ブログ有料化/新垣結衣
これはもしかしたら、今後大きな波になるかも知れない。新垣結衣の所属事務所レプロエンタテインメントが、新垣のブログ閲覧の有料化を発表したのである。料金は月額840円。これはなかなか強気な設定と言えるだろう。1万人集まれば1ヶ月で840万円、年間で1億80万円。なんとなく年1億を目標にして設定されたようなプライスではある。しかし払うほうは一人年間1万80円、これは少々キツイのではないかという気もするが…。
HPをのぞくと、有料化を前にして「新垣結衣と行くはとバスツアー」なる企画まで用意されている。もちろん参加者は抽選で、会員登録者のみ応募可能とあるから、有料会員を獲得するためのキャンペーンだろう。ということは、ブログ有料化は事務所としてもそれなりに腰を据えた本気のプロモーションであることがうかがえる。
冒頭で「今後大きな波になるかも」と書いたのは、単純にブログ有料化が進むだろうということではない。タレントのインターネットの使い方が、これまではファンの間口を広げるための広告的なものであったのが、サービスそのものを提供する手段になっていくのではないか、と思ったのである。「他人の日記をカネ払って見る奴の気が知れない」などと言う人もいるが、そういう人は「ブログ=日記」の思いこみが強すぎると思う。ブログを「双方向性コミュニケーションツール」と大きく考えれば、それなりの価値を生み出す可能性は十分ある。そしてそれは「オープン」から「クローズ」へのシフトでもあるだろう。
もちろんタレントの「会える」化はAKB48のような前例もあるので、新垣プロジェクト(勝手に命名)はそれ以上のサムシングがなければならないだろう。事務所に優秀なネットマーケティングのブレーンがついたのだろうか。だとしたら、今回はテストマーケティングとして非常に面白いと思う。
さらに思うのだが、タレントがブログを「広報手段」から「サービス提供手段」に変えていくとしたら、アメブロなどが抱えるいわゆるタレントブログは下火になるかも知れない。タレントブログというのは、ブログサイトにとってはPV確保と広告キャスティング(要するにブログへの書き込み依頼)のための囲い込み手段であり、タレントにとってはファン獲得の手段であるのだが、どちらかといえばブログサイトがタレントに「書いてもらっている」のが実態だと思う(もちろん有名タレントに限った話)。ブログを書いてギャラをもらっているタレントもいるが、もしブログを有料化したほうがギャラより儲かるならば、ブログサイトの「公式ブログ」は捨てるだろう。そうなるとタレントをつなぎとめるために、ブログサイトはそれ以上のギャラの上積みを要求されるかも知れない。またブログサイトから「タレント離れ」が起こるとしたら、タレントによる「ブログ書き込み」の収入も減ることになるだろうし、ブログサイトとしては二重に痛いはずである。
この出来事に対して書かれた一般人のブログを見ていると、「新垣結衣は本当に料金分のブログを書けるのか?」「ゴーストライターが書くのでは?」「女優なのにはとバスツアーなんか行く時間があるの?」「有料化しても炎上するときはする」といった、コンテンツ面の心配が多いようだ。いずれももっともな意見である。
しかしとにかく、やってみなければ分からないことも多い。新垣がちゃんとブログを書けるのか、追随して有料化するブログが出てくるのか、そしてアメブロが何か対策を打ってくるのか、じっくり注目したいと思う。
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