう。そのうちたった数分の出演でも記憶に残るような、アクの強い女優に化けるのではないかとワタシはにらんでいるが、どうか。(スミマセン、妻夫木は良く分からない)

面白いことに、蒼井は自分で「自分は個性がないところが個性だ」と言っている。無個性を自覚しているというのは立派な個性だし、もしかしたらこれまでも「どこにでもいそう」を演じていた、ものすごい策士なのかも知れない。

Aoi

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2008年12月 2日 (火)

タレントブログ考

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元モー娘。の矢口真里がブログを始めたら、いきなりアクセスがアメブロランキングの1位になったらしい。今年は紅白に全員落選するなど勢いがなくなってきたように言われるハロプロメンバーだが、まだまだ注目度は高いのだなと見直した次第である。

しかし、ココログに間借りしている立場で競合をほめるのも申し訳ないが、アメブロのタレントブログのプロデュース力は大したものである。ここ最近でも矢口を始めとして亀田三兄弟の父・史郎氏、市原隼人、成宮寛貴と、PV(ページが見られた回数。テレビでいえば視聴率のようなもの)が稼げる話題性のあるタレントを次々とブログデビューさせており、その勢いはまったく衰えるきざしがない。一方で「公式ブログを書きたい」タレントの自薦も受け付けており、こちらは審査した上で合格ならばオリジナルテンプレートを提供している(あまりに無名だと落とされるらしい)。そんなわけで、現在アメブロに公式ブログを持っているタレントは2000人を超えるのだそうだ。もはや放っておいてもタレントが集まってくる。甲子園常連校にプロ志望の球児が大勢集まるのと同じ構造と言えようか。

アメブロはなぜそこまでしてタレントの公式ブログを開設させたがるのか。もちろんそこにはメリットがあるからであり、思うに、メリットは大きく2つある。1つは「ブログサイトの広告価値の向上」である。広告価値とは、広告媒体としての価値であり主にPVで測られる。すなわち「そこに広告を出したらどのくらいの人が見てくれるか」ということだ。当然多くの人が見てくれるサイトほど価値が高く、広告料金も高く取れる。有名タレントにはファンがついているので、当然ブログを(ブログサイトを)見てくれる。お客を連れてきてくれるわけだ。ならばギャラを払って書いてもらっても見返りがあるという考えである。あ、言うまでもないが自薦タレントはノーギャラである。

もう一つのメリットは、やはり広告に関係しているのだが、タレントをブログサイトのリソースとして活用できることである。ちょっと分かり辛いか。言いかえれば「タレントを絡めた広告商品開発」ということだ。ブログが広告のように使われることは、もはや多くの人が知るところであろう。有名タレントのブログは一日何万人もの人が見る。それだけでも広告媒体としての価値は高いが、さらに「このお店は私のおススメ」などと書いてくれたら、普通の広告よりも反響が大きい場合がある。そこで、人気公式ブロガーを抱えるブログサイトは企業に、「ウチの公式ブロガーが広告的な書き込みをしますよ」と持ちかけるわけである。個人を指定する場合があれば、「PVが一日○○以上のタレントを3人パックで」のような売り方をすることもある。こうなるともう、ブログサイトは芸能事務所のようなものである。いやおそらく、アメブロが目指しているのはWeb上の巨大芸能事務所ではないかとさえ思う。

しかし、タレントブログに対してひとつ懸念がある。ぶっちゃけ、書いていてしんどくならないか?ということだ。ブログサイトと公式ブロガーとの契約を深くは知らないが、「いつまで」という規定はあるのだろうか。最近、数年間ブログを続けてきた知人がバタバタとブログから離れ始めている。そろそろ飽きたとも言う者もいるし、疲れたと言う者もいる。比較的時間がある一般人ですらそうなのに、たとえギャラをもらって「仕事」として書くにせよ、ブログ更新がこの先ずっと続くとしたらタレントブロガーも気が重いのではないか。というわけでワタシは、タレントがブログからいっせいに「卒業」する時期が近いうちに来ると予想している。そうなったらブログサイトはどうするのだろう?また新しい公式ブロガーを探してくる、その繰り返しだろうか。

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