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2008年11月10日 (月)

ビッグネームの魔法/北野武

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『あたらしい教科書』シリーズ(プチグラパブリッシング)の「広告」で、あるクリエイティブディレクターが「タレント広告」について面白いコラムを書いていた。

たとえばCMに4人の登場人物がいるとして、右端にキムタクを置くとする。それがキムタクだと気づいた視聴者は、「なぜ端っこにキムタクが?」「ほかの3人はだれだ?」と瞬時にストーリーを類推する。この識別性こそがタレントを使うことの意義である。…とまでは言っていないが、たしかに重要なポイントだよなあとワタシはいたく共感したのである。タレント、とくにビッグネームは存在するだけで意味を持って(持たせて)しまうのだ。

最近、地味にではあるが再びCM露出が増えてきた北野武のCMを見ていると、そういうことを考えてしまう。

「たけしを使うとは、ものすごく画期的な商品なのか?」
「たけしを使うとは、このキャンペーンには気合が入ってるな!」
「たけしが出るとは、CMの監督は天才の目にかなう人物に違いない!」

というように、勝手に商材やCMを「特別なもの」にしてしまう。普通の仕事が普通に見えない。これこそがビッグネームのパワーだろう。現実はそうかも知れないし、そうでないかも知れない。広告主が提示した条件に北野事務所が単に応じただけかも知れない。だが、広告主は明らかに彼の「識別性」に期待して仕事を依頼しているはずである。情報過多の時代において、視聴者の記憶に印象を残そうとするなら、「何か考えさせる」のは有効だし、そのためにビッグネームを使うのは正解だと思う。

ところで、いま北野が出ているCMといえば、ECC英会話と明治乳業のLG21がある。前者は映画『プルコギ』の具秀然監督の作品、後者はよく分からないが、不気味な演出でやはり映画的な味わいである。映像的には、とりあえずビッグネームに相応しい舞台が用意されているとは言えそうである。

Kt

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